ジェスカ・フープ(Jesca Hoop)の身元保証人は恐るべき音楽界の「怪物」。トム・ウェイツ(Tom Waits)「グリッター・アンド・ドゥーム・ライヴ(Glitter and Doom Live)」
トム・ウェイツ(Tom Waits)家で子守をしていたところ、トム・ウェイツ(Tom Waits)が才能に気が付き一役買ってデビューに至ったのが、当ブログ一押し、ジェスカ・フープ(Jesca Hoop)。
トム・ウェイツ(Tom Waits)は、「彼女の音楽は夜の湖を泳ぐようだ(Her Music is like swimming in a lake at night)」というイカしたコメントで送り出した、言わばジェスカ・フープ(Jesca Hoop)の身元保証人。
そんな、トム・ウェイツ(Tom Waits)の新作ライヴ、「グリッター・アンド・ドゥーム・ライヴ(Glitter and Doom Live)」(2009年12月)が物凄い。
ランディ・ニューマン(Randy Newman)もそうですが、いわゆる「詩人」と呼ばれるタイプの海外ミュージシャンは、やはり言葉の壁があり私はどうも苦手。
しかし、「グリッター・アンド・ドゥーム・ライヴ(Glitter and Doom Live)」を聴いてびっくり仰天、自信と活力のみなぎった歌というより「咆哮」、もはや「詩人」というより恐るべき音楽界の「怪物」です。
まず、度肝を抜かれるのが、1曲目「ルシンダ-エイント・ゴーイン・ダウン(Lucinda/Ain't Goin Down)」(2008年7月3日バーミンガム(Birmingham)公演)
・You Tube上の「ルシンダ-エイント・ゴーイン・ダウン(Lucinda/Ain't Goin Down)」の2008年7月8日ダブリン(Dublin)でのほぼ同じ内容のライヴ映像。
http://www.youtube.com/watch?v=cEK8SaON67E
「アーウ」という第一声に思わずしびれます。
1980年代に、製造現場で発生するようなノイズや金属的なギター音などを用いたロックをインダストリアル・ミュージック(Industrial Music)と言いましたが、これはもはや「ヒューマン・インダストリアル・ミュージック」。
最近のトム・ウェイツ(Tom Waits)って、こんなに凄かったのかと思わず、「ルシンダ(Lucinda)」と「エイント・ゴーイン・ダウン(Ain't Goin Down)」が収録された、「オーファンズ(Orphans ,Brawlers, Bawlers & Bastards )」(2006年 JP再発:2009年11月)等、近年作をあわてて聴いてみましたが、「グリッター・アンド・ドゥーム・ライヴ(Glitter and Doom Live)」が一番凄い。
その理由として、まるでカセット録音のような、音が割れて圧縮された迫力のある、カール・ダフラー(Karl Dewfler)によるミックスも挙げられますが、1949年生まれの60歳にして、いまだに進化し続けるその生命力、活力にはとにかく脱帽。
パトリック・ハンフリーズ(Patrick Humphries)(原著)・金原瑞人(翻訳)「トム・ウェイツ 素面の、酔いどれ天使(The Many Lives Of Tom Waits)」(US:2007年、JP:2008年)によると、トム・ウェイツ(Tom Waits)は、「ヴァニティ・フェア」誌のインタビューで「どんな風に死にたいですか?」と聴かれ、「そもそも、死にたいなんて思わないね」と答えたらしい。
また、本盤の日本語解説もされ、「トム・ウェイツ 素面の、酔いどれ天使(The Many Lives Of Tom Waits)」の監修者である城山隆氏が行ったインタビューでの話が、同書の後書に掲載されていますがそれもすごく面白い。
子供に聞かせた森にある2本の木についての話で、要約すると、1本の木はいびつに曲がっていて、もう一本は真っすぐで、曲がった木はいつもバカにされ傷ついていたが、ある日木こりたちがやってきて真っすぐな木を一本残らず切り倒してしまったが、曲がった木は生き生きとさらに曲がりを強めて生きているというような話。
多くのミュージシャンが戸惑いを隠せない「音楽水道時代」、ますます曲がりを強めて生き続けるトム・ウェイツ(Tom Waits)、その生命力・活力、見習いたいものです。
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