山下毅雄(Takeo Yamashita)を斬った男が遂に放つ劇伴音楽の問答無用の金字塔。大友良英(Yoshihide Otomo) 「連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック(Renzoku Terebi Shōsetsu Amachan Orijinal Soundtrack)」
大友良英(Yoshihide Otomo) 「連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック(Renzoku Terebi Shōsetsu Amachan Orijinal Soundtrack)」 (2013年6月)。
TVをほとんど見ない私ですが、出勤時の時刻確認の際に実はほぼ毎日見ているのが、連続テレビ小説「あまちゃん」。
宮藤官九郎(Kankuro Kudo)脚本のドラマ自体も面白いのですが、テーマ音楽がとにかく抜群、サウンド・トラックの発売を待ちわびていたところです。
期待通りの大傑作、山下毅雄(Takeo Yamashita)を斬った男が遂に放つ劇伴音楽の問答無用の金字塔です。
大友良英(Yoshihide Otomo) は、ジャズ畑出身の即興音楽を得意とする音楽家。
即興音楽が苦手な私ですが、「ルパン三世」、「プレイガール」、「スーパー・ジェッター」の劇伴音楽で知られる山下毅雄(Takeo Yamashita)のカヴァー・アルバム、大友良英(Yoshihide Otomo)「山下毅雄を斬る」(1999年) の緻密で構築的に聴こえるサウンド・メイキングは驚きでした。
同アルバムの解説で「アヴァンギャルドな世界を渡り歩いてきた私の本質は案外素朴な浪花節だったりするのだけれど、そんなことに気づいて、そのことを平気でカムアウト出来るようになったのは、なによりも山下音楽との出会いが大きかったような気がする。」と語っていた大友良英(Yoshihide Otomo)が、満を持して放ったのが、連続テレビ小説「あまちゃん」の劇伴音楽。
・You Tube上の「あまちゃん オープニングテーマ 」の音源。
http://www.youtube.com/watch?v=fKDXK4M7DzA
35曲も入っている「連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック(Renzoku Terebi Shōsetsu Amachan Orijinal Soundtrack)」 、私の一番のお気に入りは、11曲目「あまちゃんクレッツマー」。
「あまちゃんクレッツマー」は、何かと似ていると思ったらこの曲と似ていると思います。
・You Tube上の我がオインゴ・ボインゴ(Oingo Boingo)の前身、ザ・ミスティーク・ナイツ・オブ・ザ・オインゴ・ボインゴ(The Mystic Knights of the Oingo Boingo)の1976年の「ザ・ゴング・ショー(The Gong Show)」出演時のTV映像。
http://www.youtube.com/watch?v=vTRd1a5MVMw
ザ・ミスティーク・ナイツ・オブ・ザ・オインゴ・ボインゴ(The Mystic Knights of the Oingo Boingo)は、なんと、1977年に来日し、第8回世界歌謡祭(World Popular Song Festival in Tokyo '77)に参加していますが、審査員をしていた、庄野真代(Mayo Shono)の当時の旦那にして作曲家・編曲家、小泉まさみ(Koizumi Masami)に10点満点をつけさせたという伝説のパフォーマンスもこんな感じだったのでしょうか。
問答無用の出来の音楽ですが、「連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック(Renzoku Terebi Shōsetsu Amachan Orijinal Soundtrack)」は、大友良英(Yoshihide Otomo)自身による「入魂の35曲全曲解説」付ですので、CDで聴くと楽しみ倍加。
震災後以降、何かと暗い音楽が多い昨今ですが、カラっと明るくプロフェッショナルな大友劇伴音楽、今後も期待させていただきます。
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コメント
オインゴボインゴの前身とはまた驚きの参照元ですね。小泉まさみとはそんな伏線があったのか。
参照曲もあまちゃん全体も、オリエントやバルカンの本場のエキゾ味からしたらかなりマイルドですが、そもそも本作はNHKの朝ドラ仕様ですし。スパイシーすぎず深煎りすぎず、いい塩梅なんでしょうね。
テーマ曲なんか、バルカントラッドなんて知らなくても毎朝のウォームアップによさそうといいますか、その「ちょっと変」のさじ加減がうまい。
サントラ仕事のキャリアを通じて、大友良英って音像をしっかり組み立てる人なんだと思うようになりました。感覚まかせや腕力頼みじゃなくて。
なので本作の手堅いサウンドメイクはさもあらんですが、ここまで大衆性が引き出されるとは意外でした。
投稿: MYB | 2013年6月21日 (金) 16時11分
MYBさん、コメントありがとうございます。
ところで、ザ・ミスティーク・ナイツ・オブ・ザ・オインゴ・ボインゴ(The Mystic Knights of the Oingo Boingo)は何でクレッツマー(クレズマー、Klezmer)みたいな音楽を1977年に演奏していたかについても触れておきます。
リーダーのダニー・エルフマン(Danny Elfman)の兄にしてこれまたかなりの奇人、リチャード・エルフマン(Richard Elfman)が大学をドロップアウトして参加したパリのサーカス団での経験に基づき結成したのがこのオインゴ・ボインゴ(Oingo Boingo)の前身バンドだったからのようです。
つまり、サーカス団経由のクレッツマー(クレズマー、Klezmer)的音楽のようです。
下記のWEB上のリチャード・エルフマン(Richard Elfman)による「OINGO BOINGO: THE COMPLETE HISTORY」にその辺の経緯が書かれており、高校生でサーカス団に参加した後東西アフリカを1年音楽探求の旅をしたというダニー・エルフマン(Danny Elfman)がいかに特異な音楽家であるかがよくわかります。
http://www.buzzinemusic.com/article/music-oingo-boingo-05072009
ちなみに、リチャード・エルフマン(Richard Elfman)の息子の嫁、ジェナ・エルフマン(Jenna Elfman)が主演した人気TVドラマ「ふたりは最高! ダーマ&グレッグ (Dharma & Greg)」(1997-2002)の日本での放送局はNHKでした。
異能の音楽家が劇伴音楽をやることで意外な大衆性が引き出されるという例が、山下毅雄(Takeo Yamashita)、ダニー・エルフマン(Danny Elfman)であり、そして「あまちゃん」での大友良英(Yoshihide Otomo)なのではないでしょうか?
・You Tube上のザ・ミスティーク・ナイツ・オブ・ザ・オインゴ・ボインゴ(The Mystic Knights of the Oingo Boingo)の映像をもう一つ。
http://www.youtube.com/watch?v=Yh629kOutR4&list=PL50A35EE8DC320940
「あまちゃん」の音楽みたいであるとともに、サーカス団からアフリカ音楽というダニー・エルフマン(Danny Elfman)の異能ぶりがよくわかります。
「あまちゃん」~ダニー・エルフマン(Danny Elfman)の連想は、我ながら見事であったと自画自賛したくなります。
投稿: Accounting&Music | 2013年6月23日 (日) 22時18分