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「アカウンティング&ミュージック 2009年邦楽再発ベスト5(Accounting&Music 2009 Japan music Reissue Best 5)」。とどまるところを知らない再発ラッシュNo.2。

211213_love_sculpture  前回に引き続き2009年の音楽界を振り返らせていただきますが、今回は「アカウンティング&ミュージック 2009年邦楽再発ベスト5(Accounting&Music 2009 Japan music Reissue Best 5)」。

 ザ・ビートルズ(The Beatles)の最新デジタル・リマスター盤CDの全世界リリースに沸いた洋楽同様、こちらもとどまるところを知らない再発ラッシュでした。

211213_love_sculpture_2 第1位は、カーネーション(CARNATION) 「LOVE SCULPTURE(Deluxe Edition)(ラブ・スカルプチャー・デラックス・エディション)」(オリジナル:2000年、デラックス・エディション:2009年12月)。

 直枝政広(直枝政太郎)のパワーにはとにかく驚きましたが、カーネーション(CARNATION)のコロムビア在籍時(1994~2000)のオリジナル・アルバム7タイトルが、貴重なデモ音源・アウトテイク・入手困難となったシングルC/W曲・未発表ライブ等を収録したボーナス・ディスク付2枚組エディションとして、2009年最新リマスターで一挙再発。

 どれも素晴らしい作品ですが、1枚挙げるとするならば、私は、山本ムーグ&マリコのサイケなジャケット・デザインが印象的な上田ケンジ&CARNATIONプロデュースの本作。

 ボーナス・トラックはマニア向けなものが多くあまり好きではないのですが、「幻想列車(Home Demo)」は最高。

 ボーナス・トラックを完全にオリジナル・アルバム部分と別ディスクにすることにより、オリジナル・アルバム終了後にボーナス・トラックが続くという余韻の悪さが無く、さすが自らもヘビーなパッケージ音楽消費者の直枝政広(直枝政太郎)だけあります

H210903_no_thank_you  第2位は、松尾清憲(Kiyonori Matsuo)「ノーサンキュー(NO THANK YOU)+4」(オリジナル:1987年3月、再発:2009年2月)。

 発売当初は、1stアルバム「SIDE EFFECTS[恋の副作用]」(1985年4月)よりも印象が薄かった3rdアルバム。

 改めて今聴いてみると、白井良明の変幻自在のアレンジの妙の存在感は薄いものの、松尾清憲の、他に得がたい個性といえる、洒落たポップ・センスの濃い目のメロディーの見事なソング・ライティングが最も楽しめる意外な傑作であることに気がつきました。

 高橋留美子原作のテレビ・アニメ「めぞん一刻」の4代目テーマ・ソングに採用された、湯川れい子作詞の「サニー シャイニー モーニング」が収録されていることでも有名ですが、私のお勧めは、10CC「アイム・ノット・イン・ラヴ(I' m not in love)」へのオマージュ、竹花いち子の「毒りんご」という出だしの歌詞が印象的な11曲目「ふたつの片想い」。

H210719  第3位は、SHM-CD仕様で再発売された、高橋幸宏(Yukihiro Takahashi)「音楽殺人(Murdered By The Music)」(オリジナル:1980年、SHM-CD仕様再発2009年3月)。

 本盤は、未入手ではありますが2005年のリマスター盤で音質が向上していたはずで、今回の再発では実は大きな変化はないはず。

 本当は、今回の再発で格段に音質向上した、アルファ・レコード時代のベスト盤、「Turning The Pages Of Life THE BEST OF YUKIHIRO TAKAHASHI IN ALFA YEARS 1981-1985」(2009年3月)や、EMI時代のベスト盤「Turning The Pages Of Life THE BEST OF YUKIHIRO TAKAHASHI IN EMI YEARS 1988-1996」(2009年3月)を選ぶべきだったかもしれません。

 しかし、2009年は、高橋ユキヒロのドラムがマイ・ブーム。

 その後のアルバムは実はあまり認めてこなかった「サラヴァ!(Saravah!)」(1978年)信奉者の私も、グルーヴのみで勝負の究極のシンプルさが売りのユキヒロのドラムを堪能できる本作、2009年に聴きまくりましたのでセレクトさせていただきました。

