2011年10月1日から所得の繰り延べ効果を持つ経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)の改正がいよいよ運用開始。掛金月額の上限が8万円から20万円に、掛金総額が320万円から800万円に大幅増額。
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、取引先事業者の倒産の影響を受けて、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防止するための共済制度。
中小企業倒産防止共済法に基づき、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営。
平成22年4月には「中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律」が成立していたものの、コンピューター・システムの整備等から遅れていた新制度が、2011年10月1日よりようやく運用開始。
掛金月額の上限が8万円から20万円に、掛金総額が320万円から800万円に大幅増額されました。
■所得の繰り延べ効果(課税の繰り延べ効果)
経営セーフティ共済の掛金は1年以内の前納を含め算入されるとともに、40ヶ月納付すると原則として解約しても100%戻ってくるため(解約金返戻金は課税)、所得の繰り延べ効果(課税の繰り延べ効果)があります。
所得の繰り延べ効果が活用される生命保険でも、節税効果を加味しない純粋な解約返戻率100%の商品というのは皆無ではないでしょうか。
■上記から感じること
東日本大震災の復興財源確保のため、法人税が3年間税額で10%増税となる案が検討される中、経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)の所得の繰り延べ効果(課税の繰り延べ効果)は機会があれば大いに活用したいところです。
ただし、あくまでも所得の繰り延べ効果(課税の繰り延べ効果)ですので、掛金の納付時の税率より解約時の所得に対する税率が下がっていないと原則として「節税」にはならないのでご注意を。
また、利息が必要な一時貸付金の制度で補えますが、原則として課税を繰り延べる税額よりも掛金の方が多いので資金繰りが悪化する可能性もある点も要注意。
将来的には税率引き下げの方向にある法人の場合は検討の価値が大いにあると思いますが、税金を払いたくないあまりに「錯誤」に陥ることにないよう慎重に。
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