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大いに讃えさせていただきます、粋でお洒落な音楽へのあふれんばかりの「愛」、今野雄二。10CC「びっくり電話(How Dare You!)」

H220817_how_dare_you ショック冷めやらぬ、加藤和彦の死から1年をたたぬうちに、後を追うかのように、映画・音楽評論家、今野雄二が自死。

 リブ・ヤング、11PMでのTVコメンテイター、ミュージック・マガジンでの映画・音楽評論、最先端の洋楽レコード、そして邦楽レコードながらサディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mika Band)の解説や帯コピー。

 いつも、人の先を行く粋でお洒落な映画・音楽へ嗅覚と見事なまでの審美眼、そしてそれらを紹介する時のあふれんばかりの「愛」には、いつもワクワク・ドキドキさせられてきました。

 自らスノッブ(snob)を標榜したそのキャラクターから、反感を持つ音楽ファン・音楽関係者も多かったようで、訃報後のインターネット上の反応も良いものばかりではない今野雄二。

 そこで、当ブログでは、今野雄二の音楽への「愛」を大いに讃えさせていただきます。

 レクイエム(Requiem)は、10CC「びっくり電話(How Dare You!)」(1976年)より、「電話を切らないで(DON'T HANG UP)」。

 ロキシー・ミュージック (Roxy Music)、10CC、セイラー(Sailor)、トーキング・ヘッズ (Talking Heads) 、キッド・クレオール&ザ・ココナッツ(Kid Creole & the Coconuts)、プリンス(Prince)、ウォズ・ノット・ウォズ(WAS ( NOT WAS )、そして我が国のサディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mika Band)・・・。

 今野雄二が、あふれんばかりの「愛」をもって、保証人となって日本に紹介したアーティストは数知れず。

 人の一歩も二歩も先を行く粋でお洒落なセンスは、マガジンハウス「anan」編集部出身という経歴にもよるのか、正にスノッブ(snob)。

 加藤和彦の死にも感じたのですが、刹那的にはあまりにも甘美ながらも、歴史的に振り返るならばあまりにも儚く感じる、スノッブ(snob)的世界。

 さらに、スノッブ(snob)的世界に、反感を持つ音楽ファン・音楽関係者も多く、訃報後のインターネット上の反応も良いものばかりではないのも残念。

 そんな中、発見したのが、Twitter(ツィッター)をまとめた「Togetter」(トゥギャッター)の、

 「You did it properly, Tokyo Joe! - さようなら今野雄二」。

 岡村詩野、高橋健太郎、小野島大等の「ミュージック・マガジン」系音楽評論家や、サエキけんぞう、高木完、Dub Master X、dr tommy、水本アキラ、常盤響等のクラブDJ・ミュージシャンの愛情と敬意あふれるつぶやきの数々。

 高橋健太郎の、「未知の音楽がやってきた時、いつも素早く反応したのが今野さんだった。グラムもパンクもヒップホップもハウスも。マルコム・マクラレンにも似たセンスを持っていたように思う。」には同感。

 ただし、「今野雄二さんのフォロワー的な人は見当たらない気がするな。」という意見には、私は、粋でお洒落なセンスとあふれんばかりの「愛」と言う点で、川勝正幸が近いような気がいたしますが。

 最後に、今野雄二が紹介してくれた音楽は数知れずありますが、私がすぐに手にしたのは、10CC「びっくり電話(How Dare You!)」(1976年)。

 今野雄二といえば、まずはロキシー・ミュージック (Roxy Music)なのでしょうがどうも苦手で、1970年代の今野雄二といえば私にとっては10CC。

 なかでも、「びっくり電話(How Dare You!)」は1970年代を代表するレコードといってもよい、「オリジナル・サウンドトラック(The Original、 Soundtrack)」 (1975)を上回る10CCの傑作。