H210502_20box  第4位は、「細野晴臣の歌謡曲~20世紀BOX」(2009年4月)。

 日本が誇る「音楽王」、細野晴臣がエイプリル・フール(Apryl Fool)でデビューしてから40年の間に作曲された200曲を越える楽曲から、細野本人が厳選し選曲した115曲を6枚のCDに収録したというボックス・セット。

 松田聖子よりも、イモ欽トリオよりも、ナウシカよりも、やっぱり、私にとっては、細野晴臣&森高千里の共演(1997年~1998年)が断トツ。

 Youtube上の森高千里版「東京ラッシュ(Tokyo Rush)」のプロモーション・ビデオ。

 http://www.youtube.com/watch?v=2OSbhyBsGJw

 本盤のライナー記載の、青野裕慈氏による素晴らしいロング・インタビューで、細野晴臣も魅力的なミュージシャンでありもったいないと語る、森高千里、活動再開が本当に望まれます。

 あと、加藤和彦の歌謡曲のBOX SETも誰かに頑張ってもらいたいですね。

H220103_business  第5位は、11月に発売されたのに気付くのが少々遅れ、当ブログで紹介そびれたビジネス(Business)「ビジネス(Business)」(オリジナル:1980年、再発:2009年11月)。

 本作は、個人的には思い出がいっぱい詰まった1枚。

 当時、一緒にバンドを組んでいた、その後にPINK(ピンク)のギタリストとして活躍した故渋谷ヒデヒロ(英広)が大好きで、確か8曲目「Gray」を一緒にカヴァーした記憶が。

 和製ポリス(The Police)と呼ばれたビジネス(Business)、当時のヘタウマNEW WAVE勢の中で演奏が抜群に上手く(その理由は本盤解説を読むとよくわかります)、「きざんでGuitar」の西衣一実(Kazumi Nishiyori)のしっかりとしたピッキングで切れ味鋭いカッティングは、アンディ・サマーズ(Andy Summers)よりカッコ良いかも(スタイル違いますが)。

 当時の渋谷ヒデヒロ(英広)のプレイは、実は、西衣一実(Kazumi Nishiyori)+アート・リンゼイ(Arto Lindsay)だったのだ。

 初CD化だという再発の監修者は、「電子音楽 In JAPAN」の田中雄二氏で、さすがの目利き力。

 このアルバム、改めて聴いても、ギターカッコ良いし、良い曲が揃っており、お勧めです。

 ちなみに、シングル・カットされた「うわきわきわき」のみ、鈴木慶一が編曲で参加。

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コメント

ビジネス! 再発の予定は知ってたのに、今の今まで私も買うの忘れてましたわ。痛恨の極み。ここをチェックしていてほんとにほんとによかった。明日、万難を排して買いに走らねば。俺も焼きがまわったぜ。

新年早々取り乱してすみません。

ビジネスはみそらどれみの声がツボですし、「痛いマイハート」とか「港のカフェ」とか、レゲエリズムの曲が特に好きです。当時流行ったニューウエーブレゲエ(冷たいレゲエ)の範疇ではありながら、ドメスティックさというか歌謡テイストが香ることろが独特だと思います。

投稿: MYB | 2010年1月 3日 (日) 23時03分

MYBさん、コメントありがとうございます。
「みそらどれみの声がツボ」、なるほど、ミズノマリ(Mari Mizuno)がお好きなのもなんとなくわかります(歌謡曲っぽい気がするという意味で)。
美空どれみ=元東京おとぼけCATS、そう、実はNEW WAVEと無縁そうな「下北派」なのが、ビジネス(Business)が演奏が上手い理由です。

投稿: Accounting&Music | 2010年1月 3日 (日) 23時14分

下北派で片づけられてもと、聴き直すと新しい発見
セカンドアルバムは聴けば聴くほどいい。美空どれみの詩と歌い方&西依一実がいい時期に出会い
いい時期にサヨナラした「港のcafe」聴いてると思う
マイナーだったセカンドは圧縮されたアルバム

投稿: uk | 2010年5月 2日 (日) 10時18分

ukさん、コメントありがとうございます。
ビジネス(Business)、本当に良い再発でしたね。
再評価の機会が大きく広がったと思います。

投稿: Accounting&Music | | 2010年5月 2日 (日) 23時46分

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