明快、痛快、サイゼリヤ創業者の科学的経営術。正垣泰彦(著)「おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ」
当ブログでもご紹介させていただくなど、以前より気になっていたサイゼリヤの科学的経営術。
そんな中、サイゼリヤ創業者、正垣泰彦の著書「おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ」(2011年7月)が遂に登場。
理路整然と語られる正垣泰彦流経営術、明快、痛快です。
あまりにも刺激的なタイトルの、正垣泰彦(著)「おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ」(2011年7月)。
個人的にはそれはいくらなんでもと思いますが、正垣泰彦によると、目の前の現実を謙虚に受け入れて、本当にお客様が満足されることは何かを見極めようという自分の思いを込めてつけられたものとのこと。
本書には、単なる理論ではない、著者の実践に基づく科学的経営術が満載。
例えば、ROI(Rrturn On Investment 投下資本利益率=利益÷投下資本×100%)。
著者の新規出店の判断基準は30%で最低20%は確保すべきで、その理由は世界の主要国の銀行預金金利で一番高い金利は歴史的に見ておよそ7%前後(経済危機時を除く)で、その3倍を稼げないくらいなら高金利国の銀行預金にしたほうがましとのこと。
そして、著者の経験上、ROIを20%以上にするためには、年間売上高は投下資本の2倍以上、営業利益率は10%以上を目指さなければならないとのこと。
さらに、経営計画を考えるときの数値目標。
「達成できたらいいな」という願望の額ではなく、「絶対に達成しなければならない」最低限クリアできるはずの額にすべきで、何事も目標を高く設定し、その実現に向けて知恵を絞るべきだと考える人もいるだろうが、その弊害は、目標が達成できなくて当たり前という状態を生み出しかねないと主張。
本当に真理か否かは別としても、創業経営者らしい実践に基づく言葉の数々は、我々中小企業の経営者にとって、すぐに経営に役立たせることができそうな「金言」ばかり。
詳しくは、ぜひ本書を手に取ってお確かめいただきたいと思います。
サイゼリヤの科学的経営術、今後も期待させていただきます。
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