高橋幸宏(Yukihiro Takahashi)と一緒だとさらに光る、唯一無二、鈴木慶一(Keiichi Suzuki)のソング・ライター(作詞家)としてのセンス。ザ・ビートニクス(THE BEATNIKS)「LAST TRAIN TO EXITOWN」
最近、再発を含めやけにリリースが多くてがんばっているなと思ったら、ムーンライダーズ(Moonriders) の12月で無期限の活動停止宣言でちょっとびっくりの鈴木慶一(Keiichi Suzuki)。
一方、10月にNHKで放送された「ハイビジョン特集“早過ぎたひと 世紀の伊達(だて)男 加藤和彦”」(BSプレミアム 12月18日(日)午後1:30~2:59で再放送予定ですので見忘れた方はお忘れなく)でも、元気に加藤和彦について語り、音楽的にも近年目を見張る充実ぶりの高橋幸宏(Yukihiro Takahashi)。
そんな二人のユニット、ザ・ビートニクス(THE BEATNIKS)が、結成30年、10年ぶり4枚めのオリジナルアルバム、「LAST TRAIN TO EXITOWN」(2011年10月)。
大傑作の2枚目、「EXITENTIALIST A GO GO」(1987年)と同様に、高橋幸宏(Yukihiro Takahashi)と一緒だとさらに光る、唯一無二、鈴木慶一(Keiichi Suzuki)のソング・ライター(作詞家)としてのセンスが楽しめる作品です。
鈴木慶一(Keiichi Suzuki)、高橋幸宏(Yukihiro Takahashi)、両者のファンである私は、ザ・ビートニクス(THE BEATNIKS)についても1981年の結成時から注目しており、1981年のコンサートにだって行った古参ファン。
ただし、「EXITENTIALISM(出口主義)」(1981年)を含めアルバムの出来はお二人の実力からすると今ひとつのことが多いのですが、2枚目、「EXITENTIALIST A GO GO」(1987年)は大傑作。
特に、「COMMON MAN」の、ムーン・ライダーズ「ANIMAL INDEX」(1985年)収録「歩いて、車で、スプートニクで」の延長線とも言える、繊細でありながら、過去・現在・未来が交錯するスケールの大きなイメージの歌詞は、鈴木慶一ならではの世界。
そこに、高橋幸宏(Yukihiro Takahashi)の抜群のリズム・センスに支えられた繊細なサウンドが絡むと、何とも言えない味わい深さ。
また、「EXITENTIALIST A GO GO」(1987年)の制作時にできた曲だがなぜか未収録だったのを、高橋幸宏が自身のソロ「EGO」(1988年)に収録した「LEFT BANK」は、この世の中で一番好きな曲といってもいいぐらい、私が好きな曲。
ちなみに、後の大プロデューサー、小林武史(Takeshi Kobayashi)が台頭してきたのも、このアルバムやツアーにキーボードで参加しだしてからと確か記憶しています。
・You Tube上の6曲目「ちょっとツラインダ」のテレビ・ライブ映像。
http://www.youtube.com/watch?v=NbRyV6vmixw
「LAST TRAIN TO EXITOWN」(2011年10月)ですが、なんといっても1曲目「A Song for 4 Beats」の歌詞が素晴らしい。
「COMMON MAN」のようなスケールの大きさはないのですが、この含蓄のある歌詞の世界は尋常ではありません。
「ウィル 二人の声 聞き取れたかい 黒ツグミのさえずり」、「ハリー そのリズムが支えてくれる 5拍目が弾んでいる」等、ちょっと気取った研ぎ澄まされた言葉が気持ち良いこと。
・You Tube上の1曲目「A Song for 4 Beats」の2人による各曲解説コメント映像。
http://www.youtube.com/watch?v=-ThYJnt63Io&feature=related
その他の曲も日本語詞が多いのはうれしい限り。
直枝政広(Masahiro Naoe)やスガシカオ(Shikao Suga)にも真似できない、唯一無二の鈴木慶一(Keiichi Suzuki)のソング・ライター(作詞家)としてのセンス、老いてますます切れ味を増すことを期待させていただきます。
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