修正後の平成23年度(2011年度)税制改正法案が公表も、3党合意により法人課税と納税環境整備以外の所得税、資産課税等は平成24年度(2012年度)税制改正以降へ先送りに。
先日、当ブログでも、政府税制調査会は10月11日の総会で、「東日本大震災からの復興のための事業及びB型肝炎対策の財源等に係る税制改正大綱」を決定し、復興特別所得税・法人税・たばこ税等の措置が講じられるのとともに、審議中であった平成23年度(2011年度)税制改正法案については、改正事項の適用開始時期等の修正が行われたとご報告。
ところが、11月4日、財務省が「「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」の修正」等が公表されたものの、11月10日、民主党、自由民主党、公明党の三党は、たばこ増税の見送り、復興特別所得税を2.1%で25年間とすること等について合意するとともに、平成23年度(2011年度)税制改正法案については、なんと法人課税と納税環境整備以外の項目、すなわち給与所得控除の縮減等を盛り込んだ所得課税の改正、相続税の基礎控除の縮減等を含む資産課税の改正などは平成24年税制改正以降へ先送りに。
いまだかつてないぐらいに混乱が続く平成23年度(2011年度)税制改正、専門家の我々でも、何が変わって何が変わらないのか、それはいつからなのか慎重に整理する必要がありそうです。
■改正される見込みのもの
・法人税率の引下げ、中小企業者の軽減税率の引下げ、欠損金の繰越控除限度額の縮減、課税ベースの拡大のための見直し
23年4月1日以後開始する事業年度から
24年4月1日以後開始する事業年度に変更。
・集積産業用資産の特別償却制度、特定農産加工品生産設備の特別償却
23年4月1日から25年3月31日までに取得等する資産から
24年4月1日から26年3月31日までに取得等する資産に変更。
・エネルギー需給構造改革推進投資促進税制等の廃止
23年4月1日に廃止から
24年4月1日に廃止に変更。
・更正の請求期間の延長等の施行時期
23年4月1日から
改正法の施行の日に変更。
・白色申告者に対する理由附記と記帳義務化の施行時期
25年1月1日から
26年1月1日に変更
■先送りにされる見込みのもの
・給与所得控除の上限設定、成年扶養控除の見直し
・相続税の基礎控除の引下げと税率構造の見直し
・贈与税の税率緩和と相続時精算課税の対象拡大
■上記から感じること
いまだかつてないぐらいに混乱が続く平成23年度(2011年度)税制改正、専門家の我々でも、何が変わって何が変わらないのか、それはいつからなのか慎重に整理する必要がありそうです。
そういえば、欠損金の繰越控除限度額の縮減にともない予定されていた、欠損金の繰越控除の繰越期間の7年から9年への延長の対象については、平成20年4月1日以後に終了した事業年度において生じた欠損金のままで当初改正案と比べ変更はなかったようです。
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