お帰りなさい、残響(リバーブ:Reverberation)の時代(1980年代)の最高のアメリカン・ギター・ポップ・バンドNo.1。ザ・ディービーズ(The dB's)「スタンズ・フォー・デシベルズ(Stands for Decibels)」
当ブログでも先日ご紹介のとおり、ザ・ディービーズ(The dB's)が、「ザ・サウンド・オブ・ミュージック(The Sound Of Music)」以来25年ぶりのスタジオ・アルバム、「Falling Off The Sky」を2012年6月12日にリリース。
知る人ぞ知る我がザ・ディービーズ(The dB's)、ここで盛り上げなければいつ盛り上げるのだ、ということで私も人肌に脱がせていただきます。
「お帰りなさい、残響(リバーブ:Reverberation)の時代(1980年代)の最高のアメリカン・ギター・ポップ・バンド」と題して大?
特集。
皮切りは、ザ・ディービーズ(The dB's)「スタンズ・フォー・デシベルズ(Stands for Decibels)」(1981年)。
私にとってのザ・ディービーズ(The dB's)の最高傑作、帯付日本盤LPの画像で心を込めてご紹介させていただきます。
ザ・ディービーズ(The dB's)は、1978年に結成、1988年に活動を停止した、アメリカは米南部ノースカロライナ州ウイントン=セイラム出身のメンバーによる、ギター・ポップ・バンド。
前身は、1976年結成の、クリス・ステイミー(Chris Stamey):Vo・G、ウィル・リグビー(Will Rigby):Dを中心としたスニーカーズ(Sneakers)。
スニーカーズ(Sneakers)名義では、6曲入シングル「スニーカーズ(Sneakers)」(1976年)、9曲入ミニ・アルバム「イン・ザ・レッド(In The Red)」(1978年)の作品を残しています。
これらの音源は、現在、2006年発売の未発表音源を含んだ21曲入コンピレーション・アルバム「Nonsequitur Of Silence」で聴くことができます。
クリス・ステイミー(Chris Stamey)のアシッドな浮遊感あふれる感覚はこの頃から一貫。
サウンドはインディーズっぽい雰囲気で、ザ・ディービーズ(The dB's)のような「新しさ」はほとんど感じられません。
1978年の結成当初は、クリス・スティミー&ザ・ディービーズ(Chris Stamey & The dB's )と称し、メンバーは、クリス・ステイミー(Chris Stamey):Vo・G、ウィル・リグビー(Will Rigby):D、ジーン・ホルダー(Gene Holder):B。
小粋なバンド名は、ザ・ディービーズ(The dB's)「ライク・ディス(Like This)」(1984年)の日本盤(1995年)のjemの添野知生の解説によれば、当時のニューヨークでいちばん静かなバンドだった自分たちを音の強さを相対的に表す単位デシベルを使って「相対的に騒がしい連中」と皮肉って命名したとのこと。
ちなみに、当該日本盤ファミリー・ツリー作成協力のjemの渡辺睦夫(Mutsuo Watanabe)によるバイオグラフィー等、jemのザ・ディービーズ(The dB's)ページは貴重な資料なのでぜひご参考を。
クリス・スティミー&ザ・ディービーズ(Chris Stamey & The dB's)名義では、カー・レコーズ(Car Records)からのデビュー・シングル「(I Thought )You Wanted Know 」(1978年)が残されています。
このシングルは、1984年にロンドンのバージン・レコード・ショップで入手しましたが、日本では、ザ・ディービーズ(The dB's)のアナログ・シングルを数多く扱っていた西新宿のレコード店「ヴィニール(VINYL)」でも見かけたことがなく、コレクターではない私のささやかな自慢の品。
このシングルも、サウンドはスニーカーズ(Sneakers)の延長という感じです。
1978年10月に、ピーター・ホルサップル(Peter Holsapple):Vo・Gが加わり、ザ・ディービーズ(The dB's)名で活動開始。
私が、ザ・ディービーズ(The dB's)のことを知ったのは、「MUSIC MAGAZINE(ミュージック・マガジン)1981年7月号」。
大竹直樹(Noki Otake)が「ニューアーティスト」で、中川五郎(Goro Nakagawa)が「アルバムピックアップ」で、小倉エージ(Eji Ogura)が「アルバム・レビュー」で紹介。
特に、中川五郎(Goro Nakagawa)の記事の、「ビートルズをダブった」、「新しくて古く、古くて新しい」という言葉に、興味津々。
ザ・ディービーズ(The dB's)のイギリスのアルビオン・レコーズ(Albionv Ewcords)からの1stアルバム、「スタンズ・フォー・デシベルズ(Stands for Decibels)」(1981年)をさっそく入手。
私が思うに1980年代は、残響(リバーブ:Reverberation)の時代。
1980年代は、ジャマイカのダブ(DUB)・ミュージックの影響、デジタル・リバーヴの登場によるレコーディング技術向上により、残響を重視したサウンドが台頭。
1990年代以降は、1970年代の録音こそ最高で、1980年代の録音は暗黒時代だったような指摘をよく見かけましたが、私は1980年代の録音はぜひ再評価されるべきだと常に思ってきました。
