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「あまちゃん」後、ナスカの地上絵のように浮かび上がって見えてきた普遍的魅力の音楽。大滝詠一(Eiichi Ohtaki)「NIAGARA CD BOOK I」

20140617_niagara_cd_book_i 大滝詠一(Eiichi Ohtaki)「NIAGARA CD BOOK I」(2011年3月、アンコールプレス:2014年3月)。

 昨年12月に急逝した大滝詠一(Eiichi Ohtaki)の、1970年代のナイアガラ作品群を発売順に、オリジナル盤に忠実に準拠したスタイルで収録した12枚組ボックス・セットのアンコールプレス。

 正直に言うと、1970年代~1980年代のリアル・タイム時には今ひとつ理解できなかった大滝詠一(Eiichi Ohtaki)のナイアガラ作品群。

 ところが、 「あまちゃん」後、ナスカの地上絵のように浮かび上がって見えてきた普遍的魅力の音楽にひきこまれ、今や遅ればせながらのナイアガラー状態です。
 

 1970年代~1980年代のリアル・タイム時の大滝詠一(Eiichi Ohtaki)は、なぜかだみ声で歌うはっぴいえんどの人、なぜか昔のポップスばかりにこだわる人、なぜか音頭や演歌が好きな人、なぜかパンク・ニュー・ウェイヴ等の時流に無関心な人という印象。

 音楽性では細野晴臣(Haruomi Hosono)、洒落では加藤和彦(Kazuhiko Kato)、メロディ・メイカーでは鈴木慶一(Keiichi Suzuki)のブラインドになり、あまり関心がありませんでした。

 ところが、 「あまちゃん」後、細かいこととらわれない大きな視点(例えば「ダサイぐらい我慢しろよ」)で見てみたら、ナスカの地上絵のように浮かび上がってきた、その普遍的魅力の音楽にひきこまれ、今や遅ればせながらのナイアガラー状態。

 6月8日のTV番組、「NHKスペシャル ミラクルボディー W杯(2)スペイン代表 世界最強の天才脳 」で、シャビ(Xavi)ことシャビエル・エルナンデス(Xavier Hernández)について、空間を認識する力つまり目から入った情報を上から、俯瞰して捉える能力が高いという科学的分析がなされていました。

 大滝詠一(Eiichi Ohtaki)は、晩年、発売している全社のPCのマップを持っているGPSオタクだったそうですが、科学的に分析することが可能であるならば、時空間を認識する力つまり見聞きして入った情報を過去から未来にわたり俯瞰して捉える能力が高かったというところでしょうか。

 山下達郎(Tatsuro Yamashita)にも似たことが言えるのかもしれませんが、しょせん流行はすたれてしまうものであり、素朴な1960年代のポップスにこそ普遍的な魅力があるということを冷静に気が付いており、そのスタイルを貫き続けたことが、この音楽アーカイヴ時代(当ブログの呼ぶところの「音楽水道時代」)に至り、普遍的魅力の音楽として、ナスカの地上絵のように私の前に浮かび上がってきました。

 「NIAGARA CD BOOK I」ですが、私のお気に入りは、大滝詠一(Eiichi Ohtaki)自身「自信作」というオリジナル「’78」とリミックス「’81」の2枚が納められた「ナイアガラカレンダー」、そしてピーター・バラカン(Peter Barakan)のような外人だけしかわからないと思っていたナイアガラフォールスターズ名義「レッツオンドアゲン」(1978年)。

 音頭ものもそうですが、インストものの多羅尾伴内楽団もイケてしまうようにあっという間になってしまった自分が信じられません。

・You Tube上の「NIAGARA MOON」(1975年)7曲目「FUSSA STRUT (PART II) 」のあまりにも貴重なライヴ映像。

 http://www.youtube.com/watch?v=Af_jcYghoIg

 キーボードは、坂本龍一(Ryuichi Sakamoto)らしいです。

 また、「NIAGARA CD BOOK I」で感じるのは、フィギア・スケートに例えるならば「技術点」の高さ。

 演奏の完成度の高さが、その音楽の普遍性、陳腐化の無さに寄与しています。

 ユカリこと上原裕(Yutaka Uehara)のドラムを重用していましたが、今聴くと良いですね。

 ところで、薀蓄豊富なナイアガラ・サウンドのお供、解読本としては、本人による文章主体の「増補改訂版 オール・アバウト・ナイアガラ 」(2005年12月)、2大ナイアガラ-湯浅学(Manabu Yuasa)、萩原健太(Kenta Hagiwara)によるインタビュー中心の「レコード・コレクターズ増刊 大滝詠一 Talks About Niagara コンプリート・エディション」(2014年3月)が従来ありました。

 そこに、今回、元ネタであるレコード・ガイド・ブックの木村ユタカ(Yutaka Kimura)「ナイアガラに愛をこめて 大瀧詠一ルーツ探訪の旅 」(2014年3月)も登場。

 この本を読むと、いかに聴いてきたものが自分のレコード棚と違うのか、それゆえに大瀧詠一の作品が新鮮に聴こえるのかよくわかります。

 自分が好きな、ピチカート・ファイヴ(PIZZICATO FIVE)、スフィアン・スティーヴンス(Sufjan Stevens)、あまちゃんの音楽が一気につながる、ナスカの地上絵、「NIAGARA CD BOOK I」、当分愛聴させていただきます。

 

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コメント

素晴らしい解説ですね。
題名の付け方のセンスも最高です。

投稿: きんさん | 2014年7月30日 (水) 17時36分

きんさん、コメントありがとうございます。
過分なお言葉をいただき恐縮です。
W杯でのシャビのパフォーマンス、大友良英スペシャルビッグバンド「ええじゃないか音頭」はちょっと残念。
特に大友良英は大滝詠一の音頭もののカヴァー、
「クリスマス音頭」、「ナイアガラ音頭」、「イエロー・サブマリン音頭」等をぜひやってほしかったです。

投稿: Accounting&Music | 2014年8月 2日 (土) 03時01分

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