全米50州男の新作は残念ながら「サントラ盤」。スフィアン・スティーヴンス(Sufjan Stevens)「BQE」
アメリカ50州のそれぞれのためにアルバムを作るという壮大なプロジェクト「THE 50 STATES」に挑む、酔狂な男、スフィアン・スティーヴンス (Sufjan Stevens)。
レッド・ホット・コンピレーション(Red Hot Compilation)シリーズ最新作「ダーク・ワズ・ザ・ナイト(Dark Was The Night)」(2009年2月)収録の、自身が主宰するアズマティック・キティ・レコード(Asthmatic Kitty label)所属のカスタネッツ(Castanets)の「ユー・アー・ザ・ブラッド(You Are The Blood)」のカヴァーの素晴らしさも記憶も新しく、その新作が待ちに待たれるところでした。
そんな中、届けられたスフィアン・スティーヴンス(Sufjan Stevens)の新作、「BQE」(2009年10月)は、ブルックリンの由緒あるオペラハウス、BAM(Brooklyn Academy of Music)で毎年開催されている Next Wave Festivalの25周年記念の目玉企画の一つとして2007年11月に上映された、自らの映像作品「The BQE」を再編集した映像作品DVD付の、残念ながら「サントラ盤」。
素晴らしいアート・ワークに長文エッセイ付で、日本盤の発売元Pヴァイン・レコードによれば「THE 50 STATES」の最新章、もしくはスピンオフという売り文句でありますが、やっぱり、スフィアンの歌を聴きたいですよね、歌が。
実は私、「サントラ盤」というのにあまり良い印象がない。
中学生の頃から、なけなしのお金をはたいて好きなアーティストが出した「サントラ盤」を買ってみると、映像を見ないと完結しないような音楽的な抑揚の乏しさを感じたり、インストばっかりだったりして、がっかりすること数知れず。
スフィアン・スティーヴンス(Sufjan Stevens)の新作も、申し訳ございませんが、その「サントラ盤」のがっかり感を乗り越えらない印象。
ただし、スフィアン・スティーヴンス(Sufjan Stevens)自身が手がけた映像作品「The BQE」は、デビッド・リンチ(David Lynch)の映像を彷彿とさせるような、抗しがたい程の美しさ。
「BQE」とは、日本で言えばどうも「首都高」のようなものらしい悪名高いハイウェイ、「ブルックリン-クイーンズ間高速道路(Brooklyn-Queens Expressway)」のことらしい。
You Tube上の、「The BQE」のオープニング部分。
http://www.youtube.com/watch?v=z6sRXCLVyoc
日本盤では当然日本語訳付のスフィアンの長文エッセイでは、輪の回転は人類の偉大な発明であるとともに、宇宙全体レベルでは、銀河系、太陽系、惑星等の宇宙全体の基本シンボル出ると指摘し、自動車の車輪は時間と空間の中で前方運動を推進し進歩への道筋を示すが、フラフープは一切の進歩をもららすことはできないが体への反復的な愛撫により静かな瞑想を継続できるとし、両者を対照的なものとして哲学的に考察(笑)。
能書きはともかくとして、「The BQE」のフラフープ映像、思わす吸い込まれるような美しさ。
もうひとつ、You Tube上の、「The BQE」のフラフープ映像。
http://www.youtube.com/watch?v=oRHi6I6vhss
どこまで、本気なのかどうも怪しい気もしてきた「THE 50 STATES」、次作こそ、お願いしますよ、スフィアンさん。
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