デビュー20周年記念の怪作にして快作。電気グルーヴ(DENKI GROOVE)「20」
1989年に結成された、石野卓球とピエール瀧のテクノ・ユニット、電気グルーヴ(DENKI GROOVE)のデビュー20周年記念盤が発売。
フジテレビ「ウゴウゴルーガ」(1992年)や「Nothing's Gonna Change」のPV等の電気グルーヴ(DENKI GROOVE)作品のCGでも知られる、株式会社フレイムグラフィックスの田中秀幸氏の手がけたシンプルなデザインのジャケットが素晴らしい、「20」(2009年8月)。
このiLOUDのインタビューによると、20周年というところにつけこんで無責任にふざけることができた「無礼講」のアルバムらしい本作、いつも以上にナンセンスな悪ふざけが満載。
ところが、これが何とも言えず、ポップで気持ちの良い、怪作にして快作です。
昨年は、活動再開後、「J-POP」(2008年4月)と「YELLOW」(2008年10月)という2枚のオリジナル・アルバムを立て続けに発表。
ですが、私は両作品ともどうもピンと来ず、一番気に入っていたのは、「J-POP」収録のものとはバージョンが違う、フジテレビアニメ「墓場鬼太郎」(2008年)のオープニング・テーマのシングル「モノノケダンス」(2008年2月)。
「20」のボーナス・トラックにも「TV size」バージョンが収録されていますが、絶妙なイントロのついたシングルとして発売されたバージョンが、他のバージョンと比べると全く違う曲に聴こえてしまうといっても良いほど、ダントツの出来ですのでぜひお試しを。
You Tube上の、シングル版「モノノケダンス」が使われた、プロモーション・ビデオ。
http://www.youtube.com/watch?v=CyCd7srDwqc
今、聴き直してみても、キックのぶっ太さ、絶妙なタイミングなハンド・クラップ、考え抜かれたキーボードのオブリガード、ぴったりとはまった石野卓球のヴォーカル、余韻が絶妙な歌詞と完璧な仕上がりです。
嬉しいことに、「20」(2009年8月)は、「モノノケダンス」と相通ずる、日本的怪奇漫画趣味+歌ものテクノ・ポップ、充実のアルバム。
石野卓球によると、前作まではベースラインとリズム主体のダンス・ミュージックがほとんどでしたが、今回の収録曲は、普通の曲のように、コードやメロディーからつくっていったものが多いかららしく、本人達も「20」の出来には相当自信を持っているらしい。
You Tube上の、1曲目「電気グルーヴ20周年のうた」のプロモーション・ビデオ。
http://www.youtube.com/watch?v=-TVvwFARWbk
つのだじろう風画風の漫画が昭和の時代の小中学生だった我々おじさんを笑わせてくれた「モノノケダンス」のプロモーション・ビデオと同様、特殊漫画家、天久聖一(Hisakazu Amano)の手によるもの。
ビデオで使われている、デジタルコミック、作:アルミ伯爵「前髪タラちゃん」は大笑いの大傑作。
天久聖一が「天才」と言われる理由が、今頃で恐縮ですがよくわかりました。
電気グルーヴ(DENKI GROOVE)&天久聖一(Hisakazu Amano)、私の大好きな、アメリカのティム・バートン(Tim Burton)&ダニー・エルフマン(Danny Elfman)と同様、おどろおどろしい中にピカッと光るユーモアがいいですね。
You Tube上の、8曲目「ピエール瀧の体操 42歳」のプロモーション・ビデオ。
http://www.youtube.com/watch?v=PV8bsYWQkpo
付録のDVDの、ナンセンスな悪ふざけも、さすが20周年と言うべきか、実にプロフェッショナルな仕上がりで、飽きさせられずに一気に楽しめます。
勇気を持ってカミング・アウトしますが、電気グルーヴ(DENKI GROOVE)「20」、好きです。
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