メロディー枯渇時代に光を放つ、名曲のシャワー。ポール・マッカートニー(Paul McCartney)「グッド・イヴニング・ニューヨーク・シティ~ベスト・ヒッツ・ライヴ (Good Evening New York City)」
1965年にザ・ビートルズが史上初のスタジアム・コンサートを敢行したシェア・スタジアムも替わる新球場、シティ・フィールドのオープニングを飾り2009年7月に3夜にわたり開催されたコンサートの実況盤、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)「グッド・イヴニング・ニューヨーク・シティ~ベスト・ヒッツ・ライヴ(Good Evening New York City)」(2009年11月)が発売。
全33曲のパフォーマンス中、20曲がザ・ビートルズ(The Beatles)時代のナンバーということもあり、懐メロ的回顧盤と思いきや、予想以上に元気なポール・マッカートニー(Paul McCartney)、メロディー枯渇時代に光を放つ、名曲のシャワーです。
少々前ですが、2009年11月28日付日本経済新聞の矢沢永吉(Eikichi Yazawa)の記事で、石坂敬一日本レコード協会会長が、最近は、「歌は世につれ世は歌につれ」という法則性がなくなり、その背景にはメロディー不作とヒップホップの隆盛、音楽制作のデジタル化があり、映画「タイタニック」でセリーヌ・ディオンが歌った主題歌が「世界の音楽工場」米国発の最後のメロディーではないかと指摘。
2009年5月に公表された、経済産業省での、石坂敬一氏が座長を務めた「音楽産業のビジネスモデル研究会」の報告書でも指摘されていますが、世界中で広く共通に愛される文化として、音楽の魅力が急速に低下しているというのが紛れも無い事実。
そのような中、「グッド・イヴニング・ニューヨーク・シティ~ベスト・ヒッツ・ライヴ(Good Evening New York City)」(2009年11月)を見ると、観客席の老若男女、実に幅広い客層に浴びせかける、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)の音楽人生を集大成したグッド・メロディー、名曲のシャワー。
このコンサートに来ていた子供達、このCDを聴いた子供達から、素晴らしいメロディー・メイカーが生まれて来るかもしれません。
ポール・マッカートニー(Paul McCartney)に感心するのは、いまだに現役進行中のミュージシャンでもあること。
「追憶の彼方に〜メモリー・オールモスト・フル(Memory Almost Full)」(2007年)収録の「ダンス・トゥナイト(Dance Tonight)」の往年の名曲に負けない素晴らしさ。
・You Tube上の、本作のライヴと異なりますが、2007年6月の英国BBC「Later... with Jools Holland」での「ダンス・トゥナイト(Dance Tonight)」のライヴ映像。
http://www.youtube.com/watch?v=WHpbd3zhWhA
ポール・マッカートニー(Paul McCartney)の後を引き継ぐメロディ・メイカーに期待いたします。
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コメント
ポールほどの大御所になれば、それこそオーケストラをバックにフランク・シナトラ状態で歌だけを歌っていても十分にコンサートは成立しますよね。
だけどシンプルな編成で、自分ももちろんベースやらギターやらピアノを弾きまくりながら歌う、ってのがロックしていていいなぁ。
バンドがやりたいんですよ、やっぱりポールは。たとえそれがビートルズやウイングスでなくソロ名義だったとしても。
投稿: K2 | 2010年1月17日 (日) 10時11分
K2さん、コメントありがとうございます。
なるほど、生涯バンド・マンですね。
話は変わりますが、「クッキーシーン VOL.78」(2009年12月)のコーネリアスのインタビューによると、細野晴臣が最近バイオリン・ベースを使うのはどうも軽いかららしく、もしかしてポールも同じ理由かも(笑)。
投稿: Accounting&Music | 2010年1月18日 (月) 01時11分