2008年デジタル・リマスターで再び蘇る、1967年、ウッドストック(Woodstock)の地下室で培養された芳醇なるアメリカン・ルーツ・ミュージック。ボブ・ディラン&ザ・バンド(Bob Dylan & the Band)「地下室(ベイスメントテープ)(The Basement Tapes )」
新作、「トゥゲザー・スルー・ライフ(Together Through Life )」(米盤:2009年4月、日本盤:2009年5月)の発売に合わせ、新たに旧作4作品が最新デジタル・リマスター、紙ジャケで再発された、ボブ・ディラン(Bob Dylan)。
前回は、「偉大なる復活(Before the Flood)」をご紹介しましたが、もう1枚忘れてはならないのが、ボブ・ディラン&ザ・バンド(Bob Dylan & the Band)名義、「地下室(ベイスメントテープ)(The Basement Tapes )」(オリジナル:1975年、再発米盤:2009年3月、再発日本盤:2009年5月)。
その後、世界中に影響を与えることとなった、1967年、ウッドストック(Woodstock)の地下室で培養された芳醇なるアメリカン・ルーツ・ミュージックが、ブルーノート(Blue Note)で有名なリード・マイルス(Reid Miles)の印象的なジャケット写真を見事に再現した紙ジャケとともに、2008年デジタル・リマスターで再び蘇ります。
1966年にオートバイ事故にあったボブ・ディラン(Bob Dylan)は活動を休止し、ウッドストック(Woodstock)で隠遁生活を送りつつ、ライヴのバックだったデビュー前のザ・バンド(the Band)と、彼等が住んでいたビッグ・ピンク(Big Pink)と呼ばれた家の地下室で毎日セッションを繰り返し、当時の流行のサイケデリック・ミュージックに目もくれず、独自のアメリカン・ルーツ・ミュージックを培養。
1967年に、ザ・バンド(the Band)のガース・ハドソン(GARTH HUDSON)が、音楽出版社に送るデモテープとして録音したものが、音楽関係者やブートレッグとして世間一般に広く出回り、1970年代初期のサザン・ロック(Southern Rock)等のアメリカン・ルーツ・ミュージック・ブームを引き起こすことに。
You Tube上の地下室セッションより後年の1969年頃のザ・バンド(the Band)のビッグ・ピンク(Big Pink)での演奏の映像。
http://www.youtube.com/watch?v=lOlq2dHCZOA
地下室ではありませんが、ビッグ・ピンク(Big Pink)の様子がよくわかります。
その地下室セッションのデモ・テープが録音から約8年後に正式発売されたものが、ボブ・ディラン&ザ・バンド(Bob Dylan & the Band)「地下室(ベイスメントテープ)(The Basement Tapes )」(1975年)で、24曲収録。
地下室セッションのデモ・テープは、本当は150曲を超えていたとか、「地下室(ベイスメントテープ)(The Basement Tapes )」はロビー・ロバートソン(Robbie Robertson)が相当に手を加えてしまっているとか、公式盤や再発盤のボーナス・トラックや海賊盤で多くのその他の曲が収録されているとか、伝説・蘊蓄には事欠きません。
詳しい情報をお知りになりたい方は、「レコードコレクターズ増刊 クラシック・アルバムズ 1」(2007年)に、「地下室(ベイスメントテープ)(The Basement Tapes )」の項がありますのでご参考を。
なお、「地下室(ベイスメントテープ)(The Basement Tapes )」には、私の好きなザ・バンド(the Band)のドラマー、リヴォン・ヘルム (Levon Helm)の関与度は薄いようです。
リヴォン・ヘルム (Levon Helm)(著)、ステファン・デイヴィス(Stephen Davis)(補筆)、菅野彰子(翻訳)「ザ・バンド 軌跡(Levon Helm And The Story Of The Band)」(1993年、日本語訳1994年)によれば、ボブ・ディラン(Bob Dylan)の1965年から1966年のワールド・ツアーの際に、リヴォンは、雇われドラマーではなく自分たちのバンドでやりたいという夢があったことと、ロックへ転向したディランへの観客の激しい罵声に耐えられなくなったことから、途中で脱落。
ウッド・ストックにやって来たのが、ザ・バンド(the Band)のキャピトル・レコード(Capitol Records)との契約は決まってからの1997年終り頃で、地下室セッションのデモ・テープへの参加が遅れたため。
したがって、「地下室(ベイスメントテープ)(The Basement Tapes )」は、ザ・バンド(the Band)の強烈なグルーヴ感は乏しく、そこが培養中のアメリカン・ルーツ・ミュージックの味につながっています。
細野晴臣は、ザ・バンド(the Band)の音楽の凄さは年をとればとるほどわかってくると言っていましたが、正に同感。
ただし、私ごときは、若い時には理解できませんでしたが・・・。
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