山下達郎(Tatsuro Yamashita)という精神が貫かれたベスト盤。山下達郎(Tatsuro Yamashita)「OPUS ~ALL TIME BEST 1975-2012~」
まずは、ファンクラブの会報に掲載されている4コマ漫画の「タツローくん」というキャラクターらしい、漫画家とり・みき(Mickey Bird)の手によるジャケット・デザインが素晴らしい。
山下達郎(Tatsuro Yamashita)のジャケット・デザインの中でも一番ではないでしょうか?
私はベスト盤が大好きですが、
1 概ね年代順の曲順であること
2 評価の高い曲を中心とした骨太な選曲であること
3 最新のリマスタリングが施してあること
4 できれば本人による解説があること
が良いベスト盤の条件。
山下達郎(Tatsuro Yamashita)「OPUS ~ALL TIME BEST 1975-2012~」は、どの条件も満たします。
個人的に一番好きな曲は、Disc.2の11曲目、「蒼氓(そうぼう)」(1988年)。
本盤の本人解説では触れられていませんが、当時一世を風靡した音楽自体ではなく文化を語ろうとするYMO現象に反発した作品。
高橋幸宏(Yukihiro Takahashi)と鈴木慶一(Keiichi Suzuki)のユニット、 ザ・ビートニクス(THE BEATNIKS)の同時期の名曲、「COMMON MAN 」(1987年)と、奇しくもほぼ同じ意味のタイトル。
山下達郎(Tatsuro Yamashita)「蒼氓(そうぼう)」の方がよりポジティヴであり精神の強さを感じます(その後同じ路線の曲がないように感じられるのは残念ですが)。
昨日、録画しておいたNHKスペシャルを見たら、草間彌生(Yayoi Kusama)が、夏目漱石も宮沢賢治も精神を売り込んでいるからいまだにベストセラーだというような発言をしていてなるほどと感心。
そうした意味では、山下達郎(Tatsuro Yamashita)という精神が貫かれた「OPUS ~ALL TIME BEST 1975-2012~」、永遠のベストセラーとなりうる名盤です(本人はそのように語られるのは嫌うかもしれませんが)。
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