平成21年(2009年)税制改正でこうなるNo.11。認定長期優良住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除の創設(個人)
前回に引き続き、平成21年(2009年)税制改正によりどこがどう変わったのか概要を確認して行く「平成21年(2009年)税制改正でこうなる」シリーズの第11回。
今回は、認定長期優良住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除の創設(個人)についてです。
■認定長期優良住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除の創設の概要
地球環境への負荷低減、建て替えコスト削減による国民の住宅負担の軽減、住宅投資の活性化による地域経済の振興等の観点から、下記の制度が創設されました。
居住者が、
国内において、
住宅の用に供する認定長期優良住宅の新築又は建築後使用されたことのない、
「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に規定する認定長期優良住宅の取得をして、
同法の施行日である平成21年6月4日から平成23年12月31日までの間に
その新築等の日から6ヶ月以内にその者の居住の用に供した場合には、
一定の要件の下で、
当該認定長期優良住宅の新築等に係る標準的な性能強化費用相当額(1,000万円を限度)の
10%に相当する金額を(結果的に100万円が限度)
その年分の所得税額から控除し、
控除しきれない金額がある場合には翌年分の所得税額から控除されます。
ただし、その年分の合計所得金額が3,000万円を超える場合には適用されません。
■「標準的な性能強化費用相当額」とは?
認定長期優良住宅の構造の区分ごとに、
長期優良住宅の認定に係る耐久性、耐震性、省エネ性能、可変性、更新の容易性等の項目ごとに
その基準に適合するために必要となる標準的な費用を基に平米当たりで定められた金額に
当該認定長期優良住宅の床面積を乗じて計算した金額をいいます。
■手続
確定申告書に、
当該控除に関する明細書、
長期優良住宅建築等計画の認定書の写し及び登記事項証明書
等の一定の書類の添付がある場合に適用されます。
■他の制度との関係
住宅ローン控除(住宅ローン減税)との関係は、選択適用となります。
居住用財産の買換え等の特例(租税特別措置法36条の2)との重複適用は可能です。
居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(租税特別措置法31条の3)
居住用財産の譲渡所得の特別控除(いわゆる「3,000万円控除」。租税特別措置法35条)
を居住年、居住年の前年、居住年の前々年に適用を受けている場合は、
この規定の適用は受けられません。
■上記から感じること
簡単に言えば、認定長期優良住宅の新築等をした場合に、住宅ローンを利用しない人にも、優遇税制の恩恵を受けられるようにし、住宅投資の促進をしようとする制度です。
いわゆる「200年住宅」がどのような形で、どのように普及してゆくのか不明ではありますが、地球環境への負荷低減の観点から非常に有意義な制度であり、その動向には注目したいと思います。
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