税金を取る側ととられる側の国境を越えた攻防。政府2012年度(平成24年度)税制改正大綱「国外財産調書制度の創設」
■政府2012年度(平成24年度)税制改正大綱における「国外財産調書制度の創設」
① 国外財産調書の提出
イ その年の12 月31 日において価額の合計額が5千万円を超える国外に所在する財産(以下「国外財産」といいます。)を有する居住者は、当該財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した調書(以下「国外財産調書」といいます。)を、翌年3月15 日までに、税務署長に提出しなければならないこととします。
(注)財産の評価については、原則として「時価」とします。ただし、「見積価額」とすることもできることとします。
ロ 国外財産調書に記載した国外財産については、所得税法の規定にかかわらず、財産債務明細書への内容の記載は要しないこととします。
注)この場合、運用上、財産債務明細書の備考に「国外財産調書に記載のとおり」と記載することとします。
② 過少申告加算税等の特例
イ 国外財産調書の提出がある場合の過少申告加算税等の特例
国外財産に係る所得税又は相続税について申告漏れ又は無申告(以下「申告漏れ等」といいます。)がある場合において、提出された国外財産調書(更正・決定を予知して期限後に提出されたものを除きます。)に、次のとおり当該申告漏れ等に係る国外財産の記載があるときは、当該記載がある部分につき課する過少申告加算税(10%、15%)又は無申告加算税(15%、20%)については、通常課されるこれらの加算税額から当該申告漏れ等に係る所得税又は相続税の5%に相当する金額を控除した金額とします。
(イ) 次に掲げる所得に係る所得税について申告漏れ等がある場合において、その年分の国外財産調書(譲渡、解約等がある場合はその前年分の国外財産調書。次のロにおいて同じです。)に、当該申告漏れ等となった所得に係る国外財産の記載があるとき
(a) 国外財産から生じる利子・配当
(b) 国外財産の貸付け・譲渡による所得
(c) その他国外財産に起因して生じた所得(具体的事例を通達に例示)
(ロ) 国外財産に係る相続税について申告漏れ等がある場合において、被相続人により提出された相続の前年分の国外財産調書又は相続人により提出された相続の年分の国外財産調書のいずれかに、当該申告漏れ等に係る国外財産の記載があるとき
ロ 国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の特例
上記イ(イ)の所得に係る所得税について申告漏れ等がある場合において、その年分の国外財産調書の提出がないとき(更正・決定を予知して期限後に提出されたときを含みます。)又は提出された国外財産調書に当該申告漏れ等に係る国外財産の記載がない(記載不備を含みます。)ときは、当該提出又は記載がない部分につき課する過少申告加算税(10%、15%)又は無申告加算税(15%、20%)については、通常課されるこれらの加算税額に当該申告漏れ等に係る所得税の5%に相当する金額を加算した金額とします。
③ その他
イ 国外財産調書の提出に関する調査に係る質問検査権の規定を整備します。
ロ 国外財産調書の不提出・虚偽記載に対する罰則を設けます。法定刑は、1年以下の懲役又は50 万円以下の罰金とし、併せて、情状免除規定を設けることとします。
ハ その他所要の措置を講じます。
(注)上記の改正は、平成26 年1月1日以後に提出すべき国外財産調書について適用します(上記③ロの罰則については、平成27 年1月1日以後に提出すべき国外財産調書について適用します。)。
■上記から感じること
類似の制度として、従来、所得が2,000万円超の人に「財産債務の明細書」の提出義務がありましたが、提出がない場合の罰則規定はありませんでした。
「国外財産調書」は、1年以下の懲役又は50 万円以下の罰金の罰則規定とともに、質問調査権も設けられる見込みです。
税金を取る側も本気です。
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