ケンさん(横山剣)の含蓄のある歌詞が面白い。クレイジーケンバンド(Crazy Ken Band)「ガール!ガール!ガール!(Girl! Girl! Girl!)」
クレイジーケンバンド(Crazy Ken Band)が、結成以来12年間所属したPヴァイン・レコードを離れ、ユニヴァーサル・ミュージックに移籍。
既に「グランツーリズモ」(2002年)からメジャー流通(ビクター、その後エイベックスに変更)ではありましたが、どうもプロモーションに不満があったらしく、正真正銘のメジャー・デビュー・アルバム、「ガール!ガール!ガール!(Girl! Girl! Girl!)」(2009年8月)を満を持して発売。
今回は、ジャケットのアート・ディレクションにも、おなじみのテリー・ジョンソン(Terry Johnson)こと湯村輝彦氏ではなく、打越俊明氏を起用し正に心機一転。
といっても、サウンド面ではおなじみの完成度の高いクレイジーケンバンド(Crazy Ken Band)節が全開、私はケンさん(横山剣)の含蓄のある歌詞の面白さに惹かれました。
You Tube上の先行シングル、「ガール・フレンド(Girl Friend)」のプロモーション・ビデオ。
http://www.youtube.com/watch?v=qcm8Npv40hM
今や、私にとっては、くるりと並び、日本で一番と言っても良い、完成度の高いサウンドは今回も見事。
しかし、前作「ZERO」(2008年8月)で見られた、「デトロイト音頭(Detroit Ondo)」、「人間摩天楼(Fight The Power)」、「宇宙興業(Planet Of The Gangstar)」といった弾けたナンバーがなく、サウンドは地味な印象。
ところが、「ミュージック・マガジン(MUSIC MAGAZINE)2009年9月号」の久保太郎氏によるインタビューでもケンさん自身も歌詞について詳しく語っていますが、まるで、苦労人の中小企業のオーナー社長の話でも聞くような、含蓄のある歌詞が面白い。
確か「兼高かおる世界の旅」のオープニングにも使われていた、ヴィクター・ヤング(Victor Young)作曲、「80日間世界一周(Around the World in 80 Days)」のテーマ曲「Around the World」を彷彿とさせ、これはサウンドも最高にイカしている1曲目「VIVA女性」の、女性賛歌ともいうべきシンプルな歌詞。
ケンさんの音楽信条がストレートに歌わわれ、ジャズからパンソリ、民謡まで17種類もの音楽ジャンルが出てくる、9曲目「SOUL通信(Soul To Soul)」。
自分の足元をちゃんと見ろという意味が込められているらしい、10曲目「僕らの未来は遠い過去」。
そして、アルバム最後を飾る、ケンさん自ら、「まっぴらロック」(2002年)、「木彫りの龍」(2004年)に続く、「命をかけて作るシリーズ」の3曲目と語る、21曲目「俺の夢(Megalomaniac)」。
ホームレスのような人が幸せそうに語るありえない夢をテーマにし、お年寄りを大事にしろという夢も合わせて歌い込んだという含蓄のある歌詞。
糸井重里作詞のムーンライダーズ(Moonreiders)の名曲「ニットキャップマン」を思い起こしました(曲は全然似ていませんが)。
You Tube上のムーンライダーズ(Moonreiders)「ニットキャップマン」の映画監督岩井俊二によるプロモーション・ビデオ。
http://www.youtube.com/watch?v=XYoH90gUwWU
レコード会社を移籍しようが、毎年アルバム1枚のペースを守り、この曲数、この完成度、「日本ロック界一の仕事馬鹿」(誉め言葉です)、ケンさんに心より敬意を表します。
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コメント
サウンドとヴィジュアル、今までと比べたらやっぱり地味な印象ですよね。それでも近作では個人的にツボな曲がもっとも多いです。
歌詞は確実にレンジを広げてますよね。CKBの世界、これからゆるやかにシフトチェンジしていくんでしょうか。
投稿: MYB | 2009年8月20日 (木) 03時10分
MYBさん、コメントありがとうございます。
Amazonのカスタマー・レビューを見ても、熱心なファンの方からの評価は高いようですね。
歌詞が印象に残るということは、私にとってはサウンド的なインパクトがやや弱いということでしょうか。
しかし、21曲中、小野瀬雅生作曲のインストと1曲の作詞を除き、今回もほとんど全曲の作詞・作曲を手がけるケンさん、「東洋一の作曲マシーン」と呼びたくなります。
投稿: Accounting&Music | | 2009年8月20日 (木) 06時21分