小西康陽(Yasuharu Konishi)直近インタビュー等詳細解説付紙ジャケSHM-CD仕様で再び蘇る伝説の名盤の「保存版」。ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ(Roger Nichols And The Small Circle Of Friends)「ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ デラックス・エディション(Roger Nichols And The Small Circle Of Friends Deluxe Edition)」
ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ(Roger Nichols And The Small Circle Of Friends)「ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ デラックス・エディション(Roger Nichols And The Small Circle Of Friends Deluxe Edition)」(Original:1967年、JP Reissue:2012年4月)。
1987年に世界に先駆けて日本で初CD化されると、1990年頃にはフリッパーズ・ギター(The Flipper's Guitar)などのいわゆる渋谷系アーティストにより紹介され、広く音楽ファンに知られる存在となったかつての幻の名盤。
「細野(晴臣)さんが初めて僕の家に来た時に、これをちゃんと一番前に立てかけておいて、細野さんに『おっ、ロジャー・ニコルス!』と言わせたという(笑)。」(小西康陽談。POP・IND'S vol.7 1991年)という逸話(1985年ぐらいの話でしょうか)がある程。
今回のデラックス・エディション( Deluxe Edition)は、A&Mレコード創立50周年及びニック・デカロ(Nick Decaro)没後20周年を記念して実現した再発とのことで、小西康陽(Yasuharu Konishi)直近インタビュー、小西康陽の1987年版、1997年版CDの解説、土橋一夫、水上徹、坂口修の詳細な解説付、紙ジャケSHM-CD仕様。
特に、小西康陽の1987年版CDの解説は、山下達郎(Yamashita Tatsuro)のザ・ビーチ・ボーイズ (The Beach Boys) 「ペット・サウンズ(Pet Sounds)」(1966年)のCDの解説と並ぶ、日本人ミュージシャンによる洋楽CD解説の金字塔。
非売品だったモノ・ミックスやメキシコ盤ジャケットの「おまけ」はともかく、既にお持ちの方も買い直しすべき「保存版」です。
「ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ デラックス・エディション(Roger Nichols And The Small Circle Of Friends Deluxe Edition)」の水上徹「ロジャー・ニコルズをめぐるスモール・サークル・イン・ジャパン」によれば、日本でもっとも早い時期(おそらく1968年)に本盤のオリジナルLPを入手し聴いていたのは細野晴臣(Haruomi Hosono)とのこと。
大滝詠一(Eiichi Otaki)でさえ、本盤のオリジナルLPを入手したのは、はっぴえんどのレコーディングでロサンゼルスに滞在していた1972年10月のことらしい。
しかし、ここでぜひ補足させていただきたいのが、加藤和彦(Kato kazuhiko)の存在。
ザ・フォーク・クルセダーズ(The Folk Crusaders)「紀元貮阡年」(1968年)収録、6曲目「オーブル街」は、本盤4曲目「アイ・キャン・シー・オンリー・ユー( I Can See Only You)」によく似ており、細野晴臣と同じく加藤和彦もリアル・タイムで本盤のオリジナルLPを聴いていたのは間違いありません。
「オーブル街」は、日本のポップスで初めてメジャー・セブンスを使った曲として知られています。
そして、「オーブル街」発表の翌年の加藤和彦作曲のヒット曲、ベッツィ&クリス(Betsy & Chris)「白い色は恋人の色」(1969年)で、Char(チャー)はメジャー・セブンス・コードを知ったと語っています(「Char meets ???? TALKING GUITARS CharXギタリスト対談集 vol.2」(2009年)ムッシュかまやつとの対談参照)。
日本のポップスにメジャー・セブンスをもたらすきっかけが、実は 「ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ(Roger Nichols And The Small Circle Of Friends)」かもしれないという、さらなる伝説が頭の中を巡って行きます。
デラックス・エディション( Deluxe Edition)の監修者、土橋一夫は、シングル・オンリーの曲がボーナス・トラックとして今回収録できなかったことを残念がっておりますが、「ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ(Roger Nichols And The Small Circle Of Friends)」というアルバムで考えたら、おそらく今回は保存版、お見逃しなく。
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