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完成度の高さはさすがの新作。□□□(クチロロ)「everyday is a symphony」

211215_everyday_is_a_symphony  最近わかりやすいメロディーが少なくなったと嘆いているおじさんとしては、その若手の中でも群を抜いて光るポップ・センスに期待を寄せている□□□(クチロロ)。

 当ブログでもご紹介しましたが、何と私よりも1年年上、日本のヒップ・ホップのオリジネイター、いとうせいこうが加入。

 そして発表された新作が、□□□(クチロロ)「everyday is a symphony(エブリディ・イズ・ザ・シンフォニー)」(2009年12月)。

 そのサウンドの完成度はさすがの□□□(クチロロ)ですが、いとうせいこうが加入したこともありかなりヒップ・ホップ色が強い。

 でも私はもっとメロディーを聴きたいなぁ。

211215_tom_tom_club  おじさんらしく昔話をさせていただくと、おそらくラップ(Rap)というものが日本でも一般的な市民権を得たのが、トム・トム・クラブ(Tom Tom Club)「おしゃべり魔女(Tom Tom Club)」(1981年)収録の全米31位のヒット、「悪魔のラヴ・ソング(Genius Of Love)」ではないでしょうか(あまり指摘されていないようですが)。

 You tube上の「悪魔のラヴ・ソング(Genius Of Love)」のプロモーション・ビデオ。

 http://www.youtube.com/watch?v=cnC1Xzm5uKM

 スネークマン・ショー(Snakeman show)「スネークマン・ショー(Snakeman show)」(1981年)収録の「咲坂と桃内のごきげんいかがワン・ツゥ・スリー」もその影響と思われ、当時、私も自分のバンドでラップ(Rap)に挑戦したものです。

211215_duck_rock_2  次に、ラップ(Rap)だけではないヒップ・ホップ(Hip Hop)という「カルチャー」を私が始めて意識したのは、トレヴァー・ホーン(Trevor Horn)プロデュース、当時神がかり的だった先物買い男マルコム・マクラーレン(Malcolm McLaren)自身のアルバム、「俺がマルコムだ(Duck Rock)」(1983年)。

 当時は実はカフェ・バー(Cafe Bar 今や死語)などと呼ばれ、それはスノッブ度の高いスポットであったクラブ「ピテカントロプス・エレクタス(Pithecanthropus Electus)」(原宿)で、さかんに2曲目「バッファロー・ギャルズ(Buffalo Gals)」のプロモーション・ビデオが流され、スクラッチ(Scratch)、ブレイクダンス(breakin')、グラフィティー(Graffiti) の文字通りヒップ(Hip)さにびっくり。

 You tube上の「バッファロー・ギャルズ(Buffalo Gals)」のプロモーション・ビデオ。

 http://www.youtube.com/watch?v=9SgvJY9xxcA

211215_raising_hell_2  そして、その後のヒップ・ホップ・カルチャーの隆盛を決定的にしたのが、Run-D.M.C.(ラン・ディーエムシー)「レイジング・ヘル(Raising Hell)」(1986年)収録の全米第4位のヒット曲、「ウォーク・ディス・ウェイ(Walk This Way)」。

  You tube上の「ウォーク・ディス・ウェイ(Walk This Way)」のプロモーション・ビデオ。

 http://www.youtube.com/watch?v=GIbHPs_M55Q

 当時、ダサいと思われていた、アディダス製のジャージとスニーカー、ゴールドアクセサリーを逆にクールに着こなす逆転の美学にこれまたびっくり。

 私も1986年の渋谷公会堂の来日公演にはせ参じましたが、「マイ・アディダス」と叫ぶRun-D.M.C.(ラン・ディーエムシー)に会場は大盛り上がり。

 同時に日本でも、藤原ヒロシ、高木完、いとうせいこう、近田春夫など、東京サブ・カルチャー・シーンの先端を走る人々がヒップ・ホップに相次いで参入。

211215_message_2 いとうせいこうは、「夜霧のハウス・マヌカン」の意外なヒットを生んだ「業界くん物語」(1985年)収録の「業界こんなもんだラップ」でラップに挑戦するなど、早くからヒップ・ホップ・カルチャーに関心を持っていましたが、その集大成が、ヤン富田&いとうせいこうプロデュース、いとうせいこう「MESS/AGE」(1989年)。

 楽器音だけではなく、現実音などを組み合わせて作る現代音楽手法であるミュージック・コンクレート(musique concrète)的な実験作。

 確か□□□(クチロロ)は、「MESS/AGE」が好きだと公言していたはずで、、□□□(クチロロ)「everyday is a symphony(エブリディ・イズ・ザ・シンフォニー)」(2009年12月)は、「MESS/AGE」の21世紀的再現という印象。

・You Tube上の□□□(クチロロ)「ヒップホップの初期衝動」のプロモーション・ビデオ。

 http://www.youtube.com/watch?v=2LHzmejwUtY

 いとうせいこうによる「ヒップホップ思い出話」という感じで、Tシャツの「ピテカントロプス・エレクタス(Club Pithecanthropus Electus)」のロゴが実に懐かしい(笑)。

 この曲のせいではないですが、「everyday is a symphony(エブリディ・イズ・ザ・シンフォニー)」の手法には、大変申し訳ありませんが、新しさというよりも、懐かしさを感じてしまいます。

・You Tube上の□□□(クチロロ)「00:00:00」のプロモーション・ビデオ。

 http://www.youtube.com/watch?v=FYsZaKdwPNM

 こういうメロディアスな曲をもっとやってもらいたいのですが。

・You Tube上の□□□(クチロロ)「Re:Re:Re:」のプロモーション・ビデオ。

 http://www.youtube.com/watch?v=Ca6CG7MaIDI

 この曲もピカッとメロディーが光ります。

 ヒップ・ホップ(Hip Hop)が与えた影響、すなわちその裏返しとしてのメロディアスなポップ・ミュージックの衰退について考えさせられる今日この頃、くるりと同じぐらいその才能に可能性を感じる□□□(クチロロ)には今度はメロディアスなポップ・ミュージックへの「振れ」に期待したいと思います。

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