 そういえば、以前に「レコード・コレクターズ 2007年 06月号」で安田謙一が70年代のベスト・アルバムに選んでいたのにはちょっとびっくりしましたが、現行の紙ジャケ・SHM-CD盤には、ロキシー・ミュージック (Roxy Music)やトーキング・ヘッズ (Talking Heads)のものとは異なり、 今野雄二のアナログ盤時解説が転載されていないのが誠に残念。

 レクイエム(Requiem)は、「電話を切らないで(DON'T HANG UP)」。

 
 プツリと切れる電話の音ともに、合掌。

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音楽等(やや通向)」カテゴリの記事

コメント

今野氏といえば、僕の中では映画でいうとデイヴィッド・リンチなんです。
やはり川勝氏が継いで行くんですけど…笑

投稿: C3PAPA | 2010年8月18日 (水) 07時40分

今野雄二といえば、ミカバンドやロキシーはもちろんのこと、僕にとってはモンティ・パイソンです。
「パイソニアン」と称して東京12チャンネルで紹介していたのが印象にあります。

投稿: K2 | 2010年8月18日 (水) 21時35分

C3PAPAさん、コメントありがとうございます。
デヴィッド・リンチ(David Lynch)、確か「イレイザーヘッド(Eraserhead)」(1976年)~「エレファント・マン(The Elephant Man)」(1980年)の頃からいち早く絶賛していたような記憶が。
今野雄二が、何かで映画の魅力は「映像の展開」だと語っていたのが印象に残っており、私もその影響を受けて、常々、音楽の魅力は「音像の展開」だと思っております。
その点、「電話を切らないで(DON'T HANG UP)」は、「音像の展開」が見事な曲で、上記「レコード・コレクターズ 2007年 06月号」の安田謙一の言葉を借りるならば「めくるめく展開は、ブライアン・デ・パルマの360度パン撮影の如し。ああ、70年代。ああ、今野雄二。」で、我が意を得たり。
パラダイス・ガラージュ (Paradise Garage)的世界とは全く縁がない会計事務所のオヤジが理解できる、今野雄二が愛した官能的快楽はここら辺までかもしれませんが。

投稿: Accounting&Music | | 2010年8月22日 (日) 11時19分

K2さん、コメントありがとうございます。
「空飛ぶモンティ・パイソン (Monty Python's Flying Circus) 」って番組がありましたね。
私の兄が好きで見ていましたが、ネットで調べるとタモリの初出演のテレビ番組だったんですか。
そういえば、Twitter始められたのですね。

投稿: Accounting&Music | | 2010年8月22日 (日) 11時34分

はじめまして。私も今野さんの大ファンでした。11PMの今野さんのコーナーはいつも楽しみにしていました。
今野さんがデビッド・ボウイを紹介してくださって以来、私はグラムロックに目覚め、また同時に映画やファッションにも目覚めました。

私はいま54歳ですが、それ以来、私の人生は常に映画と音楽とファッション、サブカルチャーと共にありました。洋画配給の仕事についたのも今野さんの影響です。
私がスコセッシの「レイジング・ブル」の宣伝を担当した際、それまで何度も試写室の前ではお目にかかっていたのですが、初めて今野さんとじっくりお話させていただきました。でも、「あなたに影響されて今の私がいます」とはついに言えませんでした。

今野さんはある時期、間違いなく日本のカルチャーをリードしていた存在でした。

心からご冥福をお祈りしたいと思います。

投稿: アラン・スミシー | 2010年8月31日 (火) 15時52分

アラン・スミシーさん
コメントありがとうございます。
ご本人にお会いしたことがあるとはうらやましい限りです。
「今野さんはある時期、間違いなく日本のカルチャーをリードしていた存在でした」、私もそのとおりと思います。
映画評論家としての今野雄二に関しては、確かサム・ライミ(Sam Raimi)についても、「死霊のはらわた(The Evil Dead)」 (1981)の頃から絶賛しており、あれよあれよと大監督となってしまい、その眼力には驚いた記憶もあります。

投稿: | 2010年9月 5日 (日) 16時16分

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