私の履歴書、加山雄三、小西康陽。加山雄三(KAYAMA YUZO)「君のために(KIMINO TAMENI)」
前回も触れさせていただきましたが、日本経済新聞の7月の「私の履歴書」、加山雄三が面白く、今まで食わず嫌いだった加山雄三に遅ればせながらチャレンジ。
前回ご紹介した「恋は紅いバラ~加山雄三アルバム(Exciting Sound Of Yuzo Kayama And The Launchers)」(1966年2月)と同様に、私が気に入ったのが、加山雄三(KAYAMA YUZO)「君のために(KIMINO TAMENI)」(1968年9月)。
「マーシャル・マクルーハン広告代理店。ディスクガイド200枚。小西康陽。」(2009年6月)で、「ニッポンの洋楽」として紹介されていたので、購入してみましたが、いつもレコードのことばかり考えている男、小西康陽をも魅了するいぶし銀の1枚です。
まず、サーフィンを終えて海から上がってくるその筋骨隆々な体をとらえたジャケットが、実にカッコ良い。
トリビュート・アルバム「60 CANDLES A TRIBUTE TO KAYAMA YUZO」(1997年)で、「白い浜(ON THIS BEACH)」をカヴァーした高橋幸宏(YUKIHIRO TAKAHASHI)が、さわやかな青年のイメージが先行しているが「ナイーヴでストイックな男」を感じていたと語っていますが、そんな加山雄三の一面を感じさせてくれます。
映画「リオの若大将」(1968年)のサントラ盤とのふれこみですが、その内容は、ボサノヴァ調の作品を中心とした、実に完成度の高い洗練されたソフト・ロック。
「恋は紅いバラ~加山雄三アルバム(Exciting Sound Of Yuzo Kayama And The Launchers)」(1966年2月)もそうでしたが、洋楽志向の音楽性とアルバム全体の完成度が高く、演歌調の作品がないのもポイントが高い。
しかし、ザ・ランチャーズ(The Launchers)の参加は、英語詩のサイケデリック・ロックの2曲目「シェリー(Sherrie)」だけで、両者の音楽性はかなり異なります。
You Tube上の「リオの若大将 / 当時の予告編」と称した動画で、5曲目「ロンリー・ナイト・カミング(Lonely Night Coming)」、3曲目「ある日渚に」がフューチャーされています。
http://www.youtube.com/watch?v=ly-mftamonk
「ある日渚に」は、私が聴いた加山雄三の曲の中では、一番好きな曲です。
その他に、洋楽志向の音楽性とアルバム全体の完成度の高さを感じさせてくれるのが、「加山雄三のすべて 第三集」 (1967年12月)。
サイケデリック、ガレージ、はたまたモノクローム・セット(Monochrome Set)を彷彿とさせる無国籍サウンドと聴き応え十分なのでありますが、いかんせん演歌調2曲に水を差されてしまいます。
もっとも、「私の履歴書」によると、加山雄三自身は、エルビスも好きだが演歌も大好きで、愛船「光進丸」のスピーカーから流すのも、カラオケで歌うのも演歌ばかりだそうで、「やらされていた」と思うのはファンばかりのようですが。
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