手塚治虫、アニメーション。RAVEX(レイベックス)「TRAX(トラックス)」
エイベックス創立20周年と手塚治虫生誕80周年を記念した、Mondo Grossoの大沢伸一、Fantastic Plastic Machineの田中知之、m-floの☆Taku Takahashiによるプロジェクト、RAVEX(レイベックス)のアルバム「trax(トラックス)」(2009年4月)。
グルーヴィーなサウンド作りでは、日本を代表するお三方がフィーチャーする歌い手は、安室奈美恵、土屋アンナ、安藤裕子、東方神起、後藤真希、BoA、DJ OZMA、MONKEY MAJIK、LISA、GIRL NEXT DOORのヴォーカル千紗と、これまたavex(エイベックス)のお歴々で、我が国の史上最高のクリエイターと言って良い手塚治虫のキャラクターと豪華コラボレーション。
役者は揃いましたが、私は大変申し訳ありませんが少々複雑な気分です。
アニメーションとダンス・ミュージックの融合の先駆者といえば、やはりダフト・パンク(Daft Punk)の傑作「ディスカバリー(Discovery)」(2001年)で、松本零二のアニメとコラボレーション。
You Tube上の1曲目「ワン・モア・タイム(One More Time)」のプロモーション・ビデオ。
http://www.youtube.com/watch?v=lH-0s0pRleg
同じく4曲目「仕事は終わらない(Harder, Better, Faster, Stronger)」のプロモーション・ビデオ。
http://www.youtube.com/watch?v=DgBgnoEY4iM
ロボ声ダンス・ミュージックの先駆者、ダフト・パンク(Daft Punk)なくして、中田ヤスタカのPerfume(パフューム)サウンドはなかったと言い切ってよいでしょう。
一方、手塚治虫と言えば思い出すのは、Mansfield(マンスフィールド)こと池田正典の傑作「マンスフィールド・ポップ(Mansfield Popp)」(2002年)。
手塚治虫!と思ってよく見るとDJブースがあるのでおや誰が書いたんだろうと思うジャケットのイラストは、手塚治虫のパロディーを得意とする漫画家田中圭一によるもの。
このアルバムは、2曲目のa-ha(アーハ)の「テイク・オン・ミー(Take on me)」のリメイクを始め、本当に全曲楽しめる完成度の高いアルバム。
実は私はほとんど印象に残りませんでしたが、当時シンバルズ(Cymbals)の土岐麻子も2曲参加。
RAVEX(レイベックス)のアルバム「trax(トラックス)」(2009年4月)ですが、私は大変申し訳ありませんが少々複雑な気分。
新「音楽王」ともいうべきFantastic Plastic Machineの田中知之、1990年代の小西康陽のハイテンションを2000年代に引き継ぐ男m-floの☆Taku Takahashi、太い音ならこの人のMondo Grossoの大沢伸一、と私が注目する3人のコラボレーションには興味津々でしたが、互いに遠慮したのか、あくまでお祭りでの大人の仕事ぶりなのか、完成度は当然のこととして驚きは特に無し。
付属DVD収録の「ravex in TEZUKA WORLD」、「RATOM(ラトム)」のアニメも、どうしても比べてしまうダフト・パンク(Daft Punk)のものに及ばずというところ。
CGぽさが強いような気がする手塚プロダクションの手塚治虫キャラクターも、田中圭一のパロディーの方が手塚治虫っぽく感じてしまうのが、リアルタイムで手塚漫画を読んでいた我々としては残念なところ。
それでも、私が気に入ったのは、韓国出身の歌手BoAをフィーチャーした先行シングル「Believe in LOVE feat. BoA」(2009年2月)。
You Tube上の「Believe in LOVE feat. BoA」の映像。
http://www.youtube.com/watch?v=za4IWgN1sVc
大傑作映画「嫌われ松子の一生」(2006年)のポスターが素晴らしかった、ヒロ杉山、三嶋章義、鈴木シゲル、山口要のEnlightenment(エンライトメント)による、宇宙を舞う手塚漫画のコマ、手塚アニメのラヴ・シーンを編集した映像が美しい。
手塚治虫生誕80周年にあたり、様々なクリエイターとコラボして間口を広げ、手塚作品の認知を広げる事業方針を掲げているらしい手塚プロダクション、リアルタイムからのファンとしてはおおっと驚かせてくれるようなリメイク期待しています。
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