保証人、債権者ともに課税関係は生じないことが確認されています。「経営者保証に関するガイドライン」に基づく保証債務の整理に係る課税関係の整理に関するQ&Aについて」
当ブログでも既にご紹介のように、2013年12月、日本商工会議所と、一般社団法人全国銀行協会を事務局とする「経営者保証に関するガイドライン研究会」(座長:小林信明 長島・大野・常松法律事務所 弁護士)は、経営者保証に関する中小企業、経営者及び金融機関による対応についての自主的かつ自律的な準則である「経営者保証に関するガイドライン」と、本ガイドラインに関するQ&Aを公表し、2014年2月1日より適用開始。
それに対応し、2014年1月、中小企業庁及び金融庁において、「経営者保証に関するガイドライン」に基づく保証債務の整理に係る課税関係の整理について国税庁に確認を行い、具体例を取りまとめ公表しています。
http://www.jcci.or.jp/chusho/kinyu/140116guideline-qa-kazeiseiri.pdf
4事例について、保証人、債権者ともに課税関係は生じないことが確認されています。
詳しくは、公表されている「経営者保証に関するガイドライン」に基づく保証債務の整理に係る課税関係の整理」をご覧になっていただきたいのですが以下の4事例について言及。
Q1 【主たる債務と保証債務の一体整理を既存の私的整理手続により行った場合】
Q2 【主たる債務について既に法的整理(再生型)が終結した保証債務の免除を、既存の私的整理手続により行った場合(法的整理からのタイムラグなし)】
Q3 【過去に主たる債務について法的整理(再生型)により整理がなされた保証債務の免除を、既存の私的整理手続により行った場合(法的整理からのタイムラグあり)】
Q4 【主たる債務について既に法的整理(清算型)が終結した保証債務の免除を、既存の私的整理手続により行った場合(法的整理からのタイムラグなし)】
いずれも、保証債務を免除されたことにより、
保証人は債務免除益課税がなされないこと
債権者に寄附金課税は生じないこと
が確認されています。
従来、債権者に寄附金課税が生じるという誤解により、なかなか保証債務の免除が受けられないという事案を見かけましたが、今後はより円滑に金融機関等からの債務免除が進むことが期待されます。
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