「アカウンティング&ミュージック 2009年邦楽ベスト5(Accounting&Music 2009 Japan music Best 5)」。「音楽水道時代」、「シルバー・ミュージック」、「枯渇するメロディー」が今年のキーワードNo.2。
昨日の「アカウンティング&ミュージック 2009年洋楽ベスト5(2009 Inport music Best 5)」に続き、今回は「アカウンティング&ミュージック 2009年邦楽ベスト5(Accounting&Music 2009 Japan music Best 5」。
やはり、「音楽水道時代」、「シルバー・ミュージック」、「枯渇するメロディー」が今年のキーワードです。
第一位は、CORNELIUS(コーネリアス:小山田圭吾)「SENSUOUS SYNCHRONIZED SHOW(センシュアス・シンクロナイズド・ショー)」(2009年5月)。
とにかく、CORNELIUS(コーネリアス:小山田圭吾)が、カットの選択やエディットのタイミングまで指示を自ら出したという音楽と映像のシンクロが実に見事で、「いよっ、世界一」と声をかけたくなる、音楽と映像が見事にシンクロする21世紀のエンタテインメント、期待通りの傑作です。
You Tube上の、「SENSUOUS SYNCHRONIZED SHOW(センシュアス・シンクロナイズド・ショー)」、最も盛り上がっているLAはEl Reyでのオープニングの映像。
http://www.youtube.com/watch?v=OszD1n-QHLA
多くのミュージシャンが戸惑いを隠せない「音楽水道時代」、そんな世間に惑わされることなど無く、我が道を突き進むCORNELIUS(コーネリアス:小山田圭吾)には今後も期待大。
第2位は、THE BAWDIES(ザ・ボウディーズ)「THIS IS MY STORY」(2009年4月)。
21世紀の日本に突如現れた、歌驚き、演奏良し、録音良し、アート・ワーク良しの、ピュア・ブラック・ロックン・ロール、掛け値なしのカッコ良さ。
リトル・リチャード(Little Richard)、レイ・チャールズ(RAY CHARLES)、チャック・ベリー(Chuck Berry)に代表されるブラックなロックンロール、リズム&ブルースのストレートな影響が新鮮。
・You Tube上の1曲目「EMOTION POTION」のプロモーション・ビデオ。
http://www.youtube.com/watch?v=sJ7d5Wa87_c
細野晴臣が、「細野晴臣の歌謡曲~20世紀BOX」(2009年4月)のブックレットのインタビューで、最近の日本の若者はホルモンのせいか良い声の人がいなくなったと嘆いていましたが、Ryo"ROY"Watanabe(渡辺 亮)が突然変異的に登場。
第3位は、高野寛(Hiroshi Takano)の約5年9ヶ月ぶりになるオリジナル・アルバム「Rainbow Magic」(2009年10月)。
先行シングル発売時から当ブログでも指摘させていただいておりますが、2曲目「LOV」が素晴らしい。
You Tube上の「LOV」のプロモーション・ビデオ。
http://jp.youtube.com/watch?v=S_xCWSj-kIA
石坂敬一・日本レコード協会会長も最近は「歌は世につれ世は歌につれ」という法則性がなくなったと嘆く「枯渇するメロディー」問題、高野寛(Hiroshi Takano)にはぜひがんばってもらいたいところ。
同系列の作品では、カーネーション(Carnation)「Velvet Velvet」(2009年11月)、くるり(Quruli)「魂のゆくえ」(2009年6月)も素晴らしい出来でしたが、大変残念ながら僅差で選外。
第4位は、電気グルーヴ(DENKI GROOVE)「20」(2009年8月)。
本人達のインタビューによると、20周年というところにつけこんで無責任にふざけることができた「無礼講」のアルバムらしく、いつも以上にナンセンスな悪ふざけが満載。
ところが、これが何とも言えず、ポップで気持ちの良い、怪作にして快作で、音楽雑誌でもみんな引いてしまったのが誰もベスト・アルバムに挙げていないようですが、私は選出。
しかし、ナンセンスな悪ふざけにここまでプロフェッショナルなサウンドを作り上げる電気グルーヴ(DENKI GROOVE)の20年、何が彼らをそこまで駆り立てるのか興味が沸きます(笑)。
同じ「テクノ」では、Perfume(パフューム)「⊿(トライアングル)」(2009年6月)も相変わらず素晴らしかったですが、私は今年は電気グルーヴ(DENKI GROOVE)に軍配を。
第5位は、音楽配信のみではありますが、アン・サリー、コシ・ミハル&細野晴臣(Ann Sally、Miharu Koshi & Haruomi Hosono)「Each Smile(イーチ・スマイル)」(2009年7月)。
この曲に関しては、放送初日より追い続けたことから、「マネー資本主義」「細野」とGoogleで検索すると最初に表示されるというぐらいに当ブログの人気コンテンツ。
当ブログでもご紹介した「サウンドストリート21」(5月24日23:00~24:30@NHKFM)での細野晴臣自身の話によると、NHKの制作者からチャーリー・チャップリン(Charles Chaplin)の名作「モダン・タイムス(Modern Times)」(1936年)のエンド・テーマ曲「スマイル(smile)」を指定されたそうで、細野晴臣も、これは良い選曲で、ひどい状況で笑うしかないという歌詞の「スマイル(smile)」は涙なくして聴けない名曲と絶賛。
アン・サリーの癒しの声、細野晴臣の繊細なアレンジ、そしてチャーリー・チャップリン(Charles Chaplin)の素晴らしいメロディと歌詞が一体となった、今年度の邦楽部門のベスト・トラック。
You Tube上の、「Smile - Goodtime verion」アン・サリー&細野晴臣を用いた、NHKスペシャル「マネー資本主義」の60秒スポットの映像。
http://www.youtube.com/watch?v=c1bg9MVtIrs
歌詞字幕付で、その素晴らしい歌詞が味わえます。
細野晴臣の先を進むシルバー・ミュージックの雄、ランブリング・ジャック・エリオット(Ramblin' Jack Elliott)の傑作最新作、「ア・ストレンジャー・ヒア(A Stranger Here)」のように、大恐慌時代の曲をカヴァーするフル・アルバムを、アン・サリー&細野晴臣で実現してもらいたいところです。
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