税金を取る側ととられる側の役員給与をめぐる攻防。政府2012年度(平成24年度)税制改正大綱「給与所得控除の上限設定」
平成23年度(2011年度)税制改正法案に織り込まれていた、年収1,500万円超での給与所得控除額の245万円の上限設定ですが、東日本大震災の影響により成立が遅れた上、最終的には民主党、自由民主党、公明党の三党が合意で先送りに。
政府2012年度(平成24年度)税制改正大綱では、収入金額2,000万円を超える役員について一般従業員よりも給与所得控除額を縮減するという部分は「引き続き検討」と先送りされたものの、年収1,500万円超での給与所得控除額の245万円の上限設定は織り込まれ、成立に向けて再発進。
丸善日本橋店で「エコノミスト増刊 脱税と節税 2011年 12/19号」(2011年12月)が平積みになっておりさっそく入手しましたが、増税モードで税金への世間一般の関心が高まる今日この頃。
税金を取る側ととられる側の役員給与をめぐる攻防、揉み合いが続きます。
■政府2012年度(平成24年度)税制改正大綱における「給与所得控除の見直し」
① 給与所得控除の上限設定
その年中の給与等の収入金額が1,500 万円を超える場合の給与所得控除額については、245 万円の上限を設けます。
② 特定支出控除の見直し
特定支出控除について次の見直しを行います。
イ 特定支出の範囲の拡大
特定支出の範囲に次に掲げる支出を追加します。
(イ) 職務の遂行に直接必要な弁護士、公認会計士、税理士、弁理士などの資格取得費
(ロ) 職務と関連のある図書の購入費、職場で着用する衣服の衣服費及び職務に通常必要な交際費(勤務必要経費)
(注)その年中に支出した勤務必要経費の金額の合計額が65 万円を超える場合には、65 万円を限度とします。
ロ 特定支出控除の適用判定・計算方法の見直し
その年の特定支出の額の合計額が、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額を超える場合(現行:給与所得控除額を超える場合)は、その超える部分の金額を給与所得控除額に加算することができることとします。
(イ) その年中の給与等の収入金額が1,500 万円以下の場合 その年中の給与所得控除額の2分の1に相当する金額
(ロ) その年中の給与等の収入金額が1,500 万円を超える場合 125 万円
③ その他
給与所得控除の見直しに伴い、給与所得の源泉徴収税額表(月額表、日額表)、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表及び年末調整のための給与所得控除後の給与等の金額の表などについて所要の措置を講じます。
(注)上記の改正は、平成25 年分以後の所得税及び平成26 年度分以後の個人住民税について適用します。
■上記から感じること
税金への世間一般の関心が高まる今日この頃、我々税理士の出番が拡大しそうです。
「脱税」という刺激的な言葉が満載の「エコノミスト増刊 脱税と節税 2011年 12/19号」(2011年12月)、よく読んで、お客様の「節税」への期待に応えて行きたいと思います。
| 固定リンク
« 尋常でない音の良さ。蔦谷好位置(Koichi Tsutaya)、八橋義幸(八ツ橋義幸 Yoshiyuki Yatsuhashi)だけではなく中原正幸(Masayuki Nakahara)の録音にも注目です。Superfly(スーパー・フライ)「愛をくらえ」 | トップページ | 私にとっては、セイラー(Sailor)、レ・ネグレス・ヴェルト(Les Negresses Vertes)の系譜の、抑揚の大きなメロディーと無国籍サウンド。デヴォーチカ(DeVotchKa )「100 Lovers」 »
「会社・個人の税金・会計」カテゴリの記事
- 紙幅は狭いながら濃い内容です。「〔特集〕2018よい節税悪い節税」週刊エコノミスト 2018年01月30日号(2018.02.11)
- 元旦日本経済新聞1面。「パンゲアの扉 つながる世界 溶けゆく境界 もう戻れない デジタルの翼、個を放つ 混迷の先描けるか」(2018.01.01)
- 遂にグローバルタックスプランニングにも言及。「大増税&マイナンバー時代の節税術」 (週刊ダイヤモンド 2017年 12/23 号)。(2017.12.24)
- 一番使いやすい。島田 哲宏(著)「Q&Aで解決 欠損金の繰越控除の判断とポイント」(2017.02.11)
- 特に、資産課税関係に注目です。自由民主党、「平成29年税制改正大綱」を公表。(2016.12.11)
コメント