お帰りなさい、残響(リバーブ:Reverberation)の時代(1980年代)の最高のアメリカン・ギター・ポップ・バンドNo.3。ザ・ディービーズ(The dB's)「ライク・ディス(Like This)」
当ブログでも先日ご紹介のとおり、ザ・ディービーズ(The dB's)が、「ザ・サウンド・オブ・ミュージック(The Sound Of Music)」以来25年ぶりのスタジオ・アルバム、「Falling Off The Sky」を2012年6月12日にリリース。
「お帰りなさい、残響(リバーブ:Reverberation)の時代(1980年代)の最高のアメリカン・ギター・ポップ・バンド」と題した特集の第3回は、3rdアルバム、ザ・ディービーズ(The dB's)「ライク・ディス(Like This)」(1984年)。
残念ながら、前年にクリス・ステイミー(Chris Stamey)が脱退してしまったため、全曲をピーター・ホルサップル(Peter Holsapple)が作詞・作曲。
それが逆に功を奏してか、全体的なまとまりは一番ともいえる出来、これまた傑作です。
ザ・ディービーズ(The dB's)「ライク・ディス(Like This)」(1984年)も、前作同様、発売当時は日本盤は発売なし。
「MUSIC MAGAZINE(ミュージック・マガジン)」での紹介記事もなく、本作の発売を知ったのは、青山学院の脇にあった伝説のレコード店「パイド・パイパー・ハウス(Pied Piper House)」が担当していた「シティ・ロード(City Road)」誌の輸入盤紹介欄。
確か、「スカスカで気持ちいい」というコメントだった記憶が。
前2作の印象から、私にとってはクリス・ステイミー(Chris Stamey)こそ、ザ・ディービーズ(The dB's)であり、LP盤におそるおそる針を乗せてみると全体的なまとまりは一番ともいえる出来で安心するとともにびっくり。
全曲をピーター・ホルサップル(Peter Holsapple)が作詞・作曲するとともに、プロデューサーの元ウェイトレス(Waitresses)のクリス・バトラー(Chris Butler)がベイシック・トラック作成時に曲の再構成に手を貸したらしいことが好影響を与えたのかもしれません。
・You Tube上の、1曲目「ラヴ・イズ・フォー・ラヴァーズ(Love is For Lovers)」の音源。
http://www.youtube.com/watch?v=IJlb9pC2v-I
このアルバムのエンジニアは、後にクラウデッド・ハウス(Crowded House)の傑作1st「クラウデッド・ハウス(Crowded House)」(1986年)のミキシングを手掛けるMichael Frondelliという人ですが、ギターの音色が実に美しい。
・You Tube上の、6曲目「Amplifier」の貴重なミュージック・ビデオ。
http://www.youtube.com/watch?v=IKEqGcES4Xw
この曲は、2ndアルバム、ザ・ディービーズ(The dB's)「Repercussion」(1982年)収録曲の再演で、ピーター・ホルサップル(Peter Holsapple)好みのカントリー色をより強調。
なお、本アルバムは意外にもアメリカの伝説的レーベル、ベアズヴィル(Beasville)
からの発売。
アルバム・タイトルは、ベアズヴィル(Beasville)のA&Rマンだったトッド・ラングレン(Todd Rundgren)がもっとこんな風(Like This)にした方がいいとミックスをやり直しさせたところが来ているとのこと。
本作は、発売当初は日本盤の発売はなかったのですが、1995年に「ベアズ・ヴィル・ロック・マスター・ピース」の一環で、再発CDとして日本盤が発売され、現在のところザ・ディービーズ(The dB's)のCDとしては唯一の日本盤。
この再発日本盤CDは、jemの添野知生の実に詳細な解説、同じくjemの渡辺睦(Mutsuo Watanabe)の作成協力によるファミリー・ツリーが素晴らしく、機会があればぜひ入手していただきたいところ。
さらに、2009年に再発された1996年の長門芳郎監修による日本主導の労作ボックス・セット、オムニバス「ベアズヴィル・ボックス・セット(BEARSVILLE BOX)」には、Disc4に、SHM-CD仕様の「ラヴ・イズ・フォー・ラヴァーズ(Love Is for Lovers)」、「ア・スパイ・イン・ザ・ハウス・オブ・ラヴ(Spy in the House of Love)」が含まれていますので、ファンの方はこちらも要チェツク。
このボックス・セットで知りましたが、ベアズヴィル・レコード(BEARSVILLE RECORDS)最後の作品が、実はザ・ディービーズ(The dB's)「ライク・ディス(Like This)」だったようです。
パワー・ポップの代表作とも称される「ライク・ディス(Like This)」、できればjemの添野知生、渡辺睦(Mutsuo Watanabe)の手による最新詳細解説付きで紙ジャケ再発、ぜひとも期待いたします。
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