「アカウンティング&ミュージック 2010年 カバー・アートワーク・ベスト5(Accounting&Music 2010 Cover Artwork Best 5)」。やっぱり、ジャケットと音のシナジー効果が快感なのです。
前回に引き続き2010年の音楽界を振り返らせていただきますが、今回は、「アカウンティング&ミュージック 2010年 カバー・アートワーク・ベスト5(Accounting&Music 2010 Cover Artwork Best 5)」。
2010年もやっぱり音楽配信よりもCD。
やっぱり、ジャケットと音のシナジー効果が快感なのです。
第1位は、ピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)「スクラッチ・マイ・バック(Scratch My Back)」(2010年2月)。
A Real World DesignのMarc Bessantとピーターのコンセプトによる、どうも血小板赤血球の顕微鏡写真らしいジャケットがとにかく美しい。
名だたるアーティストの作品をジャケットに用いた作品を抑え、自然界の神秘ともいうべきシンプルな美しさの本ジャケットが栄えある第1位。
音の方も、捻りの利いた選曲に、リズムセクション無しのオーケストラだけという斬新なアプローチ、練りに練られた力作のカヴァー曲集。
第2位は、スフィアン・スティーヴンス(Sufjan Stevens)「ジ・エイジ・オブ・アッズ(Age of Adz)」(2010年10月)。
自称予言者にして精神分裂症に苦しんだらしいルイジアナ出身の黒人看板画家、ロイヤル ・ ロバートソン(Royal Robertson)の作品を用いたジャケットがすごい迫力。
付属のブック・レットにも、ロイヤル ・ ロバートソン(Royal Robertson)の作品がふんだんに使われていますが、岡本太郎作品のようなプリミティブで何とも言えない強烈なインパクト。
サウンドの方も、ジャケットに負けない美しいメロディーとアヴァンギャルドな電子音が織りなす唯一無二の音像。
第3位は、カニエ・ウェスト(Kanye West)「マイ・ビューティフル・ダーク・ツイステッド・ファンタジー(My Beautiful Dark Twisted Fantasy)」(US:2010年11月、JP:2010年12月)。
カニエ・ウェスト(Kanye West)も、いつもジャケットのアート・ワークが素晴らしいアーティスト。
今回も、アメリカのビジュアルアーティスト、ジョージ・コンドー(George Condo)のイラストを使用、赤を基調とした実にスタイリッシュな仕上がり。
グラスを手にした女性のイラストものは実はアメリカ盤で、日本盤はアメリカでNGとなったセクシーなカウチ・カップルのイラストのもの。
日本盤でもくりぬいた特殊ジャケットの窓の中をグラスを手にした女性のイラストにすることもできます。
音の方も最高の仕上がりで、キング・クリムゾン (King Crimson)の名曲 「21世紀の精神異常者(Twenty First Century Schizoid Man)」をサンプリングした「パワー(Power)」は、2010年の私の洋楽部門のベスト・トラック。
第4位は、青柳拓次(Takuji Aoyagi)「まわし飲み」(2010年8月)。
八重山の獅子舞らしき素晴らしいジャケット写真は、青柳拓次(Takuji Aoyagi)自身の撮影。
内ジャケットの鳥獣戯画や歌詞カードの唐草模様など、ダブル・フェイマス(Double Famous)の盟友、高木二郎(Jiro Takagi)のデザインがまた良い。
音の方も、1980年代初頭のまだメジャー・デビュー前の、杉林恭雄率いるくじら(Qujila)の音を思い出させてくれる、音の強弱のコントラストを重視したアコースティックな和風サウンド、懐かしくも新しいジャパニーズ・ルーツ・ミュージック指向の大傑作。
第5位は、スガシカオ(Suga Shikao)「FUNKASTiC」(2010年5月)。
前作「FUNKAHOLiC」(2008年9月)と同じく、ジャケットは、冨抜功一(ROOTS)による超ファンキーなデザイン。
前作は紙カバーを外すとCDジャケットがいつもと同様のスガシカオの写真のジャケットであったのに、本作は、アフロヘアーにギターやらアナログ・レコードやら酒やら女性の足やらが埋め込まれたスガシカオ(Suga Shikao)の世界を象徴する紙ジャケットのデザインそのまま。
後から気が付きましたが、アフロヘアーにいろいろなものが詰まっているというコンセプトは、エリカ・バドゥ(Erykah Badu)「ニュー・アメリカ パート・ワン(第4次世界大戦)(New Amerykah Part One: 4th World War)」(2008年2月)と似ていますね。
音の方もファンク度、大幅増量の快作。
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