池上さんにとっても税金は難しい?池上彰(著)「知らないと損する 池上彰のお金の学校」
池上さんのいう、専門用語やわかりにくい表現を別のわかりやすい日本語に置き換えて説明する「和文和訳」は、「知らないと損する 池上彰のお金の学校」(2011年10月)でも健在。
例えば、受け取る「金利」は「我慢料」、債券は「借金の念書」など、税金は「コミュニティを維持するための必要経費」など、池上節は冴えわたります。
ところが、「五限目 税金」については、いくつかの勇み足が。
例えば、2011年税制改正で2012年より上限が設けられた給与所得控除について、改正前はサラリーマンならば10億円の所得があっても3億円の給与所得控除を受けていたとしていますが、正しくは、10億円×5%+170万円=5,170万円が給与所得控除額。
また、消費税について、事業者が消費者から預かった消費税を会計上は別会計で管理しなくてはいけないとしていますが、確かに納税のために預金しておくというような実務はあることにはありますが、そのような法定の義務はなく納期限が到来するまではどのように利用していようと自由です。
実際に計算してみたり申告書を作成してみて初めてわかる部分も多く複雑なのが、「税金」。
言いたいことの本質が誤っているわけではない池上さんの揚げ足をとるつもりはありませんが、池上さんにとっても難しい「税金」、我々税務専門家の出番です。
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