中学生の私を興奮させた、血湧き肉躍るロンドン武勇伝。サディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mika Band)「ミカ・バンド・ライヴ・イン・ロンドン(Mika Band Live in London)」
当時の日本の音楽界の状況からすると、日本のロック・バンドの海外進出は、ものすごいビック・ニュース。
プロ野球に例えると、1971年のフラワー・トラベリン・バンド(Joe With Flower Travellin' Band)が野茂茂雄とするならば、1975年のアルバム「Black Ship(黒船)」のアメリカキャピトル ハーベスト・レーベルからの発売とロキシー・ミュージック(Roxy Music)の全英ツアーのオープニング・アクトは、イチローに例えてもおかしくないぐらいの偉業。
当時の日本のロック・バンドは全体としてドラムが弱かったのですが、高橋幸宏のサディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mika Band)は、岡井大二の四人囃子と並んで、洋楽に全くひけをとらないグルーヴ感。
それに、加藤和彦の流行の最先端を突っ走る図抜けたセンス、もっと評価されても良いと個人的に思っている艶のある高中正義のギター、後藤次利のニール・ジェイソン(Neil Jason)とも相通ずる「熱い鉄板の上を跳びはねているような」ベースが加わる音世界は鬼に金棒、当時痺れました。
残念ながら、サディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mika Band)「ミカ・バンド・ライヴ・イン・ロンドン(Mika Band Live in London)」(1976年)、最初からレコード化が企画されておらず、ロキシー・ミュージック(Roxy Music)のミキサーのクリス・ミチイが録音したカセット・テープに基づくブートレグ(Bootleg)並みの音質。
でも、高橋幸宏のドラムと後藤次利のベースの最高のリズム・セクション、高中正義のフレージング・センス抜群のギターが織り成す演奏は、実にファンキーで熱い。
中でも、名組曲「黒船」の「喜永六年六月三日」の小原礼のものとは違う後藤次利バージョンのチョッパー・ベース(スラップ・ベース)は、今聴いても鳥肌もののカッコ良さ。
サディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mika Band)「黒船」は、四人囃子「一触即発」、カルメン・マキ&OZ「私は風」と並ぶ三大「コピー曲」で、高校の学園祭に行くと必ず教室からそのどれかが鳴り響いていたものです。
You Tube上の、ベースが後藤次利ではなく小原礼在籍時のものですが、ミカ・バンドのライヴの熱さがよくわかる「塀までひとっとび」の1974年8月郡山ワンステップ・フェスティヴァルでの貴重な映像。
http://www.youtube.com/watch?v=vwfxongUQfk
また、何かと批判を浴びせる方も多いようですが、私は大好きな「コンちゃん」こと今野雄二氏の愛情溢れる熱い熱いライナー・ノーツ、当時は夢中になって読んだものですが、今読んでも興奮がよみがえる素晴らしいもの。
大変残念な加藤和彦の死ではありますが、これを機会にサディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mika Band)の紙ジャケ再発、期待させていただきたいと思います。
もちろん、今野雄二氏の書き下ろしライナー・ノーツ付で。
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