平成21年(2009年)税制改正でこうなるNo.13。省エネ改修工事に関する住宅ローン控除の延長及び所得税額の特別控除の創設(個人)
前回に引き続き、平成21年(2009年)税制改正によりどこがどう変わったのか概要を確認して行く「平成21年(2009年)税制改正でこうなる」シリーズの第13回。
今回は、地球温暖化防止に向けての家庭部門のCO2排出量の削減と住宅投資の促進の観点からの改正である、省エネ改修工事に関する住宅ローン控除の延長及び所得税額の特別控除の創設(個人)についてです。
■省エネ改修工事に関する住宅ローン控除(住宅ローン減税)の延長
平成20年度税制改正で創設された省エネ改修工事に関する住宅ローン控除(住宅ローン減税)の適用期限が、平成20年12月31日から平成25年12月31日まで5年間延長されました。
省エネ改修工事に関する住宅ローン控除(住宅ローン減税)の概要については、昨年の当ブログの記事をご参考ください。
■省エネ改修工事に関する所得税額の特別控除の創設
【概要】
居住者が、
その者の居住の用に供する家屋について
一定の省エネ改修工事を行った場合において、
平成21年4月1日から平成22年12月31日までの間にその者の居住の用に供したときは、
一定の要件の下で、
当該省エネ改修工事の費用の額と
当該省エネ改修工事に係る標準的な工事費用相当額の
いずれか少ない金額
(200万円(太陽光発電装置を設置する場合は、300万円)を限度)
の10%に相当する金額をその年分の所得税額から控除します。
【一定の省エネ改修工事】
①全ての居室の窓全部の改修工事
②床の断熱工事
③天井の断熱工事
④壁の断熱工事
⑤太陽光発電装置設置工事
であって、その工事費用の額が30万円を超えること等一定の要件を満たすものをいいます。
ただし、
②~⑤については、①の工事と併せて行うもの、
①~④については、改修部位の省エネ性能がいずれも平成11年基準以上となるもの、
⑤については一定のもの、
に限ります。
【一定の省エネ改修工事の証明】
住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく登録住宅性能評価機関、建築基準法に基づく指定確認検査機関又は建築士法に基づく建築士事務所に所属する建築士が行うものとします。
【標準的な工事費用相当額】
省エネ改修工事の改修部位ごとに単位当たりの標準的な工事費用の額として定められた金額に当該省エネ改修工事を行った床面積等を乗じて計算した金額をいいます。
【適用関係】
平成21年分に本税額控除の適用を受けた者は、平成22年分においてはその適用を受けることはできません。
その年分の合計所得金額が3,000万円を超える場合には適用されません。
同一年中に省エネ改修工事とバリアフリー改修工事を行い、その者の居住の用に供した場合におけるその年分の所得税額控除金額は、20万円(太陽光発電装置を設置する場合は、30万円)を限度に両制度の合計額となります。
また、一般の住宅の増改築等に関する住宅ローン控除(住宅ローン減税)、省エネ改修工事に関する住宅ローン控除(住宅ローン減税)、バリアフリー改修工事に関する住宅ローン控除(住宅ローン減税)の適用を受ける場合には適用されません。
■上記からわかること
先日ご紹介した、住宅ローン控除(住宅ローン減税)の延長・拡大、認定長期優良住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除の創設もそうですが、住宅ローンの有る無しにかかわらず、個人住宅投資に関する減税措置が増えてきています。
一生のうちにそう何度もない大きな買い物である個人住宅投資、納税者の方も、私ども税理士も、適用漏れ、選択誤りには十分に注意したいものです。
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