一工夫が欲しかった追悼盤第1弾。加藤和彦(Kazuhiko Kato)「Catch-22」
加藤和彦(Kazuhiko Kato)のベスト盤としては、やはり自身が選曲し、こちらは最新リマスター盤だった「Memories 加藤和彦作品集」(2002年)があります。
タイトルといい、「私にとって、これは単なる思い出に過ぎないが、思い出が人生にとって重要な、そして意味のあるものになる時がある。だから、皆さんが、私のこれらの思い出を共有して下さることに感謝を覚える。 加藤和彦」という帯に書かれたコメントが、今からすると意味深にもとれ、こちらのベスト盤の方がむしろ追悼盤のように思えます。
ちなみに、「マーシャル・マクルーハン広告代理店。ディスクガイド200枚。小西康陽。」(2009年6月)でも、「Memories 加藤和彦作品集」は200枚の1枚として紹介されており、「ちりめんヴォイスで仇名はトノバン。このヒトの本領はベッツィ&クリスの「白い色は恋人の色」、「花のように」といった叙情派フォークにあるのでありまして、断じてカミさんのミカさんとやっていたグラム・ロックやらデカダンなヨーロッパ趣味のニュー・ウェイヴではないのであります。」との高評価。
「Catch-22」のSupervisorとしてクレジットされているのが、音楽家小倉エージ氏。
自身のブログで加藤和彦が生んだベスト・ソングと語っていた「カフェ・ル・モンドのメニュー」も当然収録。
小倉エージ氏がNHKの「男の食彩」のキャスターを務めた際に、最初のゲストとして迎えたのが加藤和彦だっただけのことはあります(見た記憶があるのですが内容は覚えてないです)。
「カフェ・ル・モンドのメニュー」は、同じく「キャンティ」の常連、かまやつひろしの「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」と双璧のお洒落フレンチ曲ですが、レアトラック集「加藤和彦の世界」(1999年)にも既に収録されており、こちらの方が「カフェ・ル・モンドのメニュー」のライヴなど貴重な音源が満載。
加藤和彦の追悼盤としては、同時にオリジナル・ジャケット・デザインながら、「Memories 加藤和彦作品集」(2002年)と同じ音源使用と思われる「memorial single~あの素晴しい愛をもう一度~」(2009年12月)も発売。
こちらも書き下ろしの解説などなく、やはり愛情不足の印象。
「加藤和彦の世界」(1999年)などの「ニューロックの夜明け 番外編」での加藤和彦の再発盤が素晴らしかった、株式会社ブルース・インターアクションズ:P-VINE RECORDSの企画による追悼盤をぜひともお願いしたいところです。
| 固定リンク
« 遺書の全文が掲載され、特に生い立ち、料理・ワイン、車について充実の直近インタビュー。加藤和彦(著)「加藤和彦ラスト・メッセージ」 | トップページ | 意外に大事、清算型の民事再生手続、普通清算、特別清算等の場合にご注意。やはり清算所得課税が通常の所得課税へ移行のようです。平成22年税制改正(2010年税制改正)の政府税制調査会最終整理案。 »
「音楽等(やや通向)」カテゴリの記事
- アカウンティング&ミュージック 2024年邦楽再発・再編集等ベスト。サディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mika Band)「PERFECT! MENU 」(2025.01.04)
- アカウンティング&ミュージック 2024年洋楽再発・再編集等ベスト。ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)「The Asylum Albums (1976-1980)」(2025.01.04)
- アカウンティング&ミュージック 2024年邦楽ベスト3。第3位:高野寛(Hiroshi Takano)「Modern Vintage Future」(2025.01.04)
- アカウンティング&ミュージック 2024年邦楽ベスト3。第2位:竹内まりや(Mariya Takeuchi)「Precious Days」(2025.01.03)
- アカウンティング&ミュージック 2024年邦楽ベスト3。第1位:椎名林檎(Ringo Sheena)「放生会(Carnival )」(2025.01.03)
コメント