最強の美。ビョーク(Björk)「ヴォルタイック(Voltaïc)」
M/M(paris)は、ミカエル・アムザラグ(Michael Amzalag)とマティアス・オーギュスティニアック(Mathias Augustyniak)が1992年に結成したグラフィックデザイナー・アートディレクターのデュオ。
ビョーク(Björk)の素晴らしいファン・サイト「KTJ+BJORK」によると、ビョーク(Björk)がYohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)のカタログを見て、ビデオを作って欲しいと言ってきたのが両者のコラボレーションの始まりとのこと。
おそらくビョーク(Björk)との最初の仕事は、プロモーション・ビデオ集「ボリューメン(Volumen)」(1999年)のジャケットのアート・ワーク。
このアート・ワークには、当時、度肝を抜かれました。
来日時に、新藤兼人監督の日本映画「鬼婆」(1964年)が神話的で子供の頃から大好きだったと嬉しそうに語っていたビョーク(Björk)、口からつのだじろうの怪奇マンガのエクトプラズム(ectoplasm)のようなものが(笑)。
その後、「ヴェスパタイン(Vespertine)」(2001年)、「メダラ(Medúlla)」 (2004年)等、両者のコラボレーションは順調に進み、再び度肝を抜かれたのが、「ヴォルタ(Volta)」(2007年)のジャケットのアート・ワーク。
鮮やかな赤のバックに、ロシアの「マトリョーシカ人形」か、日本の「達磨さん」かという、ビョーク(Björk)のお姿。
自身の「ホモジェニック(Homogenic)」(1997年)を遂に超えるジャケットの誕生だと思いました。
サウンドも、ビョーク(Björk)の作品の中でも、最もアグレッシヴで、ヨーロッパの深層部からアフリカなど世界各地に根を伸ばして行くようなサウンドは、今や「最強の音」。
ピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)が1980年代にたどり着きながらも持続することができなかった音世界を、ビョーク(Björk)は軽々とさらに深く開拓。
「ヴォルタイック(Voltaïc)」(2009年6月)のアートーワークでも、M/M(paris)の勢いはとまらず、Björkの「ö」の字をかたどった力強いデザインが印象的なアート・ワークが、これまた素晴らしい。
「ヴォルタイック(Voltaïc)」は、CDよりもDVDで、その「美」を味わいたいところ。
ますは、ヴォルタ・ツアーのライヴ映像DVD。
You Tube上のザ・ヴォルタ・ツアー ライヴ・イン・パリのオープニング「brennio pio vitar~アース・イントゥルーダーズ (earth intruders)の映像。
http://www.youtube.com/watch?v=oLBmNSniYks
原色を中心としたステージ衣装、母国アイスランド女性だけで編成されているらしいブラス・セクションによるオープニング、続くプリミティヴなアフリカン・リズム、興奮します。
ただし、ステージ自体は素晴らしいのですが、ライヴ映像作品としてはもうちょっとひねりが欲しいかもしれません。
「ヴォルタイック(Voltaïc)」の一番の注目は、ビョーク(Björk)ならではの最先端、プロモーション・ビデオDVD。
一番すごいと思う、You tube上の「ディクレア・インディペンデンス(declare independence)」のプロモーション・ビデオ。
http://www.youtube.com/watch?v=igOWR_-BXJU
そもそもは、恋人から辛い仕打ちにあっていた女友達に「自立しなさい」という意味で作ったパーソナルな歌とのことですが、2008年3月に上海でこの曲でチベット、チベットと連呼し大騒ぎに。
監督のミシェル・ゴンドリー(Michel Gondry)も、ライヴでのビョーク(Björk)とファンのつながりを見て思いついたビデオと語っていますが、意味深にも見えるかなり激しいビデオ。
「ワンダーラスト(wanderlust)」のビデオもすごい。
http://www.youtube.com/watch?v=5Onwb4-mEpQ
とても簡単には語れない4枚組、ビョーク(Björk)の「最強の美」をぜひお楽しみください。
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