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恐るべきYou Tube時代。ミカ・バンドの貴重な映像で加藤和彦を偲ぶ。サディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mika Band)「HOT!MENU」

211103_hotmenu  自分にとっては、ザ・ビートルズ(The Beatles)よりも、実は大きな存在だったのだとその死により気がつかされた加藤和彦。

 1972年6月のシングル「サイクリング・ブギ」でのデビューから1975年11月の解散までわずか3年余りという短い活動期間だったサディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mika Band)。

 今回は、その再結成後を除けばラスト・スタジオ・アルバムである、「HOT!MENU(ホット・メニュー)」(1975年11月)をご紹介しつつ、恐るべきYou Tube上で発見した貴重な映像で加藤和彦を偲ばさせていただきます。

■「HOT!MENU(ホット・メニュー)」

 前作「黒船(Black Ship)」(1974年11月)同様、クリス・トーマス(Chris Thomas)のプロデュース。

 しかし、前作のピンク・フロイド (Pink Floyd)「狂気(The Dark Side Of The Moon)」(1973年)と相通ずるプログレ的トータル・アルバム感は全くなく、ラフにまとめられた印象のアルバム。

 ただし、その後のジャズ・フュージョンというより「クロス・オーバー」ブームを先取りしたファンキーな演奏は当時は結構衝撃的で、個人的には印象深い作品。

■恐るべきYou Tube上で発見した貴重な映像:「HOT!MENU(ホット・メニュー)」関連

 まずは、「HOT!MENU(ホット・メニュー)」関連で、ミカ・バンド解散後のサディスティックス(Sadistics)時代ですが、1曲目「WA-KAH!CHICO」の1976年9月のNOK(ノック)「ニューおもしろ倶楽部」 のTV映像。

 http://www.youtube.com/watch?v=eQxMwFYLId8

 次は、作詞者今野雄二氏が歌う、5曲目「ヘーイ ごきげんはいかが(HI!! JACK)」の同番組の映像。

 http://www.youtube.com/watch?v=cHZkF_VRHQs

■恐るべきYou Tube上で発見した貴重な映像:もっとすごい映像

211103_19571979  シングル「ハイ・ベイビー」(1973年11月)のTV番組と思われるライヴ映像。

 http://www.youtube.com/watch?v=3Mz8enqM5o0

 何がすごいかって、ギターが高中正義ではなく、金子マリ&バックスバニー参加前の永井充男。

 「日本ロック大系1957-1979[上]」(1990年)の市川清師氏による小原礼へのインタビューによると、高中正義は音楽的な誤解・行き違いがあってミカ・バンドを一時脱退、その際に参加したのが永井充男で、シングル「ハイ・ベイビー」(1973年11月)は永井充男で録音したと小原礼は明言。

 ちなみに、高中については、どうしてもそのハデさが必要だったので、「お願いします。ごめんね」みたいな感じで、すぐに復帰してもらったとのこと(笑)。

 次に、「塀までひとっとび(Suki Suki Suki)」の1975年7月のTV番組と思われるライヴ映像。

 http://www.youtube.com/watch?v=CK0MzYAPicg

 この映像がすごいのが、ベースがその後CBSソニー~ソニー・ミュージックエンタテインメント、BMGジャパンで活躍し日本コロンビアの社長も務めたジャック・松村こと故松村克己氏。

 前述の小原礼へのインタビューによると、コマーシャリズムから離れてシリアスに音楽をやりたくなって、村上秀一や大村憲司とのバンブーに専念するためにミカ・バンドを脱退し、その後については青山学院高等部でクラスが同じだった後藤次利(最初はジャズ・ギタリストだったらしい)に頼んでいたはずで、ジャック・松村が加入していたのはよくわからないが後藤次利のスケジュールの都合ではないかとのこと。

 もうひとつ、おまけは、「サイクリング・ブギ」の1981年1月のTBSのTV番組「アップルハウス」での、加藤和彦+竹内マリア+高中正義による映像。

 http://www.youtube.com/watch?v=u_yDJ-0Mpss

 この映像の注目は、バックのムーンライダーズ(Moonriders)の面々、岡田徹(key)、鈴木博文(B)、かしぶち哲郎(D)、白井良明(G)。

 当時のムーンライダーズ(Moonriders)は、「アップルハウス」のハウス・バンド的存在で、「ルムバ・アメリカン」等の加藤和彦の曲のバックを務めた映像もあるはずで、どなたかYou Tube上にアップしていただきたいところです。

 いやぁ、恐るべきYou Tube時代、つのだひろがドラムの「サイクリング・ブギ」なんてすごい映像もそのうち出てくるかもしれませんね。

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