平成21年(2009年)税制改正でこうなるNo.12。認定長期優良住宅に関する登録免許税、不動産取得税、固定資産税の軽減措置の創設(個人)
前回に引き続き、平成21年(2009年)税制改正によりどこがどう変わったのか概要を確認して行く「平成21年(2009年)税制改正でこうなる」シリーズの第12回。
今回は、認定長期優良住宅に関する登録免許税、不動産取得税、固定資産税の軽減措置の創設(個人)についてです。
■認定長期優良住宅に関する登録免許税の優遇措置
先日ご紹介のように、土地需要を喚起するという趣旨から、土地等の登録免許税についての慧眼措置が延長されましたが、平成21年6月4日施行の「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に規定する認定長期優良住宅に該当する場合にさらなる軽減措置が創設されました。
【所有権の保存】
・本則:固定資産税評価額(又は法務局認定額)×0.4%
・特例:新築居住用家屋・・・
固定資産税評価額(又は法務局認定額)×0.15%(~平成23年3月31日)
認定長期優良住宅に該当する新築居住用家屋・・・
固定資産税評価額(又は法務局認定額)×0.1%(平成21年6月4日~平成22年3月31日)
【所有権の移転】
・本則:相続、合併・・・固定資産税評価額×0.4%
売買その他・・・固定資産税評価額×2.0%
・特例:土地の売買・・・固定資産税評価額×1.0%(~平成23年3月31日)
固定資産税評価額×1.3%(平成23年4月1日~24年3月31日)
固定資産税評価額×1.5%(平成24年4月1日~25年3月31日)
個人の一定の居住用家屋の売買
・・・固定資産税評価額×0.3%(~平成23年3月31日)
認定長期優良住宅に該当する居住用家屋の売買・・
固定資産税評価額(又は法務局認定額)×0.1%(平成21年6月4日~平成22年3月31日)
■認定長期優良住宅に関する不動産取得税の優遇措置
先日ご紹介のように、土地需要を喚起するという趣旨から、平成24年3月31日までに取得が行われた場合を適用期限に軽減措置が延長されましたが、認定長期優良住宅に該当する場合にさらなる軽減措置が創設されました。
平成21年6月4日から平成22年3月31日までに認定長期優良住宅を新築した場合に、一定の面積等の要件を満たすと1,200万円を課税標準額から控除するという新築住宅に係る特例措置に代えて、同様の一定の面積等の要件を満たすとその課税標準額から1,300万円を控除するという特例が創設されました。
■認定長期優良住宅に関する固定資産税の優遇措置
先日ご紹介のように、土地需要を喚起するという趣旨から、土地の固定資産税・都市計画税の税負担の調整措置の継続・拡大が行われていますが、認定長期優良住宅に該当する場合にさらなる軽減措置が創設されました。
平成21年6月4日から平成22年3月31日までに新築された認定長期優良住宅について、一定の要件を満たすと固定資産税の1/2を3年度(中高層の耐火建築物は5年度)にわたり減額するという新築住宅に係る特例措置に代えて、同様の一定の面積等の要件を満固定資産税の1/2を5年度(中高層の耐火建築物は7年度)にわたり減額するという特例が創設されました。
■上記から感じること
住宅ローン控除(住宅ローン減税)、新築等をした場合の所得税額の特別控除と並ぶ、いわゆる「200年住宅」の優遇税制で、住宅金融支援機構の最長50年固定金利の「フラット50」も加わり、政府肝入りの政策です。
「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の施行日である平成21年6月4日の朝日新聞夕刊によると、中小工務店は信頼を得る好機と捉えているものの、マンション業界はコスト・アップにつながると慎重な姿勢と報道しています。
地球環境への負荷軽減という観点からは大変意義のあると思われる「200年住宅」、これからの動向に要注目です。
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