東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)に関する特例措置情報No.17:地方税法改正による東日本大震災に関する特別措置の創設
このたびの東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお折りいたします。
当ブログでも微力ではありますが、東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)に関する特例措置情報をアップさせていただきますので、よろしければご参考ください。
今回は、地方税法改正による東日本大震災に関する特別措置の創設についてです。
■「地方税法の一部を改正する法律案」の国会提出
4月19日に、先日ご紹介した政府税制調査会「東日本大震災への税制上の対応(第一弾)(案) 」等に関して、
・「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案」
がいよいよ国会に提出された旨は既にご紹介いたしましたが
同日、
・「地方税法の一部を改正する法律案」
http://www.soumu.go.jp/main_content/000111499.pdf
についても国会に提出されました。
両法案とも、今月中に成立し、公布日から施行される見込です。
■「地方税法の一部を改正する法律案」の内容
先日ご紹介した政府税制調査会「東日本大震災への税制上の対応(第一弾)(案) 」等で示された特例措置が、地方税方の改正という形で設けられることになりました。
すなわち、
個人住民税についての、
① 住宅や家財等に係る損失の雑損控除について、平成23年度住民税での適用を可能とする。
② 繰越し可能期間を5年とする(現行3年)
といった雑損控除の特例
① 22年分所得の計算上、被災事業用資産の損失の必要経費への算入を可能とする。
(※所得税の措置の自動影響・個人事業税も同様に自動影響)
② 被災事業用資産の損失による純損失について、繰越し可能期間を5年とする(現
行3年)。保有資産に占める被災事業用資産の割合が1割以上である場合には、
被災事業用資産以外の損失を含めて、現行3年の繰越しが可能な純損失について、
繰越期間を5年とする。
(※個人事業税も同様に措置)
といった被災事業用資産の損失の特例
住宅ローン控除の適用住宅が、大震災により滅失等しても、平成25年度分住民税
以降の残存期間の継続適用を可能とする。
といった住宅ローン減税の適用の特例
法人事業税・法人住民税についての
阪神・淡路大震災時には実施しなかった災害減免
法人税における措置がなされれば自動影響する
・被災代替資産等の特別償却
・特定の資産の買換えの場合の課税の特例
・買換え特例に係る買換資産の取得期間等の延長
固定資産税・都市計画税についての
津波により甚大な被害を受けた区域内の土地及び家屋に対する平成23年度分の
課税免除
大震災による災害により滅失・損壊した住宅(被災住宅)の敷地の用に供されて
いた土地(被災住宅用地)を被災後10年度分については、当該土地を住宅用地とみ
なし軽減する被災住宅用地の特例
その他の地方税法に関する特例措置です。
■上記から感じること
期待通り特例措置が整備されています。
被災された方々は、利用可能な特例を、漏れなく利用するようご注意いただきたいと思います。
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