意外に大事、清算型の民事再生手続、普通清算、特別清算等の場合にご注意。やはり清算所得課税が通常の所得課税へ移行のようです。平成22年税制改正(2010年税制改正)の政府税制調査会最終整理案。
昨日(平成21年12月18日)、平成22年税制改正(2010年税制改正)の政府税制調査会最終整理案が公表。
噂どおり、平成22年税制改正(2010年税制改正)で、清算所得課税が通常の所得課税への移行することになったようです。
日本経済新聞等でも触れられていないようですが、これは意外に大事、清算型の民事再生手続、普通清算、特別清算等の場合に注意が必要です。
■主要事項・要望項目等に関する最終整理案(法人税関係)
平成21年度第23回税制調査会(12月18日)資料、「主要事項・要望項目等に関する最終整理案(法人税関係)」の「法人税制(案) 2 資本に関係する取引等に係る税制」によれば以下の通り。
(2)清算所得課税
清算所得課税を廃止し、通常の所得課税に移行する。その際、期限切れ欠損金の損金算入制度を整備する等の所要の措置を講ずる。また、連結子法人の解散を原則として連結納税の承認の取消事由から除外する。
■上記からわかること
期限切れ欠損金の損金算入制度を整備する等の所要の措置を講ずるのであるならば、会計的側面からは財産法による所得計算である清算所得課税と、会計的側面からは損益法による所得計算である通常の所得課税は、計算プロセスの違いはあるものの、原則としては大きな問題はないようにも思われます。
ところが、実務的には、通常の所得課税における金銭債権の貸倒損失の損金算入要件が社会通念上の取引実務や会計実務と比べ非常に厳しいことから、清算所得課税においては問題となることがなかった貸倒損失の否認等の税務リスクが大きな問題となってきそうです。
債務免除を受けずに債務超過のまま手続終結する破産の場合はあまり問題がないでしょうが、清算型の民事再生手続、普通清算、特別清算等の場合に大きな影響がありそうです。
従来、税務戦略的理由による特別清算の選択があったように、今後は税務戦略的理由による破産の選択というのも起こりえるかもしれません。
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