清算型の民事再生手続、普通清算、特別清算等の場合に困った事態。本当に清算所得課税が通常の所得課税へ移行です。平成22年税制改正大綱(2010年税税制改正大綱)。
一昨日(平成21年12月22日)、政府は平成22年税制改正大綱(2010年税税制改正大綱)を決定。
http://www.cao.go.jp/zei-cho/etc/pdf/211222taikou.pdf
予想通り、平成22年税制改正(2010年税制改正)で、清算所得課税が通常の所得課税への移行することになるようです。
平成21年12月23日の日本経済新聞の「税制改正大綱の要旨」でも、「3 法人課税 (1)資本に関係する取引=略」と軽視されているようですが、我々事業再生に携わるプロにとってはこれは意外に大事、清算型の民事再生手続、普通清算、特別清算等の場合に困った事態が起こりそうです。
■平成22年税制改正大綱(2010年税税制改正大綱)
第4章 平成22年度税制改正
3.法人課税
(1)資本に関係する取引等に係る税制
②資本に関係する取引等に係る税制
ロ 清算所得課税
清算所得課税を廃止し、通常の所得課税に移行します。その際、期限切れ欠損金の損金算入制度を整備する等の所要の措置を講じます。また、連結子法人の解散を原則として連結納税の承認の取消事由から除外します。
■上記から感じること
先日ご紹介した、平成21年12月18日の平成22年税制改正(2010年税制改正)の政府税制調査会最終整理案と同じ表現です。
繰り返しになりますが、以下のような問題が生じると思われます。
期限切れ欠損金の損金算入制度を整備する等の所要の措置を講ずるのであるならば、会計的側面からは財産法による所得計算である清算所得課税と、会計的側面からは損益法による所得計算である通常の所得課税は、計算プロセスの違いはあるものの、原則としては大きな問題はないようにも思われます。
ところが、実務的には、通常の所得課税における金銭債権の貸倒損失の損金算入要件が社会通念上の取引実務や会計実務と比べ非常に厳しいことから、清算所得課税においては問題となることがなかった貸倒損失の否認等の税務リスクが大きな問題となってきそうです。
債務免除を受けずに債務超過のまま手続終結する破産の場合はあまり問題がないでしょうが、清算型の民事再生手続、普通清算、特別清算等の場合に大きな影響がありそうです。
従来、税務戦略的理由による特別清算の選択があったように、今後は税務戦略的理由による破産の選択というのも起こりえるかもしれません。
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