鉄火丼にはもっと驚きました。ミシュラン一つ星の「蕎麦懐石」店。「古拙」（新富町）

　前回ご紹介した、「ミシュランガイド　東京」で2008年から3年連続で一つ星を獲得している「古拙」（新富町）。

　前回訪問時にランチの「古鉄丼　小鉢付き」がどうしても気になりすぐに再訪。

　劇的においしい鉄火丼で、驚きました。

　「古鉄丼　小鉢付き」1,890円は、メニューによると「古拙の鉄火丼、略して古鉄丼　本鮪を使った鉄火丼。もりうどん又はかけうどん（小サイズ）付き」とのこと。

　小鉢は、ほうれんそうなどのおひたしと、チェリー・トマト、ポテト・サラダ、玉子焼き、肉団子、豆を煮たものを少量ずつ盛り合わせたもので、「蕎麦膳　小鉢付き」のものと同じ。

　蕎麦は選べず、うどんのみなのですが、少量盛り付けられたうどんがすごくおいしい。

　蕎麦は、「蕎麦　流石」で免疫ができているので、うどんの方がむしろ新鮮感があります。

　蕎麦湯のように、お出汁が供され、うどんつゆに注いで楽しめるようになっているのも嬉しい。

　お出汁は、かつおだしで精妙な味わい。

　ブログを書いていて気がつきましたが、暖かいかけうどんも選べるようなので今度は挑戦してみたいと思います。

　これが驚きの鉄火丼。

　まず、盛り付けが美しい。

　真ん中は、本鮪の筋のかたい身をひっかいた部分らしく、まわりの赤身ともども、軽くヅケにしたってその塩梅がこれまた精妙。

　本鮪の筋のかたい身をひっかいた部分も、当然に中落ちと称した脂身だらけのようなものでなく、鮪の旨味が十分。

　酢飯も非常に軽くお酢を利かしたもので、後でのどが乾いたりすることもありません。

　本鮪の筋のかたい身をひっかいた部分だけを使った丼もあり、「ひっかき古鉄丼　小鉢付き」2,625円。

　ぜいたくな一品ですが、ただの「古鉄丼」の方が、二つのおいしさが楽しめてお勧めでしょうか。

　どうも、「古風で拙いけれども趣がある」の意を込めた店名らしい「古拙」、私ごときからすると、今風で洗練された「蕎麦懐石」店としか思えません。