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「アカウンティング&ミュージック 2009年洋楽再発ベスト5(Accounting&Music 2009 Inport music Reissue Best 5)」。とどまるところを知らない再発ラッシュ。

H210416 前回に引き続き2009年の音楽界を振り返らせていただきますが、今回は「アカウンティング&ミュージック 2009年洋楽再発ベスト5(Accounting&Music 2009 Inport music Reissue Best 5)」。

 遂に、ザ・ビートルズ(The Beatles)の最新デジタル・リマスター盤CDの全世界リリースという大山が動いた2009年、とどまるところを知らない再発ラッシュでした。

H210416_2  ザ・ビートルズ(The Beatles)の最新デジタル・リマスター盤を抑えての第一位は、リマスタリングにより劇的に音質が向上した、ジェネシス(Genesis)「ザ・ラム・ライズ・ダウン・オン・ブロードウェイ(眩惑のブロードウェイ)(The Lamb Lies Down on Broadway)」(オリジナル盤1974年、リマスター盤2008年11月、リマスター日本盤2009年1月)。

 コンセプト・アルバムとして有名ですが、フィル・コリンズ(Phil Collins)の「告白してしまえばダブル・ジャケットの内側に掲載されているストーリーは、今日に至るまでいちども読んだことがない」の意見は同感、能書きよりも単純に美しいメロディを浴びるように味わうのが本作の楽しみ方。

 他のプログレッシヴ・ロック・バンドと一線を画すフィル・コリンズ(Phil Collins)のグルーヴ感あふれるタイトなドラミングに、ヨーロピアン・ルーツ・ミュージックともいうべき、ピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)の歌うクラシカルなメロディーが乗る極上のサウンド、ピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)在籍時のジェネシス(Genesis)は2009年のマイ・ブームでした。

211013_magical_mystery_tour  第2位は、ザ・ビートルズ(The Beatles)の最新デジタル・リマスター盤の中から選ばせていただく、「マジカル・ミステリー・ツアー(Magical Mystery Tour)」(オリジナル盤:1967年11月、最新リマスター盤:2009年9月)。

 「マジカル・ミステリー・ツアー(Magical Mystery Tour)」は、そもそもはイギリスのTV番組のサントラ盤で、当初、イギリスでは6曲入りEP2枚組として発売され、後からアメリカで11曲入りアルバムとしてリリースされたという、オリジナル・アルバム未満の軽く見られがちな作品であり、私もそう刷り込まれてきました。

 ところが、今回聴きなおしてみて、とにかくポップな名曲ぞろいで、ザ・ビートルズ(The Beatles)の作品の中でも実はよくできた「アルバム」なのではないかと再発見。

 石坂敬一・日本レコード協会会長も最近は「歌は世につれ世は歌につれ」という法則性がなくなったと嘆く、「枯渇するメロディー」問題に対する答えがこのアルバムにはあります。

H210812_the_woodstock_experience  第3位は、スライ&ザ・ファミリー・ストーン(Sly & The Family Stone)「ウッドストック・エディション(The Woodstock Experience)」(US:2009年6月、JP:2009年7月)。

 スライ&ザ・ファミリー・ストーン(Sly & The Family Stone)のウッドストック・フェスティバルでの全演奏を収録した「Recorded Live At The Woodstock Music & Art Fair,Sunday,August 17,1969」と、スタジオ盤「スタンド!(Stand!)」(1969年)のパッケージ。

 「Recorded Live At The Woodstock Music & Art Fair,Sunday,August 17,1969」は、CDでは「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック(Dance to the music)」と「ミュージック・ラヴァー/ハイヤー(MEDLEY: Music Lover/Higher)」の2曲、DVDでも「アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイヤー(I Want To Take You Higher)」と「ラヴ・シティ(Love City)」の2曲しか、今まで公式にはパッケージ・ソフト化されていなかった幻のライヴ音源で、厳密に言えば再発ではないのかも知れません。

 ピチカート・ファイヴ(Pizzicato Five)、スガ・シカオ、プリンス(Prince)といったスライ&ザ・ファミリー・ストーン(Sly & The Family Stone)の影響下にあるアーティスト、はたまたスライ門下のベーシスト、ラリー・グラハム(Larry Graham)は大好きなものの、ご本家のスタジオ盤は何かモコモコしたサウンドと病的な感触が好きになれなかった私ですが、このライヴ音源にはノック・アウトされました。

 何といっても、1曲目「マレディー(M'Lady)」から最後の「スタンド!(Stand!)」まで、今までの私のスライへのイメージを覆す、その明るく前向きな高揚感が素晴らしい。

H210603 第4位は、ボブ・ディラン(Bob Dylan)「偉大なる復活(Before the Flood)」(オリジナル:1974年、再発米盤:2009年3月、再発日本盤:2009年5月)。

