今なら選べる紙ジャケ・リマスター再発盤で楽しむ「音楽の渦巻」。トッド・ラングレン(Todd Rundgren)「魔法使いは真実のスター(A Wizard, A True Star)」
CD不況、特に洋楽不況の恩恵か、はたまた20世紀に誕生した録音パッケージの終焉を告げる最後の灯か、手を替え品を替えすごい勢いで発売される、紙ジャケ・リマスター再発盤。
2009年3月、トッド・ラングレン(Todd Rundgren)の黄金期、ベアズヴィル(Bearsville)・レーベルの11作品が、SHM-CD仕様の紙ジャケットで再発。
2006年にK2HD仕様で紙ジャケ再発された、トッド・ラングレン(Todd Rundgren)のこの時期の作品群は、初めてCD化された頃と比べると音もよく、そして当時のジャケットを見事に再現した紙ジャケも素晴らしく、実に満足度が高いもの。
中でも、「魔法使いは真実のスター(A Wizard, A True Star)」(1973年)は、アナログ盤、1980年代に発売された初CD化盤の音があまり良くなかったので、まるで別の作品のように感じ、その魅力が初めてわかりました。
今なら選べる紙ジャケ・リマスター再発盤で楽しむ「音楽の渦巻」、これを機会に皆様もいかがでしょうか。
本盤の荒田光一氏の解説によると、トッド・ラングレン(Todd Rundgren)は、「サムシング / エニシング?(ハロー・イッツ・ミー)(Something/Anything?)」(1972年)というヒット・アルバムを発表後、アルバムはどんなものであるものべきかをもう一度考えてみようと思い、ある種の意識の奔流、音楽の中の渦巻の中にいるという感じを出そうとしたとのこと。
正に、その言葉のとおり、本盤、「魔法使いは真実のスター(A Wizard, A True Star)」(1973年)は、「音楽の渦巻」という印象。
全体的に、アーサー・ウッド(Arthur Wood)の奇妙なイラストに象徴される、コラージュ感覚あふれる実験的サウンドが満載。
ところが、ディズニー映画「ピーターパン(Peter Pan)」の名曲「ネヴァー・ネヴァー・ランド(Nevere Never Land)」(1953年)が出てくるかと思うと、途中にはスウィート・ソウル・メドレー、カーティス・メイフィールド(Curtis Mayfield)のいたインプレッションズ(Impressions)「アイム・ソー・プラウド(I'm So Proud)」(1964年)~スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ(Smokey Robinson & the Miracles)「ウー・ベイビー・ベイビー(Ooo Baby Baby)」(1965年)~フィラデルフィア・ソウルの名作、デルフォニックス(The Delfonics)「ラ・ラは愛の言葉(La-La (Means I Love You))」(1968年)~キャピトルズ(The Capitols)「クール・ジャーク(Cool Jerk)」(1966年)も飛び出し、最後は、トッド作品でも人気上位を争うライヴでもおなじみの名曲「たったひとつの勝利(Just One Victory)」で締めくくられるという、要所を締める美メロのたまらない気持ちよさ。
Youtube上で、発見した「世界的意識(International Feel)」~「ネヴァー・ネヴァー・ランド(Nevere Never Land)」の最初の本盤快感ポイントの貴重なライヴ映像(画像は悪いですが)。
http://www.youtube.com/watch?v=cEVsKvsMuko
Youtube上の、後年ではありますが、ライヴ・ビデオでおなじみ、トッドのバンド、ユートピア(Utopia)版「たったひとつの勝利(Just One Victory)」。
http://www.youtube.com/watch?v=a9HqogbzHyg
感動的です。
ところで、「魔法使いは真実のスター(A Wizard, A True Star)」、今ならamazonで、SHM-CD仕様2,800円、通常K2HD仕様2,195円、歌詞カード・解説無の廉価版K2HD仕様1,500円、紙ジャケ・リマスター盤がご予算に応じてよりどりみどり。
ただし、私のオーディオ環境では、残念ながらK2HD仕様とSHM-CD仕様の差は微妙ですが。
ギザギザ・カットの特殊仕様紙ジャケも満足度も高く、これを機会に皆様もいかがでしょうか。
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