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おみそれいたしました。ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)を超えたかとさえ思わせる大傑作の「静寂」の音楽。ルイ・フィリップ(Louis Philippe)「An Unknown Spring」

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 今までのルイ・フィリップ(Louis Philippe)に対する印象は、大変申し訳ございませんが、ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)かぶれのおしゃれフランス野郎という感じで、今一つ私は苦手。

 ところが、音楽評論家高橋健太郎が、「MUSIC MAGAZINE(ミュージック・マガジン)2009年1月号」で1年遅れ2008年のベスト・アルバムに選び、さらに同誌2010年6月号でゼロ年代のベスト・アルバムにまで選んでいたのが、ルイ・フィリップ(Louis Philippe)「An Unknown Spring」(2007年)。

 これは聴いてみないわけには行かないと、1,000部限定の本人サイトでの直販らしく、amazonではプレミアがずいぶんついていましたが、数ケ月前に思い切ってゲット(手間を惜しまなければ本人サイトから買えるようですが)。

 以来、愛聴させていただいておりますが、ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)を超えたかとさえ思わせる大傑作の「静寂」の音楽です。

 ルイ・フィリップ(Louis Philippe)「An Unknown Spring」(2007年)ですが、まず、ジャケットが素晴らしい。

 共同プロデューサーに名を連ね、マスタリングを行ったケン・ブレイク(Ken Blake)が撮った、何と広島県の宮島(厳島)の弥山(みせん)の写真らしい。

 ルイ・フィリップ(Louis Philippe)は、以前から日本びいきでよく来ていると聞いていましたが、神秘的で静寂の美を感じさせる「An Unknown Spring」の音楽に実にぴったり。

 ジャケットの色使いといい、「静寂」を感じさせることといい、前回ご紹介したワールドスタンダード(World Standard)「シレンシオ(静寂)(SILENCIO)」に相通ずるものがありますが、「An Unknown Spring」は全編くっきりとしたメロディーが流れつづけるところが私好み。

 1959年生まれらしい、ルイ・フィリップ(Louis Philippe)ことフィリップ・オークレー(Philippe Auclair)、こんな真摯にしぶとく音楽を追求するミュージシャン・シップを持っていたとは、本当におみそれいたしました。

 入手が面倒ではありますが、ぜひ多くの方にお聴きいただきたいアルバムです。

 それこそ、P-VINEさんあたりが日本盤を出してくれないかなぁ。

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