平成21年(2009年)税制改正でこうなるNo.26。上場株式等の譲渡所得課税の改正(個人)
■時系列で見る上場株式等の譲渡所得等の税率の推移(エンジェル税制を除く)
【平成19年1月1日~12月31日】
軽減税率10%(所得税7%、住民税3%)の申告分離課税。
平成13年11月30日から平成14年12月31日までに証券会社を通して取得した上場株式等を、平成19年12月31日までに売却した場合は、その売却した上場株式等の購入代価の額が1,000万円までのものの売却益は非課税とする特例有。
【平成20年1月1日~12月31日】
軽減税率10%(所得税7%、住民税3%)の申告分離課税。
一定の購入代価の額が1,000万円までのものの売却益は非課税とする特例は無。
【平成21年1月1日~平成22年12月31日(平成20年税制改正による予定)】
譲渡所得500万円以下の部分は軽減税率10%(所得税7%、住民税3%)
譲渡所得500万円超の部分は税率20%(所得税15%、住民税5%)
の申告分離課税。
【平成23年1月1日~(平成20年税制改正による予定)】
税率20%(所得税15%、住民税5%)の申告分離課税。
■平成21年(2009年)税制改正による上場株式等の譲渡所得課税の改正(個人)の概要
厳しい金融情勢を考慮し金融市場を活性化する観点から、平成20年税制改正で廃止された軽減税率10%(所得税7%、住民税3%)の申告分離課税の適用期間を、平成21年1月1日~平成23年12月31日まで、実質的に3年間延長することとなりました。
■源泉徴収口座における源泉徴収税率の特例の廃止
上記の改正に伴い、平成20年税制改正で設けられた、平成21年1月1日~平成22年12月31日の間の源泉徴収口座における源泉徴収税率(特別徴収税率)は、10%(所得税7%、住民税3%)の特例措置の適用期限が平成23年12月31日まで延長されました。
また、源泉徴収口座の上場株式等に係る譲渡所得等の金額と源泉徴収口座以外の上場株式等に係る譲渡所得等の金額の合計額が500万円を超える者については、その超える年分について、源泉徴収口座の譲渡所得等に係る申告不要の特例は適用されないという、平成20年税制改正で同時に設けられた措置は廃止されました。
■上記から感じること
何回か当ブログでも指摘させていただいておりますが、現行の金融商品の課税制度は、私どもプロの目から見ても大変複雑で、確定申告の時期には大変神経を使うところでもあります。
リーマン・ショック後の世界金融危機の影響により軽減税率が据え置かれることは景気回復のため止むを得ないでしょうが、金融商品の課税制度の複雑さ自体が預金から投資への流れを阻害していた面は否定できず、金融所得の一体課税への流れは止めることなく推進していただきたいところです。
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