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平成21年(2009年)税制改正でこうなるNo.18。非上場株式等に関する贈与税の納税猶予制度の創設(個人)

 前回に引き続き、平成21年(2009年)税制改正によりどこがどう変わったのか概要を確認して行く「平成21年(2009年)税制改正でこうなる」シリーズの第18回。

 前回は、当ブログでも昨年ご紹介した与党=自民党の平成20年度税制改正大綱の目玉として示されていた中小企業事業承継税制の拡充について、平成21年(2009年)税制改正により詳細が決定された、非上場株式等に関する相続税の納税猶予制度の創設(個人)について、ご説明いたしました。

 今回は、それに合わせて、設けられた、非上場株式等に関する贈与税の納税猶予制度の創設(個人)についてです。

■非上場株式等に関する贈与税の納税猶予制度の創設(個人)の概要

・概要

 中小企業者の代表者であった者の後継者として

 経済産業大臣の確認を受けた者が、

 その代表者であった者から

 その保有株式等の全部(「猶予対象株式等」)

 を一括して贈与により取得した場合には、

 贈与前から既にその後継者が保有していたものを含めて、

 発行済議決権株式等の総数等の2/3に達するまでの部分を上限に

 猶予対象株式等の贈与に係る贈与税の全額の

 納税を猶予するという制度です。

・対象会社

 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(以下「経営承継円滑法」)第2条及び同法施行令で定義される「中小企業者」(中小企業基本法上の中小企業より、やや拡大された概念)。

 業種                         :従業員規模・資本金規模
 製造業・その他の業種 :300人以下又は3億円以下 (注1)
 卸売業           :100人以下又は1億円以下
 小売業                      :50人以下又は5,000万円以下
 サービス業                 :100人以下又は5,000万円以下(注2)

(注1)ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く。)については、900人以下又は3億円以下。

(注2)ソフトウェア業又は情報処理サービス業については、300人以下又は3億円以下。旅館業については、200人以下又は5,000万円以下。

 その他、会社法上の会社であること、非上場会社であること、性風俗営業会社でないこと、資産保有型会社・資産運用型会社に該当しないこと等の一定の要件をすべて満たすことも必要。

・贈与者

 受贈者の親族であること

 会社の代表者であったこと

 その贈与の時に経済産業大臣の事前確認を受けた「特定代表者」であること

 その贈与の直前に50%超株主グループの筆頭株主であったこと

 その贈与の時以後にその会社の役員でないこと

 のすべての要件を満たしていることが必要。

・受贈者(経営承継受贈者)

 その贈与の時に代表権を有していること

 その贈与の時に50%超株主グループの筆頭株主であること

 その贈与の時に贈与人の親族であったこと

 その贈与の時に20歳以上の者であること

 その贈与の時に経済産業大臣の事前確認を受けた「特定後継者」であったこと

 その贈与の日まで引き続き3年以上にわたって、その会社の役員であること

 その贈与の日から贈与税の申告期限まで、贈与を受けた非上場株式等の全部を持ち続けていること。

 のすべての要件を満たしていることが必要。

・5年間の事業継続等の要件

 その経営承継受贈者が、贈与税の法定申告期限から5年の間に、代表者でなくなる、雇用の8割以上が維持できない、相続株式を継続保有していない等により、「中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律」に基づき経済産業大臣の認定が取り消された場合等には、猶予税額の全額を納付

・上記期間経過後の納税猶予の対象となった株式等を譲渡等

 その時点で、納税猶予の対象となった株式の総数等に対する譲渡株式の総数等の割合に応じた猶予税額を納付

・猶予税額の全額又は一部を納付する場合の利子税

 その納付税額について贈与税の法定申告期限からの利子税も併せて納付

・猶予税額の免除

 その贈与者の死亡の時以前に経営承継受贈者が死亡した場合

 その贈与者が死亡した場合

・申請による納税額の免除

 5年間の経営贈与承継期間が終了した後、以下のことが生じた場合は、申請により一部または全部が免除

 経営承継受贈者がその会社の株式等の全部を同族関係者以外に一括譲渡した場合

 会社について破産手続開始決定または特別清算開始の命令があった

 等の一定の場合

・担保提供の必要

 納税猶予分の贈与税額に相当する担保を提供することが必要

 特例受贈非上場株式等のすべてを担保提供した場合は、その価額が納税猶予分の相続税額に満たないときでも相当するものとみなす

・相続時精算課税との併用

 納税猶予を受ける自社株式については

 相続時精算課税との併用できませんが

 上限を超える部分について

 相続時精算課税との併用が可能

■適用時期

 平成21年4月1日以後に贈与により取得される非上場株式等に関する贈与税に適用。

■非上場株式等に関する贈与税の納税猶予制度の創設から感じること

 相続税の納税猶予との違いは、贈与税の場合は一括でなければ適用がないので注意が必要です。

 中小企業にとっては、従来もそうでしたが、この改正により、なおさら、後継者育成、そして後継者への株式の集中が重要になって行くかと思われます。

 相続税対策のために、株式を親族に分散している例をよく見かけますが、この改正を機会に見直すことも必要かと思われます。

 また、要件が多岐にわたること、経済産業省への確認手続等が必要であること、長期にわたって影響があること、影響金額が多額になる可能性があること等、複雑でリスクを伴う税制と言わざるを得ず、我々専門家も十分な注意を払ってお手伝いをさせていただく必要があり、身が引き締まる思いがいたします。

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