グローバル化時代、IT化時代のユニークな消費税専門書。上杉秀文(著)「国際取引の消費税QA―輸出・輸入・内外判定」
わかりにくい税金の中でも、特にわかりにくく、我々プロの政務会計専門家もついうっかり手痛い火傷をしてしまうことが多いのが実は消費税。
所得を対象として課税する所得税・法人税・事業税、財産に対して課税する相続税・贈与税・固定資産税に対して、資産の譲渡・貸付・役務の提供という取引について課税されること、
納税義務者が事業者であるにもかかわらず実質上の負担者が最終消費者となる付加価値税であること、
政策的目的から非課税・免税という措置があること
などがその理由として挙げられます。
中でも難しいのが、グローバル化時代、IT化時代を反映して、増加傾向にある国際取引の消費税で、それに焦点を絞った今までありそうでなかった消費税専門書が、税務研究会の月刊誌「国際税務」での記事をまとめたQ&A、上杉秀文(著)「国際取引の消費税QA―輸出・輸入・内外判定」(2009年4月)です。
■海外から購入する図書等の課税と仕入税額控除
例えば、実務上多く行われているものの、消費税の取り扱いがよくわかっていない「海外から購入する図書等の課税と仕入税額控除」についても詳しく明快に解説。
【外国図書を国際郵便で輸入する場合】
輸入に該当するが、20万円以下の場合は、輸入申告等の規定は適用されず、税関長から郵便物の名宛人に対し課税標準及び税額が文書により通知され税額を納付してから引取り、通知文書を基に仕入税額控除。
ただし、課税価格が1万円以下の場合は、関税とともに消費税も免税となるため、多くの場合が免税に該当することとなるでしょうが、その場合は仕入税額控除不可。
【外国図書を国際貨物便で輸入する場合】
【国内の輸入代行会社に購入を委託する場合】
【社員が帰国に際し携行する場合】
以上の各場合は、ぜひ、上杉秀文(著)「国際取引の消費税QA―輸出・輸入・内外判定」(2009年4月)でご確認を。
グローバル化時代、IT化時代の消費税、我々、税務専門家の出番がますます増えそうです。
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