「スタンズ・フォー・デシベルズ(Stands for Decibels)」(1981年)は、残響(リバーブ:Reverberation)の時代の申し子のようなアルバム。
一発で夢中になりました。
プロデュースは、音楽誌「New York Rocker」編集人、アラン・ベトロック(Alan Betrock)とグループ自身。
・You Tube上の1曲目「ブラック・アンド・ホワイト(Black And White)」の音源。
http://www.youtube.com/watch?v=ChZ4Fh3CnDE
スピード感、サウンドの立体感が素晴らしい、傑作のオープニングにふさわしい曲。
例えるならば、ザ・ビートルズ(The Beatles)におけるポール・マッカートニー(Paul McCartney)、XTCにおけるコリン・モールディング(Colin Moulding)、ピーター・ホルサップル(Peter Holsapple)の作詞作曲。
大学時代のバンド仲間、友人だったPINK(ピンク)の初代ギタリストの故渋谷ヒデヒロ(Hidehiro Shibuya)とこの曲をコピーして、ビートハウス(Beathouse)というバンドで演奏したのも懐かしい思い出。
・You Tube上の7曲目「サイクルズ・パー・セコンド(Cycles Per Second)」の貴重なライヴ映像。
http://www.youtube.com/watch?v=AFhU0T57_IA
例えるならば、ザ・ビートルズ(The Beatles)におけるジョン・レノン(John Lennon)、XTCにおけるアンディ・パートリッジAndy Partrdge)、クリス・ステイミー(Chris Stamey)の作詞作曲。
クリス・ステイミー(Chris Stamey)のアシッドな浮遊感あふれる感覚と、ピーター・ホルサップル(Peter Holsapple)のオーソドックスでポップな感覚の、絶妙なブレンドがザ・ディービーズ(The dB's)の魅力。
・You Tube上の9曲目「ビック・ブラウン・アイズ(Big Brown Eyes)」の貴重なライヴ映像。
http://www.youtube.com/watch?v=y9vnIghFrUU
ピーター・ホルサップル(Peter Holsapple)の作詞作曲。
バッキング・ギターのフレージングが、なんとなくXTC「オール・オブ・サドゥン(All of A Sudden)」(1982年)に似ていますが、こちらの方が発売が先です。
・You Tube上の11曲目「ムーヴィング・イン・ユア・スリープ(Moving in your sleep)」の音源。
http://www.youtube.com/watch?v=8BX9lcksa48
ピーター・ホルサップル(Peter Holsapple)の作詞作曲。
ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)を感じさせる、抒情性豊かで、実に美しい構成の名曲。
とにかく1曲目から最終曲(クレジットはないのですが2曲目「ダイナマイト(Dynamite)」のリプライズ (Reprise))まで、完璧な完成度。
今聴きなおしても全く色あせない超傑作、「スタンズ・フォー・デシベルズ(Stands for Decibels)」、紙ジャケ・リマスター再発という話は出てきませんでしょうか。
| 固定リンク
« もうすぐ70歳にしてますます元気なブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)、もはやロック高齢化社会の星です。ザ・ビーチ・ボーイズ (The Beach Boys)「ゴッド・メイド・ザ・ラジオ~神の創りしラジオ(That's Why God Made the Radio)」 | トップページ | お帰りなさい、残響(リバーブ:Reverberation)の時代(1980年代)の最高のアメリカン・ギター・ポップ・バンドNo.2。ザ・ディービーズ(The dB's)「Repercussion」 »
「音楽等(やや通向)」カテゴリの記事
- アカウンティング&ミュージック 2022年邦楽再発・再編集等ベスト3。第3位:かの香織(Caoli Cano)「CAOLI CANO COLLECTION」(2023.01.04)
- アカウンティング&ミュージック 2022年邦楽再発・再編集等ベスト3。第2位:ポータブル・ロック(Portable Rock)「PAST&FUTURE ~My Favorite Portabel Rock」(2023.01.04)
- アカウンティング&ミュージック 2022年邦楽再発・再編集等ベスト3。第1位:久保田麻琴と夕焼け楽団(Makoto Kubota&The Sunst Gang)「ライブ・ベスト&モア(LIVE BEST&MORE)」(2023.01.04)
- アカウンティング&ミュージック 2022年洋楽再発・再編集等ベスト3。第3位:スクリッティ・ポリッティ (Scritti Politti)「Cupid & Psyche 85( キューピッド&サイケ85)」(2023.01.03)
- アカウンティング&ミュージック 2022年洋楽再発・再編集等ベスト3。第2位:オインゴ・ボインゴ(Oingo Boingo)「Good for Your Soul (2021 Remastered & Expanded Edition)(グッド・フォー・ユア・ソウル)」(2023.01.03)
コメント