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株式会社日本航空など日本航空グループ3社。会社更生法申請と同時に開始決定。

H220119 各種報道のとおり、日本航空グループの持株会社で東証1部上場の株式会社日本航空と、航空事業の株式会社日本航空インターナショナル、航空機リースの株式会社ジャルキャピタルの3社は、本日(2009年1月19日)に東京地裁へ会社更生手続申立を行い、同日更生開始決定を受けたとのこと。

 申立代理人は南賢一弁護士他で、管財人には片山英二弁護士と株式会社企業再生支援機構、職務執行者として同機構の瀬戸英雄弁護士と中村彰利専務が選任。

 会社更生手続申立と同時に開始決定というのはかなり珍しい例ではないでしょうか。

■会社更生法第41条(更生手続開始の決定)

 裁判所は、第17条の規定による更生手続開始の申立てがあった場合において、同条第1項に規定する更生手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、更生手続開始の決定をする。

  更生手続の費用の予納がないとき。
 裁判所に破産手続、再生手続又は特別清算手続が係属し、その手続によることが債権者の一般の利益に適合するとき。
三  事業の継続を内容とする更生計画案の作成若しくは可決の見込み又は事業の継続を内容とする更生計画の認可の見込みがないことが明らかであるとき。
四  不当な目的で更生手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。

■東京地方裁判所民事第8部の運用

 東京地方裁判所民事第8部の統一的な解釈と運用が示された実務書、東京地裁会社更生実務研究会(著)・西岡 清一郎 (編集)・桝谷 雄一 (編集)・鹿子木 康 (編集) 「会社更生の実務[上]」(2005年6月)によれば、早い事件では申立てから1週間程度、全体の6割の事件は1ヶ月前後に更生手続が開始されているとのこと。

 その運用は、以前にご紹介した日本公認会計士協会の機関紙、「会計・監査ジャーナル2009年6月号」の「座談会 DIP型会社手続の概要をつかむ 大きく変わる会社更生手続」での難波孝一東京地方裁判所民事第8部部総括判事の発言等から、現在もそう変わりはないようです。

■上記から感じること

 株式会社日本航空など日本航空グループ3社の、申立と同時に開始決定というのはやはり異例の措置。
 2009年10月には、株式会社企業再生支援機構に再生支援の事前相談の申請を開始していたこともあり、事業の継続を内容とする更生計画案の作成若しくは可決の見込み又は事業の継続を内容とする更生計画の認可の見込みがないことが明らかではないことが裁判所サイドでも確認できていたことや、運航に与える影響を考慮し極力円滑な手続進行が必要であったことなどの理由が考えられます。
 
 上場を維持することは不可能となりましたが、商取引債権100%弁済等と合わせ、新手法の会社更生法の運用に注目の日本航空、これからも目が離せません。
 

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