ディラン(Dylan)も細野晴臣もびっくりの、カッコ良すぎる「シルバー・ミュージック」。ランブリング・ジャック・エリオット(Ramblin' Jack Elliott)「ア・ストレンジャー・ヒア(A Stranger Here)」
最近気になるのが、ボブ・ディラン(Bob Dylan)68歳、細野晴臣61歳といった、シルバー・エイジのミュージシャンの、年を重ねたならではの音楽のカッコ良さ。
でもすごいアルバムを聴いていしまいました。
「ア・ストレンジャー・ヒア(A Stranger Here)」(2009年4月)、ランブリング・ジャック・エリオット(Ramblin' Jack Elliott)77歳。
100年に一度と称される世界金融危機の下、大恐慌時代のブルースを、ボブ・ディラン(Bob Dylan)もその息子と紹介されていたらしい伝説のフォーク・シンガーが歌い上げ、最高の録音技術により絶妙なバンド・サウンドに乗せて届けられる至福の音。
ジャケットも最高、カッコ良すぎる、「シルバー・ミュージック」です。
このアルバムを知ったきっかけは、高橋健太郎氏が、「MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2009年 07月号」で、ランブリング・ジャック・エリオット(Ramblin' Jack Elliott)「ア・ストレンジャー・ヒア(A Stranger Here)」(2009年4月)とアラン・トゥーサン (Allen Toussaint)「ザ・ブライト・ミシシッピ(The Bright Mississippi)」(2009年4月)での、プロデューサー、ジョー・ヘンリー(Joe Henry)のその大きなヴィジョンの仕事ぶりを絶賛。
そこで、さっそくその2作品を聴いてみましたが、特に「ア・ストレンジャー・ヒア(A Stranger Here)」の素晴らしさには驚きました。
先日、純度の高いシンプルなサウンドが実に今の気分と称賛させてただいた、ボブ・ディラン(Bob Dylan)「トゥゲザー・スルー・ライフ(Together Through Life )」をも上回るカッコ良さ。
ブラインド・レモン・ジェファーソン(Blind Lemon Jefferson)、ミシシッピ・ジョン・ハート(Mississippi John Hur)等の、素晴らしい歌詞の大恐慌時代のブルースに、ディランの新作でも素晴らしかったロス・ロボス(Los Lobos)のデイヴィッド・イダルゴ(David Hidalgo)のアコーディオン、ヴァン・ダイク・パークス(Van Dyke Parks)のピアノとヴィブラフォンなど味わい深いバンド・サウンドがサポート。
ランブリング・ジャック・エリオット(Ramblin' Jack Elliott)の歌も、弾き語り作品よりも生き生きと感じられます。
1918年生まれ、1978年没のアメリカの写真家、ウィリアム・ユージン・スミス(William Eugene Smith)の「Stranger In Town」(1942年)という作品が使われていますが、どしゃぶりの雨、ずぶぬれのレイン・コートと古ぼけたバッグが凄い迫力。
「ウィキペディア(Wikipedia)」によれば、ウィリアム・ユージン・スミス(William Eugene Smith)は、小麦商を営んでいた親が、大恐慌で破産し散弾銃で自殺、この影響で人の命や医療、ケアに強い関心を持ち続け、1970年には、日本人と結婚し、水俣病の汚染の実態を写真に撮り、実際に座り込みなどにも参加するなど、世界にその悲劇を伝えたらしい。
彼の写真の特徴は、「真っ暗闇のような黒とまっさらな白」のメリハリらしく、「Stranger In Town」にもその特徴が表れています。
ジャケット写真の選択にも、ジョー・ヘンリー(Joe Henry)が関与したのではないかとも思われ、確かにその仕事ぶりには称賛を贈りたくなります。
若い人の音楽も、年をとった人の音楽も、昔の音楽も、今の音楽も、素晴らしい音で聴き比べることができる音楽アーカイヴ時代、「ア・ストレンジャー・ヒア(A Stranger Here)」のような、素晴らしい音楽との出合いにこれからも期待したいと思います。
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