久しぶりに心揺さぶられる音楽。くるり(Quruli)「「THE PIER」
ライヴにはほとんど行かない私ですが、実は、8月30日(土)の「SPACE SHOWER TV 25TH ANNIVERSARY SWEET LOVE SHOWER 2014」で、初めてくるり(Quruli)のライヴを見ました。
岸田繁(Shigeru Kishida)の「ごめんな、知らん曲ばっかやって。それがくるりやねん」という弁解が象徴する、フェスというのにエンタテインメントを放棄したような地味なステージにはちょっとびっくり。
しかし、その後に登場した山下達郎(Tatsro Yamashita)に一歩も引かない岸田のギター・カッティングを中心とした、緩急のついた職人芸的演奏は、想像以上の素晴らしさ。
中でも、「THE PIER」(2014年9月)からの新曲、「Liberty & Gravity」には感動。
・You Tube上の、5曲目「Liberty & Gravity」のミュージック・ビデオ
http://www.youtube.com/watch?v=LSDx4htNfjs
ビデオのとおり、言葉にすることは不能な、混沌とした奇妙な曲。
でもすごく心揺さぶられます。
私は、無国籍路線とも言うべき、この曲と10曲目「Brose&Butter」が好きです。
・You Tube上の、8曲目「Remember me」のミュージック・ビデオ
http://www.youtube.com/watch?v=jbYh4su2HGE&list=RD8kTZV-JfJMU&index=3
くるりお得意の和風フォークです。
こういう曲ばかりのアルバムも作って欲しいのですが。
・You Tube上の、14曲目「There is(always light) 」のミュージック・ビデオ
http://www.youtube.com/watch?v=8kTZV-JfJMU&index=1&list=RD8kTZV-JfJMU
多くのファンが求めるのは、ドラマティックなこの路線ですかね。
初回限定版の特典が「Liberty&Gravity」ハイレゾ音源ダウンロードコードですが、CDのフル・アルバムってやっぱりいいなぁと思わせてくれるくるり(Quruli)、今後も期待させていただきます。
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コメント
NIKKIしか持ってなかったんですが、
ご推薦の「Liberty & Gravity」のミュージック・ビデオを見て、
速攻タワレコに走りました!
素晴らしいですね。
久々にアルバムって感じの感動です。
トランペットが絶妙にいい。
武川氏を完全に越えてると思います(笑)
今は、2034〜日本海にまずやられています。
投稿: C3PAPA | 2014年9月25日 (木) 10時02分
C3PAPAさん、コメントありがとうございます。
このアルバムが気に入るのは良くわかる気がします。
後期ムーンライダーズ、それも鈴木慶一楽曲の深さがありますね。
ただし、トランペットもそうですが、くるりの技術点は相当に高い。
事務所もバッドニュースを辞めたみたいですし、
メインストリーム的なエンタテインメントを放棄する方向も
ライダーズ的で残念ではありますが、
本作のような高水準な作品を出し続けてもらいたいと思います。
投稿: Accounting&Music | 2014年9月26日 (金) 20時42分
久々に創造性豊かにして、余計な要素を排したアルバムだと思います。
しかも、今の邦楽のロックを愛すると標榜するリスナーが好む、
ある種のメロディ、コード進行展開、リズム展開を全く考慮
していないように、一聴すると聴こえる音造りに感銘を受けています。
『なぜ、こう行くんだろう。そしてこの詞の意味は何なのか』
ビートルズが【ストロベリーフィールズ フォーエバー】をリリースしたときに
私が思ったことですが、ロックという名のポップミュージックには、そうした
謎が必要であり、邦楽のロックは久しく、こうした謎を持つアルバムがなかった
です。
くるりはそうした感性を持ったグループでしたが、岸田 繁氏の放つ名曲には
これまで、判る人には判る引用があからさまにでてしまう曲が多かったです。
(一例を上げれば【ジュビリー】と【ムーンリバー】とか、【HOW TO GO】と
【ビージーズのとある曲】等)
本作にも【ペーパーバックライター】のリフがそのまま使われてる曲もあります。
でも、本作では、そのリフでさえ、オリジナルを凌駕する何かを秘めています。
収録曲【2034】の、中田ヤスタカが演ってないテクノという感じがします。
しかし何故だろう。全編 聴き終えると、今までに聴いたことがない気になるのは。
アルバム『言葉にならない、笑顔を見せてくれよ』では自分の許容範囲にあったような
気がしたのですが。
きっと、今の邦楽を超えようとする気概を音に見事に反映した結果、こうした謎に満ちた
一作になっているのではないでしょうか?
そういう意味で、本作は、くるり史上初の傑作ではないでしょうか?
投稿: tommy sasuga | 2014年11月30日 (日) 08時54分
tommy sasugaさん、コメントありがとうございます。
やはり、岸田繁に批判的だったはずの貴殿すら唸らせてしまう傑作なのですね。
SOUND DESIGNERの2014年10月号の岸田繁ノインタビューを読むと
彼が日本海側の京都の田舎に住んでおりそこで曲作りしていることとか
「ここの音楽です」とならないように考えたこととか
アラブ圏の楽器であるエレックトリック・サズを多用することにより半音の半音である四分音を重視したこととか
どうも様々な要素が結びついて「謎に満ちた一作」ができあがったようです。
例えば、「Liberty & Gravity」については、
「自分が普段考えている、いろんなどうでもいいことを、それぞれ本気でやるとどうなるか?」
と思ってやってみたら、意外とエモーシヨナルになった曲で、
モチーフとして紐解いていくと、しょうもないことを曲にしているなあという感じだが
それを断続的に色々と違うものが何かによってつながっているという意味では、
すごく変なと言うか、あまり存在しなかった音楽が作れた
と思っているそうです。
岸田繁はやはりすごく才能のある人、
そしてここそが類稀なる点だと思いますが
その持続性がある人だと痛感させてくれる作品です。
「くるり」というバンド名も考えてみるとすごいバンド名ですね。
「ロックン・ロール」の京都弁という感じで、
これからも「くるり」という感じで飄々と転がり続けてくれそうです。
投稿: Accounting&Music | 2014年11月30日 (日) 13時49分