 とにかく、この人たちどうしちゃったんだろうというぐらいにハイ・テンションな、ボブ・ディラン(Bob Dylan)&ザ・バンド (The Band)御一行の突進。

 いつ聴いても興奮するライブの名盤、最新デジタル・リマスターで一段と凄みを増して、もうたまりません。

 ただし、上位3作と比べると、リマスタリング等再発による「別物度」は乏しいかも。

H220102_bearsville_box  第5位は、年末に発売のため当ブログでご紹介する機会がなかった飛び込みのランク・イン、「ベアズヴィル・ボックス・セット(BEARSVILLE BOX)」(オリジナル:1996年、再発:2009年12月)。

 ベアズヴィル・レコード(BEARSVILLE RECORDS)設立&ウッドストック・フェスティバル40周年にあたり、1996年の長門芳郎氏監修による日本主導の労作ボックス・セットがSHM-CD仕様で再発。

 全79曲中、未発表曲17曲、世界初CD化37曲だったらしい1996年盤に、今回さらに世界初CD化3曲を含むボーナス・トラック5曲を追加、圧巻の「ベアズヴィル・レコード物語」もきちんと新たに加筆という、これぞ「再発(Reissue)」という長門芳郎氏の見事な仕事振り、心より賞賛させていただきます。

 個人的には、何と言っても、Disc4収録、我がザ・ディービーズ(The dB's)のSHM-CD仕様の「ラヴ・イズ・フォー・ラヴァーズ(Love Is for Lovers)」、「ア・スパイ・イン・ザ・ハウス・オブ・ラヴ(Spy in the House of Love)」が注目。

  ベアズヴィル・レコード(BEARSVILLE RECORDS)とあまり関係なさそうな、ニュー・ウェーヴ以後のギター・ポップ・バンド、ザ・ディービーズ(The dB's)ですが、ベアズヴィル・レコード(BEARSVILLE RECORDS)最後の作品が、実はザ・ディービーズ(The dB's)「ライク・ディス(Like This)」(1984年)。

 そういえば、ザ・ディービーズ(The dB's)のアナログ盤を除くと唯一の日本発売CDが、ベアズヴィル・レコード(BEARSVILLE RECORDS)がらみで1995年に再発された「ライク・ディス(Like This)」で、長門芳郎氏には重ね重ね感謝。

 2009年は、この他にも、「ラヴ・トレイン:フィリー・ソウルの全て(Love Train:The Sound of Philadelphia)」 (米盤2008年10月、日本盤2009年2月)、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)「The Complete Columbia Album Collection(ザ・コンプリート・コロンビア・アルバム・コレクション)」(US:2009年11月)といった素晴らしいボックス・セットがありましたが、資料あるいは物語として価値のあるものを、どんどん開発していただきたいと思います。

H210705  ところで、再発(Reissue)部門は、ご紹介したい作品が目白押しで特別に番外2作品を追加。

 まずは、番外1は、ダリル・ホール&ジョン・オーツ(Daryl Hall & John Oates)「モダン・ポップ(X-STATIC)」(1979年)。

 我が人生の1枚、1979年という時代が生んだ奇跡のアルバム。

 今回の再発は、2005年の紙ジャケ・リマスター盤の「Blu-spec CDTM」へのアップ・グレードだけですが、あまりにも素晴らしい名盤、今後は機会がないかもしれないのでこの場を借りて再度ご紹介。

 ちなみに、最近掴んだ情報は、ダリル・ホール&ジョン・オーツ(Daryl Hall & John Oates)「ドゥ・ホワット・ユー・ウォント、ビー・ホワット・ユー・アー(Do What You Want Be What You Are: The Music of Daryl Hall & John Oates)」(US:2009年10月、2009年11月)のブックレット、デヴィッド・フォスター(David Foster)ヒットマン デヴィッド・フォスター自伝(HIT MAN)」(US:2008年11月、2009年11月)によると、トト(TOTO)のデヴィッド・ペイチ (David Paich) が当時ホール&オーツのマネジメントをしていたトミー・モトーラ(Tommy Mottola)にデヴィッド・フォスター(David Foster)を推薦したことが、プロデュースのきっかけとのこと。

H210731_5  番外2は、「ザ・ベスト・オブ・マイケル・ジャクソン&ジャクソン5(Michael Jackson&Jackson5 The Motown Years)」(2008年12月)。

 2009年は、そもそも予定されていたものも含め、ジャクソン5(Jackson5)、ジャクソンズ(Jacksons)、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)のほとんど全ての作品が紙ジャケ再発。

 ただし、私の琴線にもっとも触れたのは、2008年発売のベスト盤である本盤。

 マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)が身を削る努力を重ね過去へと追いやった、旧来からのポップ・ミュージック・マナーに則ったモータウン(Motown)はベリー・ゴーディ・ジュニア(Berry Gordy, Jr.)のスタイル、そしてベスト盤の方が、本当に申し訳ありませんが、私の口には合うようです。

 しかしながら、番外でもぜひともご紹介したい、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の素晴らしい「歌」が楽しめる1枚です。

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