アメリカの本物の田舎者による活力に満ちた音楽。リヴォン・ヘルム(レボン・ヘルム、Levon Helmm)「Electric Dirt(エレクトリック・ダート)」
1996年に喉頭ガンが発覚し、その治療費のため金銭的にも苦しんでいると伝えられたリヴォン・ヘルム(レボン・ヘルム、Levon Helmm)でしたが、当ブログ゙でも以前にご紹介した復帰作、「DIRT FARMER(ダート・ファーマー)」(2007年10月)が、見事に2008年のグラミー賞(Grammy Award)のベスト・トラディショナル・フォーク・アルバム(Best Traditional Folk Album)を受賞。
そして、快調に、復帰第2作「Electric Dirt(エレクトリック・ダート)」(2009年6月)が登場。
ボブ・ディラン(Bob Dylan)の最近の大人気に影響を受けたのかわかりませんが、何と、米ビルボード誌(Billboard)の初登場全米36位で、どうも自身最高のヒット作になるのは間違いなさそうで、リヴォン・ヘルム(レボン・ヘルム、Levon Helmm)のその元気さには驚くばかりです。
自分の原点に立ち返り、フィドルやマンドリンなどをバックにアメリカ南部のトラディショナル・ソングを中心に歌い上げた前作、「DIRT FARMER(ダート・ファーマー)」(2007年10月)は、そのセピア色のジャケットの印象どおり、郷愁に満ちた正に激渋の一作。
Youtube上の2曲目「Poor Old Dirt Farmer」のプロモーション・ビデオ。
http://www.youtube.com/watch?v=cBuJB218UvU
農作業に密着した、アメリカン・カントリー・ミュージックの原点を感じさせるビデオです。
「Electric Dirt(エレクトリック・ダート)」(2009年6月)は、農場内の小屋でエレキ・ギターを楽しそうに奏でる老農夫という、リヴォン・ヘルム(レボン・ヘルム、Levon Helmm)の発案らしいこれまたすばらしいジャケット・デザインが内容を象徴。
同じくラリー・キャンベル(Larry Campbell)のプロデュースで前作を踏襲しつつもよりバンド的演奏で、グレイトフル・デッド(Grateful Dead)、ランディ・ニューマン(Randy Newman)、マディー・ウォーターズ(Muddy Waters)等のカヴァーを歌い上げた、楽しい雰囲気のアルバム。
前作同様、Justin Guipのミキシングによるウッド・ストックのリヴォン・ヘルム・スタジオ(Levon Helmm Studios)での録音も見事な音質。
Youtube上の、グレイトフル・デッド(Grateful Dead)のカヴァーである1曲目「Tennessee Jed(テネシー・ジェド)」の2009年7月9日のテレビ番組「the Dave Letterman show」でのライヴ映像。
http://www.youtube.com/watch?v=fZaU3VtMfoM
楽しくも実に素晴らしい演奏。
ところで、「Electric Dirt(エレクトリック・ダート)」収録の唯一のリヴォン・ヘルムのラリー・キャンベル(Larry Campbell)との共作によるオリジナル、3曲目「Growing Trade」が、「オールド・ディキシー・ダウン(The Night They Drove Old Dixie Down)」や「ザ・ウェイト(The Weight)」等のザ・バンド(The Band)の曲を彷彿とさせる実に良い曲。
リヴォン・ヘルム (Levon Helm)(著)、ステファン・デイヴィス(Stephen Davis)(補筆)、菅野彰子(翻訳)「ザ・バンド 軌跡(Levon Helm And The Story Of The Band)」(1993年、日本語訳1994年)で、リヴォンは、ザ・バンド(The Band)の曲はほとんどがメンバーの共作なのに、ロビー・ロバートソン(Robbie Robertson)の単独作になってしまっていることに異議を唱えていますが、その指摘がうなづける出来です。
先日ご紹介した、中村まり(Mari Nakamura)「Beneath The Buttermilk Sky」(2009年6月)もそうでしたが、フォーク、カントリー・ブルース等のアメリカン・ルーツ・ミュージック志向の音楽があふれる今日この頃。
しかし、「Electric Dirt(エレクトリック・ダート)」、アメリカの本物の田舎者による活力に満ちたこの音、ちょっとやそっとじゃ太刀打ちできない本物の迫力があります。
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