鹿子木総括判事による東京地方裁判所第20部の最近の運用状況に関する情報発信が掲載されています。伊藤眞(編集)、門口正人(編集),、園尾隆司(編集)、 山本和彦(編集)「松嶋英機弁護士古稀記念論文集 時代をリードする再生論」
■鹿子木総括判事「再生事件における適正な手続進行を確保するための工夫」
民事再生手続は、手続の標準化・簡素化と監督委員の監督による公正適正な運用確保により法施行以来3,000件を超え定着したが、一方で再生債務者の公平誠実義務に反する濫用的な運用が一部見られるとの指摘があり、不断の見直しを行い手続の公正さと透明性の確保に努めてく必要があるとして、東京地方裁判所第20部の最近の運用事例を紹介。
■税務会計専門家に直接関係する事例
監督委員による監督権限の積極的な行使として、財産評定の確認を挙げ、
「再生債務者の評価が監督委員が相当と考える評価と異なる場合に、再生計画に関する意見書の中で、その旨指摘した事例」
「一部の再生債権者への弁済について否認権行使の可否について再生債務者に調査を促し、その結論について再生計画案に関する意見書の中で指摘した事例」
を紹介。
■上記から感じること
上記の税務会計専門家に直接関係する事例は、よくある基本的な事例だと思いますが、その他の事例はなかなか興味深いものが多く掲載されていますので、法的整理ならずとも私的整理等の事業再生に関わる専門家もぜひ一読しておきたいところです。
| 固定リンク
« アレンジャー、大村雅朗(Masaaki Omura)の永遠の切れ味。大澤誉志幸(Yoshiyuki Osawa)「CONFUSION 」 | トップページ | 今聴くとすごく新鮮な、普遍的な洗練されたソング・ライティング。鈴木さえ子(Saeko Suzuki)「緑の法則(The Law Of The Green)」 »
「事業再生・倒産等(ややプロ向)」カテゴリの記事
- 「倒産」状態の債務者に対する債務免除に関する税務について執筆させていただいた書籍の改訂版が発売されました。リスクモンスター株式会社(編)「与信管理論〔第2版〕」(2015.07.19)
- 保証人、債権者ともに課税関係は生じないことが確認されています。「経営者保証に関するガイドライン」に基づく保証債務の整理に係る課税関係の整理に関するQ&Aについて」(2014.06.21)
- 会社更生手続以外の実務にも実務に活かせる事業再生ノウハウの最前線の調査分析。松下淳一 (編集)・事業再生研究機構 (編集) 「新・更生計画の実務と理論」(2014.05.25)
- 民事再生法の正しい理解に活用するのに最適な統計値。山本和彦、山本研(編集)「民事再生法の実証的研究」(2014.04.27)
コメント