東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)に関する特例措置情報No.12:総務省「平成23年東北地方太平洋沖地震による被災者に対する地方税の減免措置等の取扱いについて」の公表
このたびの東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお折りいたします。
当ブログでも微力ではありますが、東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)に関する特例措置情報をアップさせていただきますので、よろしければご参考ください。
今回は、総務省「平成23年東北地方太平洋沖地震による被災者に対する地方税の減免措置等の取扱いについて」の公表についてです。
■「平成23年東北地方太平洋沖地震による被災者に対する地方税の減免措置等の取扱いについて」
3月28日付で、総務省自治税務局は、各都道府県知事に対し、「平成23年東北地方太平洋沖地震による被災者に対する地方税の減免措置等の取扱いについて」を通知しました。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000108808.pdf
一部抜粋すると以下の通りです。
■地方税における期限の延長について
「地方税における申告、納付等の期限については、地方税法(昭和25 年法律第226 号)第20 条の5の2の規定に基づき条例の定めるところにより延長することができることとされていますが、延長する場合にあっては、当面は、少なくとも5月末まで延長することが適当であると考えられます。
その際、被害状況等に応じて、地方団体の長の判断により、都道府県・市町村の一部の地域のみを対象とすることや、地域ごとに異なる期限を定めることも可能です。
国税に関する申告期限等の延長については、平成23 年3月15 日付国税庁告示第8号により示されているところであり、その期限となる期日については別途国税庁告示により定めることとされています。
納税者の混乱を避けるため、少なくとも、個人住民税及び個人事業税については所得税における期限、法人事業税については法人税における期限までは延長することが必要と考えます。
今後、国税について期限となる期日が告示された場合は、別途、通知します。」
とのことです。
■地方税における減免の手続について
「個人住民税等、賦課課税の税目に係る減免については、納税義務者に納税通知書の交付を行った後、納税義務者の申請に基づき、個別に減免を決定することが一般的ですが、例えば、次のような柔軟な手続により減免を行うなど、被災地域の納税義務者の状況等に十分配慮した対応も考えられます。
ⅰ 納税義務者に対し、納期限の10 日前までに納税通知書の交付を行うこととされていますが、地方税法の規定に基づき納期限の延長を行うことにより、地方団体の実情に応じ、納税通知書の交付を延期すること。
ⅱ ⅰにより納税通知書の交付を延期している間に、被災した納税義務者から減免の申請を幅広く受け付けるほか、災害により納税義務者が死亡した場合など各地方団体の条例等に基づき減免事由に該当していると考えられる場合には納税義務者の家族等に減免の意思を確認することをもって減免の申請があったものとみなすこと。
ⅲ その後、納税通知書を交付することとなった際には、減免前の税額とⅱによる減免の申請に基づく減免後の税額を同時に通知すること。」
とのことです。
■法人住民税
「法人の道府県民税の減免については、「災害被害者に対する地方税の減免措置等について」(平成12 年4月1日自治税企第12 号)においては、取扱い例として「減免をしないこととし、徴収の猶予の措置によるものとする。」とされていますが、地方税法第61 条の規定に基づき条例の定めるところにより減免できるものであり、法人の状況等に応じて適切に対応してください。」
とのことです。
なお、法人の市町村民税の減免についても同様の対応となるようです。
■法人事業税
「(ア)地方税法第20 条の5の2の規定に基づき、法人の事業税における期限の延長期日を定めるにあたっては、納税者の混乱を避けるため、少なくとも、法人税における期限までは延長することが必要と考えます。当該期限後の取扱いについては、被害状況等に応じて、地方団体の長の判断により、法人税における取扱いと異なる対応を行うことも可能です。また、都道府県の一部の地域のみを対象とすることや、地域ごとに異なる期限を定めることも可能です。
(イ)上記(ア)の期限の延長とは別に、地方税法第72 条の25 第2項又は第4項(同法第72 条の28 において準用する場合を含む)の規定により法人が期限の延長について申請を行い、事務所又は事業所所在地の都道府県知事(二以上の都道府県において事務所又は事業所を設けて事業を行う法人にあっては、主たる事務所又は事業所所在地の都道府県知事)の承認を受けた場合は、その指定した日を期限とすることができます。
(ウ)なお、上記(イ)の承認の申請については、国税において、申告等と併せて期限延長申請書を提出できる取扱いに準じ、今般の震災による影響により申請書を提出できない場合は、申告と併せて申請書を提出できるものとすることが適切です。
(エ)法人の事業税の減免については、「災害被害者に対する地方税の減免措置等について」(平成12 年4月1日自治税企第12 号)においては、取扱い例として「減免をしないこととし、徴収の猶予の措置によるものとする。」とされていますが、地方税法第72 条の49 の4の規定に基づき条例の定めるところにより減免できるものであり、法人の状況等に応じて適切に対応してください。」
とのことです。
■個人事業税
「(ア)地方税法第20 条の5の2の規定に基づき、個人の事業税における期限の延長期日を定めるにあたっては、納税者の混乱を避けるため、少なくとも、所得税における期限までは延長することが必要と考えます。当該期限後の取扱いについては、被害状況等に応じて、地方団体の長の判断により、所得税における取扱いと異なる対応を行うことも可能です。また、都道府県の一部の地域のみを対象とすることや、地域ごとに異なる期限を定めることも可能です。
(イ)個人の事業税の減免については、地方税法第72 条の62 の規定に基づき条例の定めるところにより行うことができるものです。この場合、納税義務者に納税通知書の交付を行った後、納税義務者の申請に基づき、個別に減免を決定することが一般的ですが、例えば、「第1共通事項 Ⅱ」の柔軟な手続により減免を行うなど、被災地域の納税義務
者の状況等に十分配慮した対応も考えられます。その際、個人の事業税の税額の通知は、納税義務者に対し、納期限の10 日前までに納税通知書の交付を行うこととされていますが、納期限の延長を行うことにより、納税通知書の交付を延期することが可能です。」
とのことです。
■軽油引取税
「(ア)軽油引取税の特別徴収義務者が軽油の代金及び軽油引取税の全部又は一部を受け取ることができなくなったことについて正当な理由があると認められる場合又は徴収した軽油引取税額を失ったことについて天災その他避けることのできない理由があるものと認められる場合においては、地方税法第144 条の30 の規定に基づき、軽油引取税の徴収不能額等の還付又は納入義務の免除を行うことができます。
(イ)天災その他特別の事情がある場合において軽油引取税の減免を必要とすると認められる納税者に限り、地方税法第144 条の42 の規定に基づき、条例で定めるところにより、軽油引取税を減免することができます。」
とのことです。
■自動車税
(ア)自動車税の課税客体である自動車に関しては、現実に消費の段階にある自動車について課することとされていることから、道路運送車両法(昭和26 年法律第185 号)第4条の規定による登録がなされていても、賦課期日の4月1日現在で当該自動車が滅失、き損等により永久に道路の運行の用に供することができない状態となっている場合には、課税客体から除外され、課税されないこととなります。なお、平成23 年東北地方太平洋沖地震により滅失し、又は損壊した自動車の処理等にかかる法的問題の取扱い等については、関係省庁で検討が行われており、順次、情報提供してまいります。
(イ)課税客体となる自動車の賦課期日現在の状況を確実に把握し、適切に自動車税を課税することが求められることから、地方税法第20 条の5の2の規定に基づき納期限の延長を行うなど、適切に対応するようお願いします。なお、平成23 年東北地方太平洋沖地震の場合については、その被害状況等を踏まえ、都道府県の一部の地域のみを対象とすることや、地域ごとに異なる期限を定めることも可能です。
(ウ)課税客体である自動車については、地方税法第162 条の規定に基づき条例で定めるところにより必要に応じ減免するなど、適切に対応してください。」
とのことです。
なお、市町村民税である軽自動車税についても同様の対応となるようです。
■個人住民税
「(1) 個人住民税の申告期限及び納期限(以下「期限」という。)の延長等に関する留意事項について
① 総括的事項
地方税法第20 条の5の2の規定に基づき、個人住民税における期限の延長期日を定めるにあたっては、納税者の混乱を避けるため、少なくとも、所得税における期限までは延長することが必要と考えます。当該期限後の取扱いについては、被害状況等に応じて、地方団体の長の判断により、所得税における取扱いと異なる対応を行うことも可能です。また、市町村の一部の地域のみを対象とすることや、地域ごとに異なる期限を定めることも可能です。」
「(2) 地方税法第323 条に基づく個人住民税の減免について
(ア)個人住民税の減免については、地方税法第323 条の規定に基づき条例の定めるところにより行うことができるものです。この場合、納税義務者に納税通知書の交付又は特別徴収税額の通知を行った後、納税義務者の申請に基づき、個別に減免を決定することが一般的ですが、例えば、「第1 共通事項 Ⅱ」の柔軟な手続により減免を行うなど、被災地域の納税義務者の状況等に十分配慮した対応も考えられます。」
とのことです。
■固定資産税及び都市計画税
「(ア)地方税法第20 条の5の2の規定に基づき、固定資産税及び都市計画税(以下「固定資産税等」という。)における期限の延長期日を定めるにあたっては、被害状況等に応じて判断することが適切と考えられます。その際、市町村の一部の地域のみを対象とすることや、地域ごとに異なる延長期日を定めることも可能です。
(イ)地方税法第367 条及び第702 条の8に基づく固定資産税等の減免については、納税義務者に納税通知書の交付を行った後、納税義務者の申請に基づき、個別に減免を決定することが一般的ですが、例えば、「第1 共通事項 Ⅱ」の柔軟な手続により減免を行うなど、被災地域の納税義務者の状況等に十分配慮した対応も考えられます。その際、納税義務者に対し、納期限の10 日前までに納税通知書の交付を行うこととされていますが、納期限の延長を行うことにより、納税通知書の交付を延期することが可能です。」
「(エ)納期限の延長をした場合、土地・家屋価格等縦覧帳簿の縦覧期間の終期は、縦覧を開始した日から20 日を経過した日又は延長後の最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の日であることに留意してください。
(オ)平成23 年東北地方太平洋沖地震による被害が特に甚大な地域における、平成23 年度分の固定資産税等の取扱いや平成24 年度の評価替えの取扱い等については、現在検討中であり、今後あらためて通知することを予定しています。」
とのことです。
■事業所税
「平成23 年東北地方太平洋沖地震により事業所用家屋が損壊したことに伴い、当該事業所用家屋において行っていた事業を休止したと認められる場合には休止期間に応じ減免するなど、地方税法第701 条の57 の規定に基づき条例で定めるところにより適切に対応してください。」
とのことです。
■国民健康保険税
「国民健康保険税の取扱いについては、「平成23 年東北地方太平洋沖地震により被災した国民健康保険被保険者に係る国民健康保険税の取扱いについて」(平成23 年3月15 日付け事務連絡)を踏まえ、適切に対応するようお願いします。」
とのことです。
■上記から感じること
上記の対応は、先日ご紹介した現行の法令・条例に基づく申告・納付等の期限の延長、減免についてのものと思われます。
民主党財務金融部門会議「当面考えられる東北関東大震災復旧・復興対策について」で検討されている、阪神・淡路大震災の際にも設けられた、さらなる大震災時の税制特例措置にも期待したいところです